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2016年10月3日
経営センサー10月号 2016 No.186

■今月のピックアップちゃーと

投票率は中高年「高」、若年層「低」 ~国政選挙デビューの18、19歳はやや低調~

■経済・産業

私に快適な環境を与えてくれる、IoTの本当の力 ―センシングデータ流通市場がもたらす、ストレスのない社会―

株式会社日本政策投資銀行 関西支店 企画調査課 副調査役 大田 麻衣

【要点】
(1)
IoT(モノのインターネット)の普及によりモノに付随したセンサーもインターネットにつながり、社会にセンサーネットワークができつつある。
(2)
センシングデータは特定の目的のために利用されている場合が多いが、そのデータにはセンサーの所有者でも利用者でもない第三者が、全く異なる目的に価値を見いだす可能性がある。
(3)
スマートフォンがアプリケーション開発のプラットホームを基盤として、多様なビジネスを生んだように、センシングデータもビジネスの基となるデータにアクセスできる「センシングデータ流通市場」があれば、データを活用した面白いアプリケーションが生まれるのではないか。
(4)
センサーの技術力を持つ日本こそ先行してセンシングデータビジネスの市場を創るべきであり、その市場は社会課題の解決に役立つだろう。

■アジア・新興国

ロシア、景気回復への長い道のり ―ビジネス環境の改善と経済の多様化―

公益財団法人 国際金融情報センター 欧州部 主任研究員 一ノ渡 忠之

【要点】
(1)
2016年もロシアは景気後退に直面しているが、第1~2四半期の実質GDP成長率(前年同期比)のマイナス幅は縮小を続けており、景気底入れとの見方がある。
(2)
短期的な原油価格の上昇や欧米諸国による制裁解除が期待できない中、ロシア政府はビジネス環境の改善、経済関係の多様化などの取り組みを進めている。
(3)
8月に発生したウクライナ武装グループのクリミア侵入を機に、ロシアとウクライナの関係は再び悪化している。ミンスク合意2の履行も進んでおらず、制裁の解除の兆しはみえていない。

■業界展望

観光立国実現へ向けての日本の課題 ―爆買いは終了?「2020年に4,000万人、2030年に6,000万人」は可能なのか―

産業経済調査部門 産業調査グループ グループリーダー チーフアナリスト 永井 知美

【要点】
(1)
2015年の訪日外国人旅行者は、ビザ発給要件緩和や円安を背景に、前年比47%増の1,974万人と過去最高を更新した。足元の2016年1~8月も前年同期比25%増の1,606万人と、2016年通年で2,000万人台半ばに到達しそうな勢いである。
(2)
2015年の世界の外国人旅行者受入数ランキングでも、日本は世界で16位(2014年は22位)に浮上した。
(3)
世界観光市場の堅調な伸び、経済効果と伸び代の大きさに着目した政府は、訪日観光を成長戦略の柱に据え、「2020年に訪日外国人旅行者4,000万人、2030年に6,000万人」の目標を打ち出している。
(4)
日本がもう一段上の観光大国を目指すには「宿泊施設不足」、「アクセスの確保」等の供給制約を解消すると同時に、数を追うだけでなく、「訪日体験の質」向上も図る必要があるだろう。

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■産業技術

新しい時代の調達プロセスのシステム化

経営工学・マネジメントシステム コンサルタント 山下 重二

【要点】
(1)
調達戦略、調達活動は、近年、企業にとって、ますます重要な機能となってきた。
(2)
戦略的な調達を行っていくためには解決すべき課題も多い。
(3)
調達活動においては、従属型調達から、提案・開発参加型調達へ脱皮することがまず重要である。
(4)
下請法、内部統制、CSR調達など対応すべき、法・規格対応もある。
(5)
諸課題や諸法律に対応するためISO9001を活用した「調達プロセスのシステム化」を進めていくべきである。

PDF : 詳細(1171KB)

■視点・論点

明暗を分ける“謝罪力” 不祥事会見における重要なポイント ―誰に対し、何を、どう謝るのか、謝罪の本質とは―

株式会社大森朝日事務所 代表取締役/広報・危機管理コンサルタント 大森 朝日

今年は正月休み明け早々から週刊文春が特ダネを連発し、企業による不祥事よりも、タレントのスキャンダルや政治家のカネをめぐる疑惑に注目が集まった。芸能界と政治は、企業社会とは異なる世界の出来事で、メディアの環境はかなり異なるが、参考になるポイントもある。この数年、注目を集めた不祥事の記者会見を振り返りながら、形式的なこと、内容に関することなどについて、重要なポイントを考えてみたい。

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■マネジメント

ライフサイエンス・イノベーションへの道、日本は勝てるのか!! ―外資系理化学・バイオ企業を35年生き抜いて日本企業へエールを送る― 第5回 新たなサバイバルの始まり

バイオディスカバリー株式会社 代表取締役 一般社団法人日本分析機器工業会(JAIMA) ライフサイエンスイノベーション担当アドバイザー 岩瀬 壽

【要点】
(1)
日本チームの勝利とグローバル感の体験
(2)
IPO直後の営業への脅迫的圧力
(3)
米国ベンチャー企業の脅威とマーケティング力

■人材

人材育成の視点 大学におけるグローバル人材育成の取り組み

人材開発部長 小西 明子

【要点】
(1)
グローバル人材育成は日本企業にとっての大きな課題であるが、企業への基幹人材供給源である大学においても、この分野で強みを持つことが課題となりつつある。
(2)
大学を窓口とした短期・長期の留学制度の充実が進んでおり、海外インターンシップなど、ビジネス経験を伴う育成メニューを取り揃えるなどの取り組みも出てきている。
(3)
「若者の海外留学離れ」が言われて久しいが、学位取得を目指す本格的留学者数は減少する一方で、大学の多様なメニューを利用して短期の留学を経験する学生は増加傾向にあり、こうした個性的な取り組みを注視したい。

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード

「ウェアラブル端末」 「日銀「展望レポート」」

■お薦め名著

『ヒューマンエラーは裁けるか』 ―公正な企業風土であるか―

シドニー・デッカー 著 芳賀 繁 監訳

■ズーム・アイ

人工知能を考える

産業経済調査部門 福田 佳之

人工知能の進歩がすさまじい状況です。今年3月にはグーグルの人工知能であるAlfaGoが世界最強レベルの囲碁棋士と対戦して4勝1敗と打ち破っています。囲碁は将棋やチェスに比べて読まなければならない局面の数が多いと言われており、その数全部で10の360乗と言われています。ちなみにチェスの場合は10の120乗、将棋の場合は10の220乗と多いのですが、囲碁にはかないません。2013年に人工知能が将棋のプロ棋士に勝ったときでも、囲碁で人工知能がプロ棋士に勝つにはあと10年はかかると言われていました。それからたった3年で人工知能は囲碁界の頭脳の最高水準に追いつきました。一体、人工知能はどこまで進歩するのでしょうか。