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2022年6月23日
【今月のピックアップちゃーと】No,22-05
世界中で人手不足?
~世界の生産年齢人口は頭打ちに。中国では大幅減の見通し~
チーフアナリスト
永井 知美


■国際連合事務局経済社会局人口部によると、世界の生産年齢人口は2020年から2050年にかけて緩やかに増加したあと、2050年から2090年にかけて頭打ちになり、その後減少する見通しである(中位推計)。生産年齢人口とは15~64歳の人口を指し、労働の担い手であると同時に活発な消費で経済を活性化させ、社会保障を支える。

■経済発展に伴う未婚化、晩産化と教育水準の向上で、合計特殊出生率は世界的に低下している。多くの先進国で生産年齢人口は頭打ちか減少傾向にあり、日本、欧州では既に減少している。

■2050年にかけて生産年齢人口の高い伸びが予想されているのは、サハラ砂漠以南のアフリカである。他の地域では、大幅増加の見通しはない。

■生産年齢人口が頭打ちとなる一方で、世界の総人口は2020年の77.9億人から2050年には97.4億人、2100年には108.8億人に達する見通しである。生産年齢人口が総人口に占める比率は2020年の65.2%から2050年には62.9%、2100年には59.9%に低下する。

■生産年齢人口の減少を放置すると、生産活動や社会保障の持続が困難になる。各国・地域、特に先進国は子育て支援、女性や高齢者の労働市場参入、人工知能(AI)の活用、移民受け入れなど、あの手この手で事態を切り抜けようとしている。

■世界の工場・中国でも生産年齢人口の大幅減少が予想されている。一人っ子政策をとっていた中国では既に同人口の減少が始まっており、2020年の10.1億人から2100年には5.8億人に縮小する見通しである。

■近年、中国では1台数千万円もするハイエンドの工作機械がよく売れている。生産している製品の高度化のほかに、人手不足、生活水準向上による生産現場の人気低下もある。かつては安価な機械を使って人海戦術で生産していたが、人手不足により多工程をこなせるマシンの需要が伸びている。人口構成の変化は、生産現場のあり方にも影響を及ぼしている。

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PDF : 今月のピックアップちゃーと No.22-05(205KB)