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2019年6月17日
経営センサー6月号 2019 No.213

■今月のピックアップちゃーと

2018年、最も高成長だったのはリビア ~内戦から回復の兆しを見せるリビアが首位、最下位は混乱続くベネズエラ~

産業経済調査チーム

■特別レポート

東レ経営研究所MOT研修シリーズ(第30回) 「T-MOTエグゼクティブフォーラム(宮木塾)」例会 企業と持続可能な開発目標(SDGs) 異文化コミュニケーター、元国連ハビタット親善大使 マリ・クリスティーヌ 氏 講演抄録

企画・編集:(株)東レ経営研究所 シニアリサーチフェロー MOTチーフディレクター ミヤキ(株) 代表取締役社長、元 東京農工大学大学院 技術経営研究科 非常勤講師 宮木 宏尚

Point
(1)国連は、2000年9月に発展途上国を先進国のレベルに引き上げるため、2015年までのMDGs(ミレニアム開発目標)を制定し、この結果、多くの命が守られ、生活環境も改善される一方、この間に国・地域・性別・年齢などさまざまな格差が浮き彫りになり、“取り残された人々”の存在が明らかなった。
(2)この結果を踏まえ、2015年9月、2030年までの国際目標SDGs(持続可能な開発目標)、17の目標と169のターゲットが制定された。これは、開発途上国だけでなく先進国も含めた開発目標になっている。
(3)貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダー、水、エネルギー、働きがいなどの目標は、各国それぞれに状況に応じた対応は必要である。対応は必ずしも新しく開発を必要としないものもあり、日本語訳は「開発目標」より「発展目標」が適当である。

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■産業経済

トランプ政権下における対米投資の傾向と対策 ―国家安全保障に基づく規制強化への対応―

モリソン・フォースター法律事務所パートナー(ニューヨーク・オフィス) 渡邉 泰秀

Point
(1)中国の経済的・技術的優位性に対して警戒感を高めている米国が、国家安全保障上の理由から中国企業による対米投資規制を強化しているが、日本企業による対米投資にもその影響が及び始めている。
(2)国家安全保障の観点から対米投資の審査を行うCFIUS(Committee on Foreign Investment in the United States)は近時その活動を活発化させており、特に昨年8月の関連法の改正以降はその傾向が顕著に認められる。
(3)CFIUSの審査内容は公表されておらず、早期段階から専門家による助言を得ながら対米投資(米国外の投資であっても米国に関連する場合を含む)を進めていくことがよりいっそう重要になってきている。

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水素は次世代のエネルギーたりうるのか? ―水素社会の実現可能性(後編)―

産業経済調査部 研究員 山口 智也

Point
(1)水素社会の実現には、製造、輸送、利用シーンに至る広範な技術開発や実用化を進める必要がある。
(2)FCV(燃料電池自動車)に注目が集まりがちだが、製造時の二酸化炭素の排出がないカーボンフリー水素、水素の海上輸送、水素火力発電など、取り組み分野はさまざまで、欧米・中韓においても取り組まれている。
(3)FCVが「ガラパゴス化している」との指摘は誤解であり、各国で次世代車の一つとして開発が進んでいる。
(4)街ぐるみで水素社会を実現する「水素タウン」の取り組みも進む。
(5)社会で広く水素社会の取り組みを進めるには、人の意識向上というソフト面の取り組みも欠かせない。

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■世界情勢

SDGs経営が未来を拓く ―持続可能な開発目標とビジネス―

京都大学 名誉教授 地球環境戦略研究機関(IGES)シニアフェロー 松下 和夫

Point
(1)2015年に国連で採択された気候変動対策としての「パリ協定」と、「持続可能な開発目標(SDGs)」は、今後の世界のビジョンを示し、経済活動を大きく変えていく「道しるべ」となっている。
(2)日本国内でもすでに、政府・自治体そして企業の活動において、SDGsを実現するためのさまざまな動きが始まっている。
(3)企業がSDGsに取り組むにあたっては、社会貢献にとどまらず、本業を通じたSDGsへの貢献(「SDGsの本業化」)が求められている。

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■視点・論点

民間外交の意義 ―時代の節目に明治の先人に学ぶ―

エコノミスト、大阪商工会議所 経済政策・法規委員会 副委員長 元・三和総合研究所 取締役理事 松下 滋

昔も今も、否いまだからこそ、国家間の問題は、政府同士の対応だけではとても収まらない。交通通信網が発達しただけでなく情報化が加速、国民の隅々にまでいろいろな知識が行きわたるようになった結果、世論が持つ力が著しく増大した。世論が、国家間の対立をあおったり、逆に融和を促したりする。今日、外交・経済に及ぼす世論の影響は大きい。世論への対応が不可欠だ。民間外交の出番である。草分けとなった3人の足跡をたどってみたい。

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■マネジメント

情報社会におけるブランディングとCSR(後編)

有限会社よろず表現屋 代表取締役 東京成徳大学 経済学部 非常勤講師 藤井 良彦

Point
(1)情報社会においては、CSRは「ためにする」慈善事業ではなく、企業のメイン事業自体が社会性を持ち人類に貢献していることを意味する。
(2)CSRとブランディングとは、「企業が社会から良き隣人として認められた社会的評価」という意味では車の両輪の関係にある。
(3)企業の社会性の強化は競争力を高め、高収益性を達成することにもつながるが、その実現はインナーコミュニケーションの活性化から始まる。

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■ヒューマン・ディベロップメント

高齢社員を生かす人事管理

学習院大学 名誉教授 今野 浩一郎

Point
(1)「社員の5人に1人は高齢社員」の時代にあることを踏まえると、企業にとって、高齢社員を活かす人事管理の構築は「覚悟」をもって取り組むべき経営課題である。
(2)高齢社員を活かす人事管理は高齢社員の社員特性を踏まえて構築される必要がある。
(3)高齢社員は定年などを契機に役割が変わるので、それを踏まえてキャリアビジョンと「働く意識・行動と能力」を見直す必要がある。

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最初が肝心 ―新入社員受け入れ時のコミュニケーションのヒント―

人材開発部長 小西 明子

Point
(1)例年、この時期に研修で接した新入社員の行動特性について本欄で報告している。
(2)昨年発生した「研修所の門限にまつわる解釈の齟齬」への反省に基づき、意識して改善を図った新入社員への「伝え方」について、その試行結果を報告する。
(3)指導役・新入社員間で「理解できた/できなかった」の意思表示の仕方についてルールを決めておくのも、コミュニケーション改善の一方策として考えられる。

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■ちょっと教えて!現代のキーワード

「MaaS(マース)」 「ブレインテック」

産業経済調査部門

■お薦め名著

『会社を立て直す仕事』

小森 哲郎 著

■ズーム・アイ

「常識」と「非常識」の狭間

繊維・市場調査部 髙月 順一郎

少し古い本ですが『常識の世界地図』(21世紀研究会編)を読みました。われわれ日本人にとって、「当たり前」と考え、特に違和感のない行動・思考が、地域が異なると全く違った意味を持つことが幾つも書かれています。例えば、ご存じの方が多いとは思いますが、ギリシャ、ブルガリア、インドなどでは「首を縦に振ったらノー、横に振ったらイエス」の意味となるそうです(われわれ日本人とは逆ですよね)。また、「子どもの頭をなでること」が東南アジアや南アジアでは、非常に失礼な行為となる地域があるそうで、見とがめられると大変です。