close

2011年6月1日
経営センサー6月号 2011 No.133

■特別レポート

北陸繊維産業シンポジウム講演抄録 『日本の行く末、世界の行く末─手本無き時代の経営戦略─』

筑波大学大学院システム情報工学研究科 教授 住田 潮

2011年3月4日に開催した繊維産業シンポジウム「北陸産地の復活を目指して」(東レとの共催)における筑波大学大学院システム情報工学研究科教授住田 潮氏の講演をご紹介します。

 

北陸繊維産業シンポジウム講演抄録 『日本のグローバリゼーション─中国とアメリカの狭間で─』

スウィングバイ2020 株式会社 代表取締役社長 海野 惠一

2011年3月4日に開催した繊維産業シンポジウム「北陸産地の復活を目指して」(東レとの共催)におけるスウィングバイ2020 株式会社海野惠一氏の講演をご紹介します。

 

21世紀の産業革命 -2. 生活者主導の「下から経済」へ-

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)21世紀には「下から経済」が台頭する。その主役は生活者。牽引役は、個人、地方、中小企業である。
(2)太陽光発電は個人や中小企業、NPO などが参加できる分散型の「下から発電」である。
(3)電気自動車、特に改造電気自動車も地方の整備業者などの参加による「下から自動車産業」を実現する。

■経済・産業

【シリーズ 海外文献から「今」を読み解く(2)】 東日本大震災は日本が没落の道を歩む契機となるのか -これまでの自然災害と経済成長の経済分析から学ぶ-

福田 佳之 産業経済調査部 シニアエコノミスト

【要点(Point)】
(1)これまでの海外の実証研究によれば、自然災害の短期的な影響は、総じてマイナスだが、先進国に限れば、プラスである。
(2)次に、長期的な影響の研究では、自然災害が「創造的破壊」を招くことでプラスとなる見方とマイナスとなる見方に分かれる。「創造的破壊」でプラスになるのは、比較的一人当たり所得の高い国に見られる。
(3)こういった過去の分析を踏まえると、今回の日本は短期的にも長期的にもマイナスになることは考えられない。ただし、東日本大震災発生前後の日本にはこれまでの分析では考慮されていない特殊要因が存在していて、長期低迷をもたらす恐れがある。
(4)東日本大地震を、1755 年のリスボン大地震になぞらえる声がある。リスボン大地震は当時のポルトガルGDP の3 ~ 4 割を喪失させ、国力低下のきっかけを作ったと言われている。だが、リスボン大地震後のポルトガルでは、ボンパル侯爵を中心に産業化と国政改革が実施され、国家の建て直しが行われている事実を見逃してはならない。
(5)特殊要因を克服しつつ東日本大震災の復旧・復興を実現するには、まず政治家などのリーダーシップが不可欠である。いたずらに悲観主義に陥ることなく、復興策を着実に実施すると同時に、危機感をバネにして具体的な国政改革に着手することが必要であろう。

PDF : 詳細(PDF:1,489KB)

■業界展望

会計も「開国」すべきか -国際会計基準の最近の動向と日本の対応(下)-

永井 知美 産業経済調査部 シニアアナリスト

【要点(Point)】
(1)企業活動に多大な影響を及ぼす会計基準が、大きく変わる可能性がある。金融庁企業会計審議会は、2012年をめどに、上場企業の連結財務諸表に国際会計基準(IFRS)を強制適用するかどうかを判断する見通しである。
(2)IFRS の特徴は原則主義、資産負債アプローチである。米国の会計基準設定主体とのコンバージェンス作業等により、今後内容が大きく変わる可能性がある。
(3)2000年代以降、世界的に広がりを見せたIFRS だが、米国、インド、中国がIFRS から距離を置き始めるなど、ここへ来て普及がやや足踏み状態になっている。
(4)IFRS を取り巻く国際情勢が大きく変化したにもかかわらず、日本は明確な方針転換を行っていない。
(5)IFRS が抱える問題点、国際情勢の変化、東日本大震災以降の日本経済を取り巻く環境激変などを考慮すれば、強制適用は好ましくなく、任意・段階適用にとどめるべきと考える。

