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2005年9月1日
繊維トレンド9・10月号 2005 No.54

■海外動向

中国の“繊維力” -内側から見た繊維事情- 第3回“繊維力”の行方

東レ株式会社 専任理事 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)中国の強大な“繊維力”の根源は地方にあるが、この先、環境コスト、労務費が沿岸地域に近付くとしても、その競争力は維持される。
(2)この先の懸念材料として、都市/地方間の格差拡大が言われているが、むしろ地方内・都市内で身近に生じる格差が深刻である。
(3)この身近の格差は社会の倫理観未成熟によって生じるケースが多く、社会の不公平、不満を増大する。この克服こそが、今後の発展継続に不可欠な要素といえる。

シリーズ「実践 中国ビジネスの果実と毒…中国ビジネス成功の秘訣」 -第8回 人事労務管理課題の解決に向けて- 

中国ビジネス研究所 所長 中国弁護士  馬 英華

日中比較に見る中国税制の概要 

税理士法人中央青山 マネージング・ディレクター  簗瀬 正人

(1)中国税制の特徴:中国税制は“納税者不利”、日本税制は“納税者有利” (2)中国の申告納税処理:主要税目は月次確定申告制であり処理は煩雑 (3)税制改正(予想):企業所得税の内外税制の統一、消費型増値税への移行等

21世紀型産業モデルを探る -中国進出繊維企業の現状と課題- 

坂口 昌章  客員研究員  有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)日本の高度経済成長は、製造業と不動産を基本にした金融システムにより達成された。このシステムが確立したのは、戦後の日本には流動的な資金が不足していたことに起因する。しかし、そのモデルは為替の変動などにより崩壊していった。片や日本経済の現状をみると、実体経済サイドの借り手が少なくなる中で潤沢な流動資金が存在しており、商品による実体経済よりもマネー(情報)による金融経済の方がはるかに規模が大きくなっている。それに対応しているITベンチャー企業に象徴されるビジネスモデルが急テンポの成長を続けている。
(2)日本で達成できなかった「戦後20世紀型産業モデル」を突き詰めた理想像を中国で達成しようという企業が多い。中国進出により、広い敷地、豊富で低コストの労働者、最新鋭設備を完備した工場などが現実のものとなった。しかし、中国も大幅な為替変動などにより、理想郷が破綻する危険性も否定できない。
(3)日本がかつてそうであったように、消費者に近い分野であるアパレル産業では、国内企業の方が有利である。中国市場においても同様であり、外資企業が市場参入するためには長期的な戦略が必要である。
(4)海外移転しても為替変動で状況は一変する。特に製造業は莫大な投資を伴う装置産業でもあり、単なる低コストを追求した移転のメリットは少ない。
(5)21世紀の製造業とは、商品企画、品質管理、生産管理等のソフト面が特に重要になる。中国に進出した製造業者も21世紀型に転換する必要がある。

世界の化繊生産動向

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主幹 杉原 克

 100年に一度の世界同時不況の中、単価の安さなどからアクセサリー(服飾雑貨)の重要性が見直されている。ここではニューヨークで開催されるレディースアクセサリーの見本市展示会Accessories TheShow について、現地でファッション情報誌のエディターを務めるカワムラ氏にご紹介いただく。

【要点(Point)】
(1)2004年の世界の繊維需要は約6,800万トンで着実な増加を続けている。
(2)同年の世界の化繊生産は中国の急拡大続行で前年比6.8%増の4,110万トンと高い伸びを示した。
(3)2005年に入ると、中国の生産がスローダウンしている。中国の化繊産業は転換点にあり、今後の動向が注目される。

マルコポーロ賞受賞記念論文 第2回 中国製品の輸入増加によるイタリアラグジュアリー製品産地への影響は、軽微

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)中国繊維製品のイタリアへの輸入は本年に入って確かに増加しているが、その中身は低・中級品であり、イタリアの得意とするラグジュアリーブランド品を作り出している産地はほとんど影響を受けていない。
(2)中国繊維製品は低価格製品から中級品へシフトしつつあり、イタリアの中級品を生産している産地に影響を与えている。
(3)ラグジュアリーブランドを作り出している産地はすでに中級品から高級品へのシフトを完了している。中級品については、コモ産地にみられるように周辺の発展途上国への生産拠点シフトを進めている。

■国内動向

ハナコジュニア世代  -ミーハーハナコ世代の子供はいたってクール、現実主義のチャレンジャー プリクラ世代の下世代をハナコジュニア世代と命名する-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)ミーハーハナコ世代の子供、ハナコジュニア世代もすでに高校生に突入。平成生まれのティーンズは、その上のプリクラ世代とは異なる特徴をもっており、新しい世代として位置づけられる。
(2)ハナコジュニア世代の全体特徴や消費傾向を知ることは、今後の消費者を把握するベースにつながる。
(3)ハナコジュニア世代は、新しいもの好きのハナコ世代を巻き込んで、個人消費≒親子消費を生み出していくことは間違いない。パワフルなハナコ世代の特徴を捉えながら、そのアプローチ方法を考えたい。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

オーガニック -製品の差別化か、消費者意識の変化か- 

坂口 昌章  客員研究員  有限会社シナジープランニング 代表取締役

■インフォメーション

アジアスケールで繊維ファッションビジネスを考える業界人の集まり 『AF人の会2005』の発足

『中国繊維ファッションビジネス研究会』の立ち上げと第1回「中国セミナー」のご案内  ~繊維ファッションビジネスに特化した情報・コンサルタントサービスを提供~

 

■統計・資料

主要合繊別・国別・メーカー別設備能力(現状および増設計画)  I.合繊原料編

1.カプロラクタム 2.テレフタル酸 3.DMT 4.エチレングリコール 5.アクリロニトリル

II.主要合繊編

1.ナイロンフィラメント 2.ポリエステルフィラメント 3.ポリエステルステープル 4.アクリルステープル 5.スーパー繊維 6.レーヨンステープル 7.スパンデックス