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2018年8月1日
プラスチックを"サーキュラー化"する試みは成功するか?
―エレン・マッカーサー財団の取り組みからプラスチック循環化の可能性を考える―
主席研究員(市場調査担当)
岩谷 俊之

【要点(Point)】
(1)プラスチックと繊維という、二つの素材をターゲットに資源循環化を進める英国のエレン・マッカーサー財団(E.M.財団)。そこには資源枯渇という問題だけではなく、プラスチックの環境漏出や海洋汚染に対する強い危機感がある。
(2)一方、中国が廃棄物輸入規制を設けたことで欧州のプラスチック廃棄物は“売り先”を失った。欧州が廃プラスチックであふれる前に循環利用を推し進める必要に迫られた欧州当局はプラスチック循環化の政策目標を発表。この動きは上述のE.M.財団の目指す方向と完全に重なるといってよい。
(3)E.M.財団は世界のエクセレント・カンパニーと次々パートナー関係を構築。パートナー企業はプラスチック循環利用に向け、新しい技術開発・製品投入を活発に進める。
(4)海洋投棄プラスチックを原料にスポーツシューズやフォーマルウエアを作る"アップサイクル"などの事例はまだ量的な影響力は少ないが、大手企業が取り組むことによる業界影響力・社会影響力は大きい。プラスチック循環化の拡大はプラスチックサプライチェーンそのものも変えていく可能性を秘める。

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