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2015年9月1日
経営センサー9月号 2015 No.175

■今月のピックアップちゃーと

特許出願、中国急伸 ~国でも企業別でも躍進~

■経済・産業

世界の産業・市場をゆるがす「ミレニアル世代」 ―デジタル社会に適応した新しい消費者とは― 

株式会社JTB総合研究所 企画調査部 主任研究員 早野 陽子

【要点】
(1)
ミレニアル世代はアジアの新興国をはじめ、グローバルに市場を担う中核的な存在として世界の注目を集める。
(2)
デジタル社会に適応し、保有することに執着しない、社会貢献意識が高いなど新しい消費者としての特徴を持つ。
(3)
日本が世界と伍していくためには、ミレニアル世代と、それに続く世代に対し、新しい教育の機会を通じて将来への希望を抱かせることも必要。

■アジア・新興国

景気後退に直面するロシア経済 ―足もとの景気動向と今後のリスク―

公益財団法人国際金融情報センター 欧州部 主任研究員 一ノ渡 忠之

【要点】
(1)
2014年のロシアの実質GDP成長率(前年比)は+0.6%となった。15年第1四半期の成長率は消費や投資が大幅に縮小した結果、マイナスに転じた。
(2)
足もとでは、原油価格の低迷を受け為替のボラティリティが上昇しており、今後の動向を注視する必要がある。
(3)
ギリシャ危機に伴うユーロ圏の動向、中国経済の減速、米国の利上げと新興国からの資金流出、イランの原油市場への復帰と原油価格の一段の下落、などが追加的なリスク要因である。

■業界展望

2020東京五輪大会とスポーツ用品産業への波及効果

早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授 原田 宗彦

【要点】
(1)
オリンピックのメディア価値は高騰しており、世界最大のスポーツイベントとして多様なステークホルダーを巻き込み、スポーツ界の頂点に君臨している。
(2)
その背景には、スポーツ産業の目覚ましい進化があり、ハイブリッド化したスポーツイベント産業がコトづくりを誘導し、高度にブランド化されたモノ(スポーツ用品)が売れる仕組みを作った。
(3)
スポーツは不況に強い産業で、ライフスタイルと密接な関係がある。2020年五輪大会に向けて、スポーツをする人が増えれば、スポーツ用品が売れる可能性が高まるが、2020年の後も、継続的にスポーツイベントの誘致が必要である。
(4)
インバウンド観光客が急増する中、次の課題は、いかにして地方が海外のスポーツツーリストを誘客するかであり、磁力のあるスノーリゾートへの期待が高まっている。

 

見えてきた水素社会の到来 

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー部 燃料電池・水素グループ 主任研究員 大平 英二

【要点】
(1)
水素をエネルギーとして利活用する社会(水素社会)の実現は、エネルギーセキュリティ、環境および産業競争力の強化という日本の課題の解決に向けて重要である。
(2)
エネルギー基本計画における位置付け、水素・燃料電池戦略ロードマップの策定・公表など水素社会実現に向けた政策が具体化している。
(3)
官民による取り組みの結果、家庭用燃料電池や燃料電池自動車が市場投入された。さらなる水素エネルギー利用の拡大に向けた取り組みも本格化している。

■産業技術

課題先進国・日本のロボット開発を考える ―求められているのはドイツや米国との技術開発競争に勝つことか?―

産業技術調査部 シニアリサーチャー 岩谷 俊之

【要点】
(1)
近年のロボット技術開発ではIoTネットワーク構築やビッグデータ利活用、学習型人工知能開発等々、IT分野寄りの技術が極めて重要になっており、ドイツや米国はそういった点で日本の先を行っている。
(2)
こういった分野で日本がドイツや米国に勝つのは容易ではない。標準規格や基幹システム、データ等々の部分で日本優位の仕組みを作れれば理想的であるが、"得意のものづくり路線をロボットでも究める"方が現実的といえるのではないか。
(3)
身近を見れば、日本にはすでにさまざまな、しかも切実なロボットニーズが存在している。課題先進国といわれる日本は、労働人口減少・人手不足などの問題を抱える「ロボットニーズ先進国」でもある。「ニーズに応えたものづくり」というわが国の得意路線を進んでいけば、それがロボット技術の進化やロボットの普及をもたらすだけではなく、社会的課題そのものの改善につながり得る。

PDF : 詳細(1676KB)

■視点・論点

「今時の若者は…」とは言わないで

リロ・パナソニックエクセルインターナショナル株式会社 顧問 中村 好伸

プロローグ:一通のメール それは、グローバル人材育成の会社を経営している友人のTさんから来た、一通のメールから始まりました。

■マネジメント

ロシア 4都市"カイゼン"セミナー 実施レポート(その1) ―いまそこにある資源を活用する― 

株式会社ロゴ 代表取締役社長 津曲 公二 株式会社ロゴ 副社長 奥海 邦昭

【要点】
(1)
「現場と経営の両面からのカイゼン」をテーマにロシアの四つの都市でセミナーをおこなった。
(2)
2回連載の今回は、経営改革としての事例「日産を復活させたゴーン氏の戦略」を中心に報告する。
(3)
次回はセミナー受講者からの質問や実務課題を通じて、ロシアビジネスの現状を浮き彫りにする。

PDF : 詳細(1289KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

産業経済調査部門

「地政学リスク」「コネクテッドカー」

■お薦め名著

『ザ・ゴール』 ―システムのボトルネックはどこにあるのか―

エリヤフ・ゴールドラット 著 三本木 亮 訳 稲垣 公夫 解説

■ズーム・アイ

人口減少下における人手不足対策

ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 宮原 淳二

増加が続いている訪日外国人旅行者について、日本政府観光局(JNTO)は今年上半期(1~6月)の推計値が、過去最高だった前年同期から46%増え914万人に上ったと発表した。このペースでいけば、年間2,000万人の突破も夢ではない。弊社は秋葉原にオフィスを構え、日々数多くの観光客を目にしているが、大手居酒屋チェーンや中華料理店では、従業員も観光客も中国人という場面に出くわすことも多く、「ここは上海か?」と見まがうほど、その存在感を増している。