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2008年6月1日
経営センサー6月号 2008 No.103

■特別レポート

東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催 繊維産業シンポジウム 「北陸産地の復権を目指して」 どうする日本。負けてたまるか!

伊藤忠商事株式会社 取締役会長 丹羽 宇一郎 氏

去る3 月7 日に、福井市のフェニックス・プラザ(大ホール)において、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地の復権を目指して』を開催しました。 伊藤忠商事株式会社丹羽宇一郎取締役会長にご講演いただいた内容は、繊維産業にとどまらず、政治、経済、社会全般にわたるものでしたので、本誌でご紹介することといたしました。

■経済・産業

「非正社員」の処遇改善と「生産性向上」 -ホワイトカラー層の意識改革、効率化も重要-

常務理事 特別上席エコノミスト 高橋 健治

【要点(Point)】
(1)パート、派遣・契約社員など「非正社員」の処遇改善や、「店長」への残業代支給など、「雇用の正常化」が進んでいる。日本経済から見ると、個人消費支出にプラスだが、企業にとっては人件費増となり、新たな生産性向上策が必要となる。
(2)わが国の企業は、製造現場の生産性は高いが、ホワイトカラー層など、間接部門の生産性は低く、企業全体の生産性はそれほど高くないと言われている。そのため、間接部門でも生産性向上の意識改革、一層の効率化が必要である。
(3)ITを有効活用するには組織の見直しなど、今ひとつ工夫が必要である。また、コスト削減運動、横串的機能、オフィス刷新でムダを削減している例がある。
(4)今後は少子高齢化の進展で、若年労働力はますます貴重となり、生産性向上が不可欠となろう。

PDF : 詳細(PDF:368KB)

試される日本企業の国際競争力 -資源・通貨高下での日本の輸出企業の動向と展望-

産業経済調査部 シニアエコノミスト 福田 佳之

【要点(Point)】
(1)近年の日本の輸出の好調は、途上国の購買力向上とアジア地域における分業体制構築によるところが大きい。
(2)現在の世界貿易には多国籍企業の活動が大きな影響を与えており、例えばFTA(自由貿易協定)の締結によって、モノの流れが変化する事例が見られる。
(3)日本においてもヒト、モノ、カネの流れを呼び込むためにEPA(経済連携協定)を結ぶ動きが活発化しているが、これまでのところ、EPA の貿易拡大効果は限定的である。
(4)2007年の貿易黒字(10.8兆円、917 億ドル)はドイツや中国を下回るが、これは日本企業の競争力とは無関係である。
(5)資源高や円高はこれまでのところ日本企業の収益に大きな影響を与えていないが、資源価格の乱高下やインフレによる途上国の購買力低下には注意を払う必要がある。

PDF : 詳細(PDF:446KB)

水問題! 日本の貢献は? -世界の水環境問題解決に貢献する東レの水処理膜技術と日本企業の水処理事業世界展開に向けて-

東レ株式会社 顧問 水処理・環境事業本部・技術センター 栗原 優 東レ株式会社 水処理・環境事業本部 水処理・環境事業企画管理室 主幹 竹内 弘

【要点(Point)】
(1)人口増加と経済発展から、世界の水需要と環境汚染が進んでいる。
(2)この世界の水環境問題解決に向け、日本(東レ)が得意とする水処理膜技術が、基幹技術となってきた。
(3)今後は、日本企業が、水処理事業分野で、いかに世界展開するかが課題となる。

PDF : 詳細(PDF:1,057KB)

■視点・論点

“イノベーション”と“カイゼン” 同じようで、同じではない“発想の転換”

ジェイ・ボンド東短証券株式会社 代表取締役 斎藤 聖美

■マネジメント

モノづくり現場のデジタル化による競争力強化戦略(前編) 大企業の取り組みからの考察

財団法人機械振興協会 経済研究所 研究員 近藤 信一

【要点(Point)】
(1)社会構造変化に対応する方法の1 つとして、モノづくり現場におけるデジタル技術の活用が注目され始めている。当経済研究所は、モノづくり現場においてデジタル技術を活用し、QCD の向上を成し遂げ、社会構造変化に対応したモノづくり現場を模索することを狙いとして調査研究を行った。
(2)デジタル化を積極的に進める「量産型/大企業」においては、モノづくり現場でハードウェアに組み込まれたデジタル化が行われているが、量産規模が導入コストの投資採算性の鍵を握る。
(3)「非量産型/大企業」においては、エンジニアリングチェーンのデジタル化による3Dデータを電子手順書などの方法でモノづくり現場でのデジタル化に活用している事例が見られる。

■人材

人材育成再考 -人の学びと育成に関わる人たちへ期待すること-

福田 貴一 人材開発部

【要点(Point)】
(1)教育学は学校教育の場面に限って有効なのではなく、成人教育という観点から企業内の人材育成にとっても有意義な点がある。
(2)人材育成に関わる立場においては、自分なりの“なんとなくの考えややり方”を超えて、人の学びと育成に対して専門的知見を持って取り組むべきである。
(3)「アクションラーニング」というものが近年注目されている。その鍵は、問いかけ(質問)によって経験をふり返り、そこから学びを得て次なる行動を導く点にある。「あっ、そうか! では、こうしよう!」という気づきと行動の繰り返しが、人材育成や組織開発の原動力となる。
(4)本稿で述べるような個人の力を高め引き出す支援的な取り組みは、問題が複雑で多岐にわたる今の環境下で求められているリーダーシップの発揮と本質的には同じと言える。

PDF : 詳細(PDF:580KB)

気付きから学びへ ―人材開発の現場から―(第19回) タコツボ化する職場

渕野 康一 取締役 人材開発部門長

 今、日本企業に『不機嫌な職場』が増えているという。社員同士が関わらない、協力しない、ギスギスした職場だ。同名の本がなんと10万部以上も売れているらしい。それだけ、自分の会社や職場でも思い当たる節があると感じているサラリーマンが少なくない証左かもしれない。   社会経済生産性本部のメンタルヘルス調査でも、心の病が増えている。その要因として、社内のコミュニケーションの希薄化が挙げられている。IT社会の進展に伴い、パソコンのキーを叩く音しか聞こえない、不気味なほど静かで笑いのない職場、「サイレントオフィス」が確かに増えているようだ。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「東京合意」 ・「道路特定財源」

■お薦め名著

『説得の戦略』 -すべては対話から始まり、それがアクティブな行動を生みだす-

DIAMONDO ハーバード・ビジネス・レビュー編集部◎編訳

■ズーム・アイ

知らぬ間にはまっている社会学の法則

産業技術調査部 増田 真

■今月のピックアップちゃーと

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