2018年11月19日
東レ株式会社
がんを対象とした新規低分子医薬品「TRK-880」に関する
米国ベンチャー企業との新たな取り組みについて
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)とSystems Oncology, LLC(本社:米国アリゾナ州スコッツデール、社長:Spyro Mousses、以下「SO社」)は、両社で共同研究を進めてきたSO社のがんを対象とした新規低分子医薬品(*1)「TRK-880(東レ開発コード、以下「本剤」)」について、2018年3月30日に、全世界をテリトリーとしたライセンス契約(以下、「本契約」)を締結し、このたび両社の間で開発実施スケジュールの合意に至りましたので、お知らせいたします。
本剤は、複数のがん種のがん細胞内で特異的に過剰発現することが知られている特定の酵素と反応し、がん細胞内で活性酸素種(ROS)を大量に生産することでがん細胞を死滅させるという新規メカニズムを有している低分子医薬品です。がん細胞を特異的に死滅させる可能性が高いことから、副作用を低減した革新的ながん治療薬となることを期待しています。
本契約により、東レはSO社より本剤の全世界における独占的開発権、販売権、製造権を取得し、本剤の開発を実施します。これに伴い、東レはSO社に本契約締結に伴う一時金、開発の進捗に応じたマイルストン及び上市後の製品売上げに応じたランニングロイヤルティーを支払います。
東レは新しいがん治療薬創出を目指した研究に長年取り組み、固形がんに対する治療薬としてTRK-950(*2)(東レ開発コード)を創製し、2017年3月から第I相臨床試験(*3)を開始しております。本剤をTRK-950に続く新たながん治療薬として早期承認取得を目指して開発し、東レのがん治療薬領域のパイプライン拡充を図ってまいります。
東レは、「がん領域」を医薬事業の重点分野の一つに掲げ、患者さまのために真に役立つ、特徴ある新薬の創製に世界に先駆けて取り組んできました。近年の高齢化社会に伴い、より長く、健康な人生を過ごすことへの関心がますます高まっています。東レは引き続き、革新的新薬の創出を通じて、健康社会の実現に貢献してまいります。