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2015年10月1日
経営センサー10月号 2015 No.176

■今月のピックアップちゃーと

今後20年間で世界の空を飛ぶ飛行機は3.7万機と倍増へ

■経済・産業

世紀の失敗か?マーケティング戦略の成功か? ―ケーススタディー:ニューコーク(New Coke)事件の再評価、リスク管理と総合戦略― 

(株)東レ経営研究所 特別研究員 成戸 昌信 (株)電通ビジネス・クリエーション・センター メディカル/ヘルスケア担当 シニア・コンサルティング・マネージャー 比留間 雅人

【要点】
(1)
1985年、コカ・コーラは歴史あるコークを、甘味が強く、軽くまろやかなニューコークに全面切り替えた。ところが全米からの大ブーイングが巻き起こり、わずか2カ月半後に元の味に戻したクラシックコークを発売してようやく挽回した。マーケティングの歴史に残る大失敗とされている。
(2)
クラシックコークは大衆の熱狂的支持を得て「コーク」ブランドの再強化となった。当年の業績は前年比増でありその後の業績拡大につながったことから本件は失敗でなく大成功と見ることもできる。
(3)
コカ・コーラはこれより前1982年にダイエットコークの発売に成功した。既に試飲テスト、コークブランドの活用という点で成功体験があったが、ニューコークではなぜかこれを生かしていない。
(4)
クラシックコークは実は元のコークと同じでなく、砂糖から低コストの異性化糖主体へ変えていた。これは収益向上をもたらし、同時に米国で異性化糖への転換の流れに寄与した。
(5)
マーケティング戦略・経営戦略として、リスク予測、代替案の準備、現実への対応の面で、ニューコーク事件から学ぶべき点が多い。

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■業界展望

岐路に立つインテル ―経営戦略のお手本企業、パソコン市場縮小への対応策は?―

産業経済調査部門 シニアアナリスト 永井 知美

【要点】
(1)
米インテルは、パソコン向けマイクロプロセッサ(超小型演算処理装置、以下MPU)で世界シェアの約8割を占める世界最大の半導体メーカーである。半導体の設計から製造、販売まで行う垂直統合型企業でもある。
(2)
浮き沈みの激しい半導体業界で、インテルは1992年から2014年までの23年間、世界最大の半導体メーカーとして君臨している。原動力となったのはパソコン向けMPUの大成功である。
(3)
インテルが強みを持っているのは技術力だけではない。稼ぐ仕組みづくりのうまさでも傑出している。
(4)
半導体業界の王者インテルも足元では苦戦している。モバイル分野への出遅れ、パソコン市場の縮小が要因である。
(5)
インテルはサーバ向け、IoT向けを成長分野と見て注力しているが、パソコンと違って両分野はニーズが多様であり、デファクト・スタンダードを取るのは困難が予想される。

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■視点・論点

ソーシャル・ビジネスとCSV(共有価値の創造) ―ビジネスを通じた社会問題の解決―

ソーシャル・ビジネス・EQパートナーズ株式会社 代表取締役 立教大学大学院 兼任講師 安部 哲也

【要点】
(1)
ソーシャル・ビジネスとは、ビジネスを通じて、社会課題の解決を行うことである。
(2)
CSV(社会共通価値の創造)とは、社会的価値と経済的価値とを共立させることである。
(3)
CSVは、社会的価値と経済的価値との両立を目指すが、ソーシャル・ビジネスでは、社会的価値の追求により重点を置く。

PDF : 詳細(1289KB)

■マネジメント

ロシア 4都市"カイゼン"セミナー 実施レポート(その2) ―ロシアのマネジャーが持つ課題― 

株式会社ロゴ 代表取締役社長 津曲 公二 株式会社ロゴ 副社長 奥海 邦昭

【要点】
(1)
前号では、ロシア4都市のセミナーで、経営改革(カイゼン)の具体例として日産の復活を実現したゴーン社長がやったこと、やらなかったこと、を中心に報告した。
(2)
今号では、セミナー各地で受けた質問と、受講者が実際に取り組んでいるカイゼンテーマを中心に報告する。

PDF : 詳細(1407KB)

 

ロボットが祭壇に立つ日:ロボットにできないことはあるのか?

立命館大学大学院 客員教授 村沢 義久

【要点】
(1)
ソフトバンクによる「ペッパー」の第1回一般販売分1,000体は、1分で完売。ロボット社会が始まった。
(2)
ソフトバンクを中心に国際提携が広がり、ロボットの産業化が本格化する。
(3)
ロボットは、どこまで人間社会に進出するのか。「感情を持つ」ロボットは人間の内面に迫れるか。

■人材

東レ経営研究所MOT研修シリーズ(第26回) 全期合同同窓会「T-MOTマスターフォーラム(宮木塾)」例会 「イノベーションと経営リーダーの役割」

講演抄録 (株)経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO 元(株)産業再生機構専務取締役COO 冨山 和彦 氏 企画: (株)東レ経営研究所 シニアリサーチフェロー MOTチーフディレクター 東京農工大学大学院 技術経営研究科 ゲスト講師 宮木 宏尚 記録: フリーランス・ライター 山崎 阿弥

【要点】
(1)
経営力とは「意思決定する力」と「実行する組織力(現場力)」の掛け算である。不連続なイノベーションが起きる昨今では、日本企業が得意とするボトムアップ・すり合わせの意思決定の底力とトップダウンの意思決定力がうまくかみ合っていくことが必要である。
(2)
日本経済は生産労働人口の減少という特異な問題が経済成長の制約条件になってきている。この一つの解決策は欧米先進国に比べ低いといわれる非製造業の労働生産性を欧米並みに上げることであり、これができれば日本経済はまだまだ成長の余地がある。
(3)
経営リーダーの要件としては、「What」の議論以上に「How」が重要である。経営者の力量は百人百様だが、情理と合理のどちらにも偏らず、自分自身の哲学を持ち、背骨がしっかりしていること、危機的状況下でも絶対にブレず逃げないことが肝要である。

 

東レ経営研究所MOT研修 全期合同同窓会「T-MOTマスターフォーラム(宮木塾)」活動報告紹介 T-MOT通信 No.2

T-MOTマスターフォーラム(宮木塾)※第二期の活動として、第2回研究会を5月16日に、第1回の企業研究会を6月25日に開催しました。(研究会は東レ経営研究所との共催)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

産業経済調査部門

「CCS(二酸化炭素隔離貯留技術)」 「マクロ経済スライド」

■お薦め名著

『最新脳科学でわかった五感の驚異』 ―脳の潜在的知覚能力と多機能情報に注目―

ローレンス・D・ローゼンブラム 著 齋藤 慎子 訳

■ズーム・アイ

身だしなみは理想の自分への第1歩

人材開発部 内藤 陽子

朝の通勤時間、たまに同じ車両に乗り合わせる女性が気になっています。飾り気のないショートカットのその女性は、年齢は30代半ばくらいで社会人と思われるのですが、いでたちが今一つパリッとしない印象を受けます。気になるのは、彼女がどうやらピンクがお好きだということです。常に全身淡いピンク色を基調にしたコーディネートは、どうにもやり過ぎ感が否めません。特に目立つのは、いつも持っている革のトートバッグ(もちろんピンク)です。若い女性にとても人気があるブランドの、フリル付のかわいらしいトートバッグとその女性には、残念ながらかなりの違和感があります。が、そこには「ピンクを着る」という彼女の強い信念のようなものを感じて、そのオーラについ目が向いてしまいます。最近では、怖いもの見たさにも似た気持ちで電車に乗ると彼女の姿を探してしまうようになりました。