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2017年3月31日
東レ株式会社
平成28年度日本化学会 第65回化学技術賞受賞
「反応誘起型ナノ相分離エポキシ樹脂と高性能CFRPの開発」
-2年ぶり、15度目の「化学技術賞」受賞-

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、『反応誘起型ナノ相分離エポキシ樹脂と高性能CFRPの開発』について、公益社団法人日本化学会より「第65回(平成28年度)化学技術賞」を受賞し、3月17日(金)に慶應義塾大学 日吉キャンパスにおいて表彰式が開催されました。  この度の受賞は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の機械特性と耐衝撃性を飛躍的に向上させたエポキシ樹脂およびプリプレグ*)の開発によるものです。  東レの「化学技術賞」受賞は、第63回(平成26年度)に続き今回で15度目となります。  日本化学会は、国内最大の化学の学会であり、化学・科学技術の知識を進展させ、人類の発展と地球生態系の維持とが共存できる社会の構築を目指しています。今回東レでは、化学工業の技術に関する顕著な業績を表彰する「化学技術賞」を受賞しました。  CFRPは高い比強度、比弾性率を有し、構造体の軽量化に最も優れた材料であることから、航空機、自動車をはじめ、ゴルフシャフト、自転車などのスポーツ用品、圧力容器などの一般産業用途に広く適用されています。マトリックス樹脂には、耐熱性・耐薬品性に優れる熱硬化性のエポキシ樹脂が広く用いられていますが、熱可塑性樹脂と比較すると強度に優れる反面、耐衝撃性との両立が難しいという課題があり、その解決が求められていました。  本賞の受賞は、東レの独自技術であるナノアロイ®技術を深化、発展させ、エポキシ樹脂の硬化反応中に柔軟な成分をナノレベルで精密・均質に分布させる技術の革新性、さらには、上記したエポキシ樹脂の本質的な課題を解決し、従来、両立が難しかった耐衝撃性と曲げ強度を兼ね備えたCFRPを開発し、ナノアロイ®プリプレグとしてスポーツ用途を中心に製品化した点が高く評価されたものです。  東レは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2019”において、炭素繊維複合材料事業を中長期に亘って収益拡大を牽引する「戦略的拡大事業」と位置づけています。今後も、“Innovation by Chemistry”のコーポレートスローガンのもと、コア技術である有機合成化学、高分子化学のさらなる深化、ナノテクノロジーの融合を図り、革新的な複合材料の創出を進めて参ります。

*) プリプレグ炭素繊維に未硬化状態の樹脂を含浸したシート。本シートを積層・賦形し熱処理により硬化させることで、CFRPが得られる。
以 上

写真:平成28年度・29年度日本化学会会長 山本 尚 氏(右から3番目)と弊社受賞者5名

写真:平成28年度・29年度日本化学会会長 山本 尚 氏(右から3番目)と弊社受賞者5名

<ご参考>
東レの「日本化学会・化学技術賞」受賞履歴について
第63回(平成26年度)「新規分子・構造設計による革新逆浸透膜の開発」
第61回(平成24年度)「軽量航空機用複合材料の実用化」
第58回(平成21年度)「部分エステル化反応を用いた高性能ポジ型ポリイミドの開発と実用化」
第51回(平成14年度)「感光性ガラスペーストによるPDP隔壁形成技術」
第49回(平成12年度)「敗血症治療用エンドトキシン吸着カラムの研究開発」
第47回(平成10年度)「表面実装対応ビフェニルエポキシ封止材の研究開発」
第45回(平成8年度)「パラ系アラミドフィルムの開発」
第41回(平成4年度)「架橋芳香族ポリアミド複合逆浸透膜の開発」
第37回(昭和63年度)「水なし平版システムの開発」
第25回(昭和51年度)「ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊維製造技術の確立と工業化」
第22回(昭和48年度)「スエード調一層構造人工皮革の技術開発」
第19回(昭和45年度)「トルエン不均化および高純度シクロヘキサン製造技術の確立と工業化」
第13回(昭和39年度)「光ニトロソ化法(PNC法)によるε-カプロラクタムの製造」
第1回(昭和26年度)「ポリアミド合成繊維の研究とその工業的製造技術の確立」
以 上