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2011年9月9日
東レ株式会社
東レの自動車向けグリーンイノベーション戦略を体現する
次世代型EVコンセプトカー「“TEEWAVE” AR1」が完成

 東レ(株)(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、 以下「東レ」)はこのたび、当社がグリーンイノベーション製品(GR製品)と位置づける環境配慮型の先端材料や先端技術を駆使して、次世代型のEV(電気自動車)コンセプトカーを完成させました。  当社は、このコンセプトカーを「“TEEWAVE” AR1」(Toray Eco Efficient Wave Advanced Roadster 1)と命名し、東レグループが取り組む自動車用途向けのグリーンイノベーション戦略を体現するフラッグシップとして、地球環境や利用者ならびに自動車産業に向けたコンセプトを提供して参ります。

「“TEEWAVE” AR1

「“TEEWAVE” AR1

 “TEEWAVE”は、「東レの先端材料・先端技術を駆使し、すべての人に魅力あるコンセプトを提供する」ことを目標とし、(1)地球環境のためには「LCA(Life Cycle Assessment)の観点からCO2排出量の少ない環境対応型の超軽量電気自動車」を、(2)利用者のためには「高い衝突安全性と、LCC(Life Cycle Cost)の観点から経済性を備えたコンパクトカー」を、(3)自動車産業のためには「熱可塑性樹脂の使用、部品点数削減による高生産性車体と塗装代替技術」を提案していきます。  車体基本構造には熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)製のRTM一体成形モノコックとCFRP製衝撃吸収体を採用し、軽量化と同時に優れた車体剛性と衝突安全性を実現するとともに、ボンネットハッチやルーフには1分程度のハイサイクル成形が可能な熱可塑CFRPを適用するなど、それぞれの材料の特徴を最大限に発揮させるよう使用部位を最適化しました。内装材にはリサイクルポリエステル繊維を使用した人工皮革“ウルトラスエード®”および各種バイオマス繊維や発泡体、さらに塗装代替技術として金属光沢調フィルム“ピカサス®”やフィルム加飾技術など、先端材料・先端技術を最大限に盛り込んでいます。  また、車両の意匠デザインや構造設計、製作には英国で環境対応タウンカーの企画・設計を手がける「Gordon Murray Design Ltd.」(代表:元F1車体設計者であるゴードン・マレー氏)を起用し、実際に公道を走行するための車両登録が可能な仕様を備えています。  さらにCFRP製モノコックの採用により、2シータオープンモデルでも軽量で優れた車体剛性や衝突安全性を実現し、この基本設計を活かすことによって、他の車型への展開が容易になるというメリットも実現させました。完成したコンセプトカーの実力を評価するために、今回の2シータオープンモデルをベースに試算した4シータ乗用車の性能を、現在市販されている従来素材・構造からなるEVと比較、検証を行った結果、1回の充電で走行できる距離を一定とした場合、開発したコンセプトカーでは従来EVと比較して、車体重量が1,520kgから975kgと約2/3に軽量化でき、CO2排出量は14.9tが13.6tと約9%低減可能です。  また、CFRPエネルギー吸収体の効果によってエネルギー吸収量が約2.5倍になることでも、非常に高い衝突安全性を発揮します。  今後、この“TEEWAVE”を製作する上で得られた知見をさらに深化させ、自動車分野での材料、成形、設計に関する技術開発を加速し、自動車メーカーや部品メーカーとの共同開発を強力に推進して参ります。  東レは、今年4月からスタートさせた中期経営課題「プロジェクト AP-G 2013」において、成長分野・成長地域での事業拡大を目指しており、中でも自動車は航空機とならぶ最重要な分野の一つと定めています。また、全社プロジェクトの一つとして「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を掲げ、地球環境問題や資源・エネルギー問題を解決し、持続可能な低炭素社会の実現に貢献していくことを目指しています。  今回のコンセプトカーの製作は、まさにこれら中期経営課題の重点戦略を体現していく取り組みであり、東レは今後も、企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を実現すべく、成長市場への先端材料の積極的な拡大に注力していく所存です。 “TEEWAVE”AR1の概要は以下の通りです。

1.車両諸元・性能

1.車両諸元・性能

2.主な適用素材・技術

2.主な適用素材・技術