close

2015年11月9日
東レ株式会社
ボーイング社との炭素繊維トレカ®プリプレグ包括的長期供給契約の正式締結
および 米国での炭素繊維トレカ®プリプレグ一貫生産設備の新設について

 東レ株式会社(所在地:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、米国のThe Boeing Company(本社:米国イリノイ州シカゴ、以下「ボーイング社」)との間で、既存の「787」プログラムに加え、新型機「777X」プログラム向けに炭素繊維トレカ®プリプレグを供給する包括的長期供給契約を正式に締結しました。本契約は、2005年11月に締結した包括供給契約を本年からさらに10年以上延長するもので、今後の「787」、「777X」両プログラム向けの契約期間における東レグループの供給総額は、1.3兆円(110億ドル)を超える見込みです。  これに合わせて東レは、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ郡の新規事業用地において、約500億円を投じ、原糸(プリカーサ)から焼成まで一貫の高性能炭素繊維トレカ®生産設備(年産能力 2,000トン)、および炭素繊維トレカ®を使用したプリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)の生産設備の新設を決定しました。東レは新規事業用地において、2020年までに1,000億円規模を投じて米国での炭素繊維複合材料事業の拡大を図ることを計画しており、今回の投資はその第一弾です。原糸(プリカーサ)から炭素繊維トレカ®およびトレカ®プリプレグまでの一貫生産設備の建設は、米国では初めてとなります。  2017年5月以降、原糸(プリカーサ)から順次生産を開始し、ボーイング社向けトレカ®プリプレグの供給開始は認定取得完了後の2019年を予定しています。  「787」では、当初から主翼、胴体などの一次構造部材にトレカ®プリプレグが採用されていますが、生産機数を現行の月産10機から、2016年に月産12機、更に2019年末までには月産14機まで引き上げることが計画されていることに加え、今後は「787」ファミリーの派生型(モデルミックス)の導入により、炭素繊維複合材料の大幅な需要増が見込まれています。  また、「777X」は、ボーイング社が現行「777」の後継機として2020年に初号機を納入する計画で開発を進める大型双発旅客機で、このたびの契約締結により、その主翼材料としてトレカ®プリプレグの採用が正式に決定しました。  東レは現在、「787」月産12機への増産に対応するため、米国子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、社長:Dennis Frett)において、2016年1月稼働予定でトレカ®プリプレグ生産系列の増設を進めています。今回の新規事業用地での一貫生産設備の新設は、「787」月産14機への増産、および今後の「777X」プログラムの立ち上がりによる需要拡大に対応するものであり、ボーイング社に向けた安定供給体制をより強固にするものです。  東レは、「787」「777X」両プログラム向け出荷量の増加に伴い、引き続き新規事業用地における生産設備の増強を実施していく予定です。  東レは、2014年4月からスタートした新中期経営課題"プロジェクト AP-G 2016"の中で、炭素繊維複合材料事業における航空宇宙分野での飛躍的な事業拡大を目指しています。東レは、ボーイング社の増産計画に沿って引き続きトレカ®プリプレグの安定供給体制の拡充を図るとともに、米国での炭素繊維複合材料事業の高度化と収益拡大を進めてまいります。