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2019年12月27日
災害級の台風からの教訓
チーフコンサルタント
塚越 学

 台風 15 号および 19 号で被災された方々にお見舞い申し上げます。関東を直撃した 19 号が甚大な災害をもたらす規模という情報により、私は家族を守るために真剣に対応しました。そのおかげで得ることができた個人的な教訓のいくつかをご紹介いたします。  第一に、ハザードマップによれば、多摩川が決壊すると 30 分程度で 1 階が浸水するわが家は、小さい 3 階建ての戸建てです。多摩川の水位を気にしながら、2 階と 3 階だけで生活することになるという危機感を持つと、いつも片付けを渋る 3人の子どもたちも慌てて片付けを始め、家を建ててから 8 年間放置し続け倉庫化していた部屋も、数時間で片付けられる自分がいました。 教訓 1「日々の先送りは甘え。人は危機感で行動する」  第二に、 東日本大震災のときでさえ停電を経験しなかったわが家ですが、今回は周囲に建設中のアパート、瓦屋根の古い家も多く、停電は来ると判断しました。家の各箇所に懐中電灯を配置し、停電時の初動を子どもたちと練習。「停電なんて来ないよ!」と YouTube なんか見て、斜に構えた小 5 の長男にもしつこく伝えます。  そして、そのときが来ました。ブン!という鈍い音とともに停電。「停電キター!」と変なテンションで、それぞれの場所で初動を行い、ロウソクまでつけて長期戦を覚悟したところで、電気が回復。長男も顔色を変えて言いました。「怖かった、練習しておいてよかったね」。 教訓 2「危機は来ると考えて練習しておくと、パニックにならず対応できる」  第三に、幸い多摩川は決壊せず、最悪の事態は免れましたが、決壊した他の地域の災害の様子を見ながら、自分事のように家族で心を痛めつつ、日常生活に戻していきます。こんなに使えるか?と思うほどためた水をせっかくだから使い始めますが、簡単な料理で少し皿を洗っただけで 10 リットルがあっという間になくなります。「え、これじゃ水が全然足りなかったのでは?」「だから皿にはラップなんだよ」「日頃から水使い過ぎだね」と夫婦の会話。 教訓 3「人は万全の対策をしたつもりでも、経験しないと分からないことがある。先人の知恵や経験を活かす謙虚な心が大切」  第四に、危機は去ってしまうと過小評価を始めます。あれだけビビっていた子どもたちも「台風余裕だったね!」と言ったり、午前中には日常にほぼ戻る交通網や商業施設を見ると、「メディアで大騒ぎしていた割には台風大したことなかった」という感想を抱いている人もいるようです。  しかし、それは普段見えない地下貯水槽やダム、河川のコントロールなど、先人たちの知恵や経験を活かし、各持ち場のリーダーや職員が命がけで各職務を全うした賜物です。 教訓 4「人は、『アタリマエ』には不平不満を漏らしやすいが、日常がいかに多くの人に支えられているかを意識し、感謝の気持ちを忘れないこと。そして、それぞれの役割を全うし合って社会が成り立つのなら、自分の役割を日々全うしていくことが社会の一員として大切である」  私はこうした教訓を心に刻み、これからの仕事や生活に活かしていきます。そして、被災地の 1日も早い復興を祈念しております。