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2012年11月22日
ブリヂストンのリトレッド事業に学ぶ「モノからコトへ」の発想転換 
― 脱コモディティ化戦略としての「製造業のサービス化」 -
チーフエコノミスト
増田 貴司

・製造業企業がモノの製造だけでなくサービス分野に進出する動きが活発化している。本稿では、前半でブリヂストンのリトレッド(タイヤの貼リ替え再生)事業の事例を紹介、分析し、後半で製造業に今求められるサービス化やソリューションビジネスのあり方について考察する。 ・ブリヂストンは、トラック、バス用タイヤのコモディティ化の打開策として、新品の単品売りではなく、顧客にタイヤをより長く、安全に使ってもらうためのソリューションを提供する事業へと大きくかじを切った。それは、顧客に「新品・リトレッド・メンテナンス」を組み合わせたカスタマイズな提案をすることで、顧客の経費削減・安全運行・環境対応の実現を目指すビジネスモデルである。 ・ハードの単品売りから、サービスを含めた新たな価値の提案にビジネスモデルを変えることは、コモディティ化克服のための処方箋になりうる。 ・製造業がサービス分野に乗り出す際にカギとなる概念は、「グッズ・ドミナント・ロジック(GDL)」から「サービス・ドミナント・ロジック(SDL)」への発想転換である。自らの事業をモノづくりからコトづくりへと定義し直すことである。 ・製造業のサービス化は、モノで稼ぐことを放棄してサービス事業に乗り出すことを意味しない。サービスをてこにハードウェアの利益率の向上を図ることも可能である。 ・日本企業は、上質なサービスを高く買ってもらうために、顧客自身が気づいていないような「顧客の利益が増える提案」をすることを目指すべきである。顧客の長期的な全体コスト削減につながるソリューションの提供は、その有効な一方策と言える。

【キーワード】

製造業のサービス化、コモディティ化、リトレッド、ソリューションビジネス、 グッズ・ドミナント・ロジック(GDL)、サービス・ドミナント・ロジック(SDL)、 価値づくり、脱コモディティ化、他社との連携、M&A、トータルコスト削減

PDF : TBR産業経済の論点 No.12-08(615KB)