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2014年12月8日
資源の呪い

豊富な天然資源が、かえって経済低迷を招来

 天然資源が豊かな国ほど、貧困の深刻化や経済発展の遅れに悩まされる現象を指します。 原油やダイヤモンドなどの天然資源が豊富に取れる国は経済成長率も高くなり、高所得を 実現しやすいと考えがちです。しかし、実際は逆のケースが多く見られます。古くは 1960 年代に領海で天然ガスが発見されたオランダがその後低成長に苦しめられ、最近では原油 や金属資源が豊富に採掘されるナイジェリアやコンゴなどアフリカ諸国が経済低迷から脱 していません。世界各国の経済成長率を縦軸に、天然資源輸出シェアを横軸にとって並べ ると、右上がりではなく、右下がりの関係となっています(図)。  このような資源の呪いが発生する理由として、いくつか挙げられます。鉱業部門に資金 や人材が集中投入されるために、製造業など他の部門の成長に支障をきたすこと、財政収 入の増加から放漫財政となりがちで、インフレ体質と低成長が定着しやすいこと、天然資 源が腐敗や不正の温床、ひいては紛争の火種となりがちなこと、加えて自国通貨が上昇す るために、製造業の競争力が低下しやすいこと、などです。  ただし、天然資源を保有する国全てが資源の呪いに苦しめられているわけではありませ ん。ノルウェーは天然ガス産出国ですが、政府の統治能力の高いこともあって、高所得を 実現しています。アフリカ諸国が資源の呪いから脱して高成長を遂げるには、政府の統治 能力の向上が不可欠でしょう。

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