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2012年9月24日
鉄鋼業界生き残りのカギは?
- 厳しさを増す経営環境、新興国需要取り込みで活路を拓けるか -
チーフアナリスト
永井 知美

・世界最高水準の技術力を背景に、構造不況業種から力強い復活を遂げた日本の大手鉄鋼メーカーの収益環境が再び厳しさを増している。 ・業績悪化の背景には、世界的な景気先行き不透明感による鉄鋼需要の伸び悩み、スプレッド(鋼材価格―主原料価格)悪化、中韓メーカー増産による競争激化、円高がある。 ・新興国需要の増大により、世界の鉄鋼需要は中長期的に年率5%程度の安定成長を続けると見られる。新興国台頭により日本をはじめとする先進国のプレゼンスは相対的に低下している。 ・新興国需要の増加により鋼材に求められる質も変化している。日本の大手鉄鋼メーカーは世界最高水準の技術力を誇り、自動車鋼板等高級鋼に強みを持っているが、汎用品を中心とする新興国需要への対応も迫られている。 ・日本の大手鉄鋼メーカーは、高級路線を堅持する一方で、新興国需要の取り込みも図っている。海外メーカーとのアライアンスを強化する新日本製鐵、ベトナムでの高炉建設の事業性検証を開始したJFEスチールの取り組みが注目される。

【キーワード】

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PDF : TBR産業経済の論点 No.12-05(677KB)