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2020年1月17日
繊維トレンド2020年1・2月号 2020 No.140

■ファイバー/テキスタイル

-世界最高レベルの見本市から、2020/21年秋冬向けテキスタイル情報- サステナビリティ(持続可能性)とクリエイティブ(独創的)の融合で創出されたシーズン

有限会社インプレス 代表 川上 淑子

【要点(Point)】
(1)トレンドのキーポイントは、構築的表現、ナチュラルストレッチ、ダブル組織の進化、表面の起伏と毛足の変化である。
(2)サステナビリティとクリエイティブを融合させる提案は、繊維業界が転換点に立たされていることを示唆している。
(3)サステナビリティは、一緒に取り組むプロジェクトの構築と、年間経費を定め継続することが肝要である。
(4)欧米はエコ・ファッションへの関心は高いが、消費者は知識不足も認識。各々の立場で正確な情報発信が必要である。

第58回ドルンビルン国際繊維会議(GFC2019)報告

技術ジャーナリスト 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)第58回ドルンビルン国際繊維会議(GFC 2019)は2019年9月11日~13日に開催され、30カ国以上から約700名が参加した。
(2)発表件数は計99件で例年並み。日本からの発表件数は6件(前回と同数)であったが、ドイツ、オーストリアに次ぐ3位であり、同数の米国、トルコとともに、欧州以外の国としては存在感を示した。
(3)前回に続き、世界の有力繊維企業CEOによるパネルディスカッションなどのほか、今回は初めての企画として、起業家(ベンチャー企業)によるプレゼンおよびネットワーク構築の場が設営され、新たな方向性が示された。
(4)全体を通して目立ったテーマは、「サステナビリティ/循環型経済」「デジタル化」「不織布」「高性能繊維」「スマートテキスタイル」「機能性付与・布帛構造形成」であった。

■縫製/アパレル

セレクトショップ動向

ムーンバット株式会社 顧問 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)ファッション業界は、アパレルも小売も厳しい局面が続いているが、セレクトショップは堅調に売上高を伸ばしている。
(2)プライベートブランドの複数展開とぶれないコンセプトでバイイングしたセレクト商品のバランスで、時代の変化に対応している。
(3)各社の動向を見ると、自社ECの強化を図り、実店舗との情報の共有化や物流拠点の整備を進め、売上高に占めるEC比率は20~30%となっている。
(4)店舗戦略は各社異なるが、ユナイテッドアローズとビームスで検証すると、経営の屋台骨を背負う圧倒的な存在のショップ、「ユナイテッドアローズ」と「ビームス」を中心に、時代に先駆けた提案を行うショップと、幅広い世代に向けた郊外型ショップという、三本立てとなっている。

■新市場/新商品/新技術動向

ファッションとサステナビリティを考える あらゆるものを循環させる -日本環境設計株式会社 取締役会長 岩元 美智彦氏に聞く-

学校法人日本教育財団 国際ファッション専門職大学 国際ファッション学部 准教授 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)世界中で最も生産されている繊維はポリエステルである。日本環境設計はポリエステル衣料やペットボトルを回収・リサイクルし、ポリエステル樹脂を製造する技術を持つ企業である。
(2)同社の事業は、消費者が主語の循環型社会を、衣類のリサイクルを中心につくっていくこと。
(3)繊維リサイクルを事業にしたきっかけの1つは1995年に成立した容器包装リサイクル法であった。
(4)リサイクル事業の開始に当たり、最大の課題はコストの吸収と人手不足の解消であった。
(5)消費者のリサイクルに対する動機付けは、消費者にリサイクルが「正しい」ではなく「楽しい」という感情を持ってもらうことが重要。
(6)環境という観点では、日本の繊維産業が今後維持、発展していくためには、1社単位ではなく、政府も巻き込みつつ少なくとも業界単位で何らかの行動を起こすことが必要。

■キーポイント

世界の繊維品輸出ランキング -中国の輸出構造に変化-

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主幹 鍵山 博哉

WTO(世界貿易機関)によると、2018年の世界の繊維品貿易は8,067億ドル、初めて8,000億ドルを突破した。そのうち、衣類が4,941億ドル、紡織品が3,126億ドル、であった。 世界の繊維品貿易は2000年以降の18年間で2.3倍(年率4.7%)の伸び率となり、同期間の繊維需要の伸び(3~4%)を上回った。特に、2000年以降、労働集約的な衣類産業がアジアの発展途上国を中心に発展し、国際分業が進んだことで、同期間の衣類貿易は年率5.2%増と高い伸びになった。

■統計・資料

Ⅰ.日本の合繊各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2020年1月) 東レ/帝人/三菱ケミカル/旭化成/東洋紡/ユニチカ/セーレン/カネカ Ⅱ.日本の紡績各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2020年1月) ダイワボウホールディングス/シキボウ/クラボウ/富士紡ホールティングス /日清紡/トーア紡コーポレーション/ニッケ