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2018年6月14日
繊維トレンド5・6月号 2018 No.130

石川県の繊維産業について

石川県 商工労働部 産業政策課 課長 中富 大輔

【要点(Point)
(1)石川県はものづくり企業の集積度合いが高く、特に繊維産業は合成繊維の生産高が全国において高いシェアを占めるなど、本県の基幹産業となっている。
(2)繊維産業振興の方向性として、衣料分野を軸に環境、医療・健康等の新分野を攻める「社会的課題解決型」産地を目指すこととしている。
(3)県内企業の販路開拓や新商品開発を後押しするため、アパレル業界へのアプローチや、隣県の福井県と連携し新素材開発等を支援している。
(4)次世代を担う新たな産業として炭素繊維分野の取り組みを加速させる一方、産地機能の維持のための技術継承についても支援し、強固な産業基盤の構築を図っていく。

東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所 共催 繊維産業シンポジウム講演抄録 東レグループの糸綿/テキスタイル/製品一貫型事業の拡大

東レ株式会社 取締役 繊維事業本部副本部長 テキスタイル事業部門長(御講演当時) 三木 憲一郎

東レの三木です。本日は「東レグループの糸綿/テキスタイル/製品一貫型事業の拡大」についてお話しします。  はじめに「東レグループ概要」を、そして「繊維の事業環境認識」「東レグループ繊維事業の概要」「"プロジェクトAP-G 2019"東レグループ繊維事業の基本方針と一貫型事業展開」「東レグループ繊維事業の今後の方向性」についてご説明します。

ファッションとテクノロジーを考える メンズスーツにおけるマスカスタマイゼーションの実現 FABRIC TOKYO

株式会社フランドル 経営本部 経営統括室 経営戦略部 次長 篠原 航平

【要点(Point)
(1)株式会社FABRIC TOKYOはITテクノロジーにより紳士スーツのマスカスタマイゼーションサービスを提供する企業である。
(2)FABRIC TOKYOとは、一度の採寸により、スマートフォンなどで、いつでも、どこでもビジネスウエアを試着なしで、オーダーメイドで仕立てることができるサービスである。
(3)FABRIC TOKYOはFit Your Lifeをコンセプトに、サイズ以外にも、客の価値観やライフスタイルにフィットしたビジネスウエアを提供する。
(4)FABRIC TOKYOは事業運営において、テクノロジー、トレーサビリティー(追跡可能性)、サステナビリティー(持続可能性)の3つを重視する。

サステナビリティへの対応をめぐる世界的なイノベーションの競合と ウールマーク社ウールラボ2019春夏のファッションコンセプト提案

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』 在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)
(1)高機能化するスポーツ衣料とカジュアル衣料の融合が進み、これまで歴史的に綿素材だったデニムに機能素材やウールが加わっている。ウールは天然のサステナブルな素材であることが注目されデニムへの採用が加速している。
(2)世界の天然・化繊・合繊素材の生産のうちポリエステルが年約5,200万トンと過半を占めており今後も繊維原料として圧倒的なシェアを維持する。一方、綿花の作付面積が減少してポリエステル混用の綿供給が頭打ちとなり、ポリエステル短繊維の需要は伸びないと予測されている。
(3)オーストリアLenzingのTencelやModalは原料が再生・リサイクル可能な木材でサステナビリティの点で優れた評価を得ているが、Refibraは綿の廃棄スクラップをパルプに戻して繊維に再生するものだ。同社はInditex(ZARA)と組んで廃棄綿製品を回収してRefibraに再生させるプロジェクトに取り組み、さらにデニム大手SantanderinaとRefibraを使ったデニム開発も行っている。サステナブルな素材による原料生産から廃棄品の再生までの完全な循環生産システムの確立は今後の繊維産業の行方を示唆するものだ。
(4)サステナビリティをターゲットとしたイノベーションの一端としてリサイクルされた合繊が重要な役割を担いつつある。アメリカのUnifiは廃棄されたペットボトルを回収・再生した短繊維と長繊維の供給を開始した。またカーペット製造大手Mohawk Industriesはポリプロピレン繊維をリサイクルして敷物や不織布として販売を進めている。
(5)英国のウールマーク社は2019 年春夏のファッションの傾向を6 項目のテーマに分けて提案している。それに加えて今年もスポーツ・アウトドアとウールデニムの分野を独立させてウールの技術開発を発表している。来シーズンに向け企画スタッフ達が発想を豊かにするヒントと共にウールの糸と生地の調達のための勘所を提供する。

カナダグース本社の成長戦略

株式会社牛田 代表取締役 牛田 賢

【要点(Point)
(1)カナダグースは、2013年12月以降、ベインキャピタル(PEファンド)主導で経営が行われている。
(2)創業家の3 代目である現CEOダニー・リースは、2013年以降に入社したビジネス経験豊富な経営幹部と共に成長戦略を実行している。
(3)カナダグースブランドは、当初は防寒コートブランドであったが、現在はアパレルブランドに進化している。
(4)販売チャネルに関して、EC(オンラインでの販売)を強化するため直営店を出店している。
(5)引き続き、成長余地は大きいと思われるが、組織の構造的な課題も抱えている。

スポーツメーカーの直営店展開

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)
(1)政府が2016年に発表した「日本再興戦略2016」において、スポーツが成長産業として位置づけられた。
(2)2017年は、国内スポーツメーカーの出店が多かった。「①2020年のオリンピックに向けての盛り上がり」「②『RUN』ブームに象徴されるランニング人気の継続」「③スポーツウエアを街で着るアスレジャーの広がり」が背景にあると考えられる。
(3)スポーツメーカーの直営店は、渋谷や原宿、心斎橋など都心の一等地に出店したり、旗艦店、または新業態店だったりと、ブランドの存在感をアピールし、イメージを向上させ、情報発信を強めることで、新たなファン獲得を目指している。

特恵関税制度の改正と繊維業界への影響

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主席部員 鍵山 博哉

1.特恵関税制度とは  特恵関税制度(GSP:Generalized System of Preferences)とは、発展途上国の経済発展推進のため先進国が自発的に与える優遇策のことであり、途上国からの輸入品について、通常の関税率よりも低い税率または無税措置を適用することで、途上国の輸出拡大、工業化促進を図り、経済発展を支援しようとする制度である。

■統計・資料

主要合繊糸・綿・織物の相手国別輸出入統計 1.ナイロンフィラメント(N-FY)の輸出 2.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸出 3.ポリエステルステープル(P-SF)の輸出 4.アクリルステープル(A-SF)の輸出 5.ポリエステル長繊維織物の輸出 6.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸入 7.ポリエステルステープル(P-SF)の輸入