PDF : 詳細(PDF:1,540KB)

■視点・論点

東日本大震災をバネに日本は再興できるか

高橋 健治 常務理事 特別上席エコノミスト

震災で「疾風に勁草を知る」 「東日本大震災」は、わが国経済にかつてない大きな打撃を与えたが、海外メディアなどから予想を超える賞賛の声が上がっている。それは、被災者の態度、行動に対してである。先進国、発展途上国を問わず、過去に大きな災害に見舞われた国々の例を見ると、飢えた被災者が食料品店などを襲撃し、略奪する映像をたびたび目にする。支援の食料が届き、配給される時も、われ先に殺到するなど、秩序だった姿もあまり見られない。

PDF : 詳細(PDF:1,117KB)

■アジア・新興国

インド自動車部品産業の発展

独立行政法人日本貿易振興機構 アジア経済研究所 研究支援部長 内川 秀二

【要点(Point)】
(1)1980・90 年代に中小企業の自動車部品産業への参入が相次ぎ、これらが1 次・2 次下請企業となっていった。
(2)中小部品メーカーは、組立メーカーおよび大手部品メーカーと下請契約を締結し、取引を繰り返していく中で技術を習得していった。
(3)中小企業による自動車部品産業への新規参入は減少したが、既存の中小部品メーカーによる新工場の設立が増大している。

 

中国におけるM&Aにかかわる制度概要 -M&A実施時に考慮を要する可能性のある横断的制度解説-

GCA China Co., Ltd エグゼクティブディレクター 望月コンサルティング(上海)有限公司 パートナー 公認会計士 望月 一央

【要点(Point)】
(1)中国国内企業間M&A においては公司法、税法等の一般的規定のほかに独占禁止法に基づく事業者集中、国有資産管理法令に基づく資産評価等の制度を考慮に入れる必要がある可能性がある。
(2)外国資本によるM&A については、さらに外国投資家による買収に関連する規定及び国家安全資産にかかわる制度を考慮に入れる必要がある可能性がある。
(3)中国国内からの海外M&A については、商務部門及び外貨管理部門からの認可を基礎とするがこれ以外の制度的影響を受ける可能性もある。
(4)今後、中国におけるM&A は経済活動上も制度上もますます変化していく分野であると予想される。

■人材

人材育成の視点 期待できそう?今年の新入社員

小西 明子 人材開発部長

【要点(Point)】
(1)震災後の自粛ムードの中、行われた今年の新入社員研修では、新入社員の言動の端々に、「今の自分にできることをしよう」という、静かな決意が感じられた。
(2)学生時代の経験から身についたものの見方や解釈の枠組みなどを仕事の中で通用するものに書き換えるために、指導者はまず踏み込んで彼らに接し、彼らにとっての「当たり前」がどのようなものかを知ることから始めたい。
(3)彼らが自ら体験でき、自由に発想・発言できる場を設けることがモチベーションを高めると考えられる。辛い局面に励ましを得られる簡潔なメッセージを送り続けるのも効果的。

PDF : 詳細(PDF:1,370KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「コア物価指数」「サプライチェーン

■お薦め名著

『アメリカ後の世界』 -すべての国の台頭とアメリカの正当性の有無-

ファリード・ザカリア 著 楡井 浩一 訳

■ズーム・アイ

アメーバが震災復興のカギ?

黒澤 幸子 産業技術調査部

震災で「疾風に勁草を知る」 3月11日金曜日、東日本大震災が発生しました。震災によって亡くなった方の御冥福をお祈りするとともに、今なお続いている被災地の悲惨な状況や、福島の原子力発電所の事故が収束し、1 日も早く復旧する事を願っています。 さて、この震災によって日本経済は重大な危機を迎えています。予測の段階でもマイナス成長は確実とされ、製紙や機械部品生産の停止によって国外にも影響を与える事態に陥っています。

■今月のピックアップちゃーと

依然としてガラパゴス ~携帯電話シェアは国内外で違う顔ぶれ(2010年)~