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2014年6月1日
繊維トレンド5・6月号 2014 No.106

■特別レポート

東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催 繊維産業シンポジウム講演抄録 東レの繊維新素材・新技術開発戦略

東レ株式会社 常任理事 西本 安信

 去る3月7日に、金沢市のANAクラウンプラザホテルにおいて、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地が目指す新しい方向性』を開催しました。当日は、早稲田大学商学学術院鵜飼信一教授、株式会社良品計画金井政明代表取締役社長、東レ株式会社西本安信常任理事の3人の講師にご講演いただきました。本号では、そのうち、西本常任理事の講演内容をご紹介します。なお、鵜飼教授の講演内容については、弊社の経営情報誌『経営センサー』5月号にて別途ご紹介します。

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■ファイバー/テキスタイル

自動車用繊維資材の開発動向

東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)世界の自動車市場は中国、インドなどの新興国で急拡大するとともに先進国ではニーズの多様化が更に進んでいる。世界的な自動車生産の増加に対応して、現在、テクニカル・テキスタイル市場の約2 割を占める自動車用途は拡大基調にある。
(2)自動車製造に使われる繊維資材は非常に多様であり、織布、編物、不織布、コーティング布帛、布帛複合体(異なった布帛の組み合わせ、または樹脂と布帛の組み合わせ)などがあるが、時代とともに進化している。
(3)最近の自動車産業は、グローバル化とともに、軽量化、リサイクル、バイオ化、電気自動車等への流れが顕著であり、その流れと相まって、自動車用途への繊維資材適用は不織布を中心にますます伸びていくものと考えられる。
(4)また、エアバッグ用基布等も新しいコンセプトの製品が次々に開発されており、標準装備の増大、適用部位の拡大、新興国向けの需要拡大により、相乗的な伸びが期待できる。

フィレンツェとパリから 2015 年春夏の生地トレンドと、 東西のはざま トルコの今とこれから

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)フィレンツェとパリに出展した各紡績は、来シーズンのトレンドを麻、綿、天然獣毛繊維のブレンドが主軸になると読んで、これを暑い夏の気候にどうしたら適合させられるかという視点から、ごく薄い織物や羽毛のような軽い生地に織ったり編んだりできる糸の開発に焦点を合わせている。
(2)展示されている製品の多くは軽くてカラフルなシースルーや半透明の織物やニット生地で、これにストライプやジオメトリック等の柄を乗せている。黄色をシーズンテーマカラーとして中間色や淡いパステル色を基調とした美しい自然の植物の色にゴールドやジュエリー調の色彩でアクセントを出している。ニット、ジャージー、織物、プリント等全てのコレクションに共通して花柄小紋などのマイクロパターンが採用されている。
(3)テンセルを綿と混紡することで防皺向上と原綿の減収に備えるとか、ポリエステル再生繊維をラグジュアリーブランドに採用するなどサステナビリティが引き続きメーンテーマとなっている。
(4)プルミエール ビジョンは今年10月にトルコ・イスタンブールで2015年秋冬を対象とした第一回展示会を開催すると発表した。これを機会にトルコ繊維産業の今とこれからを簡単にまとめて、日本として取るべき戦略を考えるヒントとしたい。

■縫製/アパレル

中国のラグジュアリー市場と倹約令

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)中国経済が堅調な成長を続ける中、今年の春節期間の全国小売売上高の伸び率は過去最低の水準。その大きな要因の1 つといわれるのが倹約令である。
(2)倹約令とは2012年12月4日に公布された国家公務員のコンプライアンス実践に関する通達。その目的は公務員による汚職など腐敗問題の根絶にある。
(3)中国のラグジュアリー市場は世界の6%を占めるが、ここ数年は低成長が続く。その原因として海外での購入、ECと代理購入の増加などが挙げられる。
(4)2013年、成長が鈍化する中国のラグジュアリー市場に追い打ちをかけたのが倹約令。倹約令に伴い公務員筋が買い控えたことが響いた。
(5)倹約令による、ラグジュアリー商品の消費減退は当面続くと見込まれる。今後市場の構成が変化する可能性もある。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

平成24 年経済センサスでみる日本の繊維産業

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主任部員 戸円 真弓

 平成24( 2012)年経済センサス(総務省、経済産業省)および貿易統計(財務省)などを基に日本の繊維製品の生産・加工・流通フローチャートを作成した(図表4)。同センサスの事業所数、従業員数は2012年2月1日時点の調査であるが、販売額などは2011年のデータに基づくことから、貿易統計も2011年の数字を使用した。これによると、2011年の日本の繊維製品市場規模は全体で32兆4,157億円であった。加工段階別に見ると、原料段階が1兆7,291億円、糸段階が7,071億円、織・編物段階が2億9,243億円、衣類など繊維製品段階が26 兆9,544億円となった(このほか原料~織物の格付不能な卸売業が1,009億円)。

■統計・資料

主要国の合繊主要4品種の需給動向

日本/韓国/台湾/アメリカ/中国/インドネシア/タイ/インド