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2016年11月1日
「問題」の捉え方
コンサルタント
森本 有紀

労働安全衛生法に基づくストレスチェックを先日受けた。今年はその場で結果が出るようになったようだ。私はもともと「調査」を仕事としていたので、設問と結果・分析の関係を考えてしまう癖がある。結果を見ながら、あの設問にこう答えたら、この部分の結果は違っただろうなぁなどと、タイムリーが故につまらないことを考えてしまった。  勘違いされるがストレスは一方的な悪者ではない。ストレス・刺激ゼロの環境では人間は自己を保つことができないという。適度なストレスは必要なのだ。だから、ストレスが存在するのを前提に、過度に強いストレスがないか、ささいな刺激を自己処理の過程で、ストレスとして捉え自らを傷つけていないか、という二つの視点で結果を見るのが重要だ。  ここである英語研修での「問題」という言葉についての説明を思い出した。問題を和英辞書でひくと、problem、troubleなどが出てくるが、実際はもっとたくさんの単語が対応するという。問題をgoodとbadの軸で表現していくと、badには前述の2語とdifficultyなどがあたるらしい。中庸にconcern、issueなどがあるという。goodよりの単語としてはtask、subject、assignmentなどが該当し、もっとも前向きに問題を捉えたものにchallengeがあるそうだ。これを教わった瞬間、目からうろこが落ちた。ネイティブ講師が、困った状況でchallengingという表現をすることは耳にしていたが、問題の前向き表現という認識はなかった。task、subject、assignmentという解釈をすれば、問題も単にすべきこと、取り組む対象、仕事となる。  ストレスも同様である。出来事を勝手に脳内でproblem、trouble、difficultyに置き換え、過度なストレスとして自動処理する回路がないか、問題のbad側面のみを強調していないか考えてみよう。この回路は個人の経験に基づく習慣や癖のようなものであるため、厄介であるが、goodとbadの軸を認識すれば、challengeに気づくこともできるはずだ。恐怖や苦痛が伴うかもしれないが、勇気を振り絞ってchallengeを意識して立ち向かったら、成長の実感も味わえるだろう。  また、自分の力が直接及ばない他人や環境をその対象としていないかも考えるとよいだろう。自ら幅広に問題やストレスを集めていることもある。他人や環境は簡単には変わらない。残念ながら、自分すら容易には変えられないのだから、自分の外のものは、いったん思考の隅に置くのが肝要だ。  強すぎるストレスを恒常的に与えられるような環境には声を上げるべきだ。だが、刺激を強く受け取る癖は直すのが、自らを幸せにする方法である。大人にとって、自分のことを真剣に考え・守り・育て・幸せにする責任を負っているのは、自分自身である(家族でも、上司でもない)。そしてストレスも問題も、定義と関わり方を決めるのは自身である。自分を守るために問題の対処法やかわし方を学び、育てるためにchallengeを受け入れ、小さな達成を積み重ねて、自分のありたい姿を模索しよう。