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2015年6月1日
繊維トレンド5・6月号 2015 No.112

■特別レポート

東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催 繊維産業シンポジウム講演抄録 東レのテキスタイル事業戦略

東レ株式会社 取締役 繊維事業本部 副本部長 テキスタイル事業部門長 首藤 和彦

 去る3月6日に、福井市のフェニックス・プラザ大ホールにおいて、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地が目指す新しい方向性』を開催しました。当日は、一橋大学大学院国際企業戦略研究科一條和生教授、マツダ株式会社金井誠太代表取締役会長、東レ株式会社首藤和彦取締役の3 人の講師にご講演いただきました。本号では、そのうち、首藤取締役の講演内容をご紹介します。なお、一條教授、金井会長の講演内容については、弊社の経営情報誌『経営センサー』にてご紹介します。

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■ファイバー/テキスタイル

世界の不織布の動向

テキスタイルジャーナリスト 米長 粲

【要点(Point)】
(1)繊維の需要の中で不織布の伸びが年々増加して2013 年には繊維全体の9.2%を占める。今後も成長は大きい。
(2)成長を支えているのはマイクロファイバーなど素材の開発とスパンメルトやスパンレースなど固有技術の開発進展である。
(3)環境保全と軽量化、快適性というトレンド中で不織布の機能がミートし需要増を支えている。
(4)不織布の技術開発と用途展開が進んで今後のシェアアップがさらに期待できる。

イタリアから発信された2016 年のトレンドを見る - 2015/16 秋冬のメンズウエアと2016春夏の糸素材およびテキスタイル展示会から-

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)ピッティイマジネウオモ:ファッションの成長分野となっているメンズウエアは色調、風合い、イマジネーションに、さらに多様性を持たせて輝きを増している。最もクラシックなブランドアパレルでも、思いもよらないアクセサリーをアンサンブルにしている。アーバンとカントリーセンスをミックスした英国発のデザインが相変わらず人気となっている。トップブランドやイタリアの大手アパレルと多くのデザインハウスでデニムへの関心が高く、デニムの影響が全ての市場分野に広がっている。
(2)ピッティイマジネフィラティ:ピンク、オレンジ、ブルー、グリーン、ホワイトの煌めく明るい色使いと想像力に満ちたファンシータイプの糸使い、それに贅沢な天然素材を組み合わせて新しいアイデアを満載してエスプリと迫力に満ちている。多くのコレクションに半透明の素材が共通して見られた。デニムブルーがウール・カシミヤ等のラグジュアリー繊維を含めて多くのクラシックな糸素材に染められて、トレンディーな生地が提案されている。
(3)リボンやスパンコールなどをあしらったブライトでゴールドの装飾豊かな展示品が目立つ一方、軽くてエアリーな麻や綿素材を使って高級で抑制のきいたデザインを2016 夏のファッションとして提案している。ここでもデニムイタリアーノコーナーがひときわ目立っている。麻にシルクやカシミヤをミックスしたり、高級綿のウール混など冬物素材を紡績技術革新で夏物用に展開している

■縫製/アパレル

中国アパレル業界の人材動向

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)中国の労働市場は求人数が求職者数を上回る売り手市場である。アパレル業界も同様の状態にあると考えられる。
(2)人材の流動は、職種では技術系職種、専門性の高い職種、そして販売チャネルの増強に関わる職種が、場所では華東地区、華南地区が目立つ。
(3)就職/ 採用時、労働者が最も重視するのは給与、福利厚生、雇い主が求めるのはコミュニケーション能力である。
(4)労働者の離職率は、勤続年数が短く、職位も低いほうが高い傾向にある。離職理由で最も多いのは、給与、福利厚生である。
(5)中国アパレル業界の給与レベルは、全産業界の中では中間のやや下あたり。しかし企業や役職でバラつきは大きい。

■小売/消費市場

米国玩具市場の現状

英字ファッション情報誌 「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」 シニアエディター マヤ・カワムラ

【要点(Point)】
(1)前年比4%増を達成した米国玩具業界。消費者の動きは年末商戦以前に始まる。
(2)米国玩具産業協会では毎年産業見本市を開催し、市場調査等も含め産業全体の発展に勤しむ。
(3)NY 州立ファッション工科大学は、玩具デザイン学科を認可し、産業発展に不可欠な人材育成を続ける。
(4)商品の多様化の中で、ビデオゲーム市場の急成長はIT 産業と運命を共にし、将来性が期待される。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

中韓FTA

日本化学繊維協会 理事 杉原 克

 中韓自由貿易協定が2015年2月25日に両国間で仮署名された。今年前半に正式署名し、早期発効を目指すとされている。  同協定が発効すれば、中国側では品目の90.7%、輸入額ベースで1,417 億ドルにかかる関税が20 年以内に撤廃される(10 年以内では71.3%)。韓国側では品目の92.2%、輸入額で736 億ドルにかかる関税が20 年以内に撤廃される(10 年以内では79.2%)。  韓国側は、国内農水産業の保護を目的に、農水産物の関税撤廃率を70%に抑えたのが特徴である。これまでに同国が発効している48 カ国とのFTAとくらべ、農産物分野の自由化率が最も低いものとなっている。

■統計・資料

主要国の合繊主要4品種の需給動向

日本/韓国/台湾/アメリカ/中国/インドネシア/タイ/インド