2020年10月19日
経営センサー10月号 2020 No.226
■今月のピックアップちゃーと
世界の医薬品業界は欧米勢強し
~ランキング上位には欧米医薬品メーカーがずらり~
産業経済調査チーム
■特別対談企画
挑戦しつづけるために
―無酸素登山家小西浩文氏に聞く―
無酸素登山家
小西 浩文 氏
東レ経営研究所 企画管理部長(取材当時)
日比野 淳一
「なぜ山に登るのか」、永遠に正解のない問いかけです。小西浩文氏は、世界の高山に無酸素で挑戦し、ほとんどけがもなく帰還しました。鍛錬された身体もさることながら、その意志、心の力は常人の域をはるかに超えるものです。今回はその挑戦をなしえた「力」についてお聞きました。 |
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■産業経済
ウィズコロナ・ポストコロナの消費動向
(株)ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員
久我 尚子
Point |
(1) | 新型コロナウイルスの感染拡大で個人消費は大幅に落ち込んだ。6月は改善したが、今後は収入減少も懸念され、厳しい状況にある。 |
(2) | 外出を控え、家で過ごす時間が増え、旅行やレジャーなどの外出型の消費が減り、食料やゲームなどの巣ごもり消費が増えている。 |
(3) | 感染不安が強い層ほどリアル店舗の利用が減り、ネット通販やキャッシュレス決済サービスなどのデジタル手段の利用が増えている。 |
(4) | ポストコロナの消費行動はデジタル化の加速に加えて、テレワークの普及で消費者の自由時間が増えたことに注目すべきだ。 |
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コロナ危機で浮かぶユーロ
―復興基金で示したグリーン・リカバリーへの意思―
(株)ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
伊藤 さゆり
Point