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2013年6月1日
身近な好敵手を見つけよう

 先日開催された日本選手権水泳競技大会で、萩野公介選手が5種目で優勝するという、史上初の偉業を達成しました。彼は本来、個人メドレーの選手で、ロンドンオリンピック400m個人メドレーで銅メダルを獲得したすばらしい選手ですが、自由形や背泳ぎでも優勝したのです。  彼と同じ学年で、200m平泳ぎで世界新記録を樹立した、山口観弘(あきひろ)選手がいます。スポーツの世界では、同じ学年、年齢に優れた活躍をする選手が集まることがままあります。古くは、大相撲で第55代横綱北の湖ら昭和50年代に活躍した昭和28年(1953年)生まれの力士が「花のニッパチ組」と呼ばれていました。また、サッカーでも、1994年に開催されたU-16アジアユース選手権カタール大会の優勝メンバーでもある1979年生まれの選手たちが、「79年組」とも呼ばれていました。野球でも、「松坂世代」「ハンカチ世代(ハンカチ王子と呼ばれた斎藤佑樹選手と同い年の選手たち)」など、同じ年齢で甲子園で活躍した選手がプロ野球の球団に入団したり、大学・社会人を経てから入団したりして活躍している例が見られます。この現象について、以前は、マスコミが話題づくりのために分かりやすくライバル対決を演出しているのではないかと思っていましたが、最近はそれだけではない気がしています。  スポーツの世界では、将来を嘱望される選手が子供のころからさまざまな場で切磋琢磨し合い、競い合って伸びてくると考えられます。傑出した選手が出てくると、その選手に負けまい、その選手と同レベルで競い合いたいと具体的な目標を定めることができ、指導者も選手も頑張ることにつながるのだと思うのです。実際、萩野選手と同い年の選手がインタビューで、同い年のライバルがいると自分が努力するモチベーションにつながるといったことを話していました。そういう心理になる人が多いから、同い年に優れた選手が集まり、○○世代と呼ばれる集団が生まれてくるのだと考えるようになりました。  誰もが何かの分野で、自分の名前を冠した「○○世代」と呼ばれるような傑出した能力を発揮するのは難しいと思いますし、そこまででなくとも「○○世代の一員」として認められるようなすばらしい活躍ができるわけではありません。でも、若い世代の人たちが、スポーツに限らずいろいろな分野で身近な好敵手を見つけて切磋琢磨していけば、誰もが成長でき、自分なりに満足のいく成果を挙げられると思います。1人でも多くの人が未来に希望を持って、成長のためのモチベーションを得られる機会に恵まれることを願っています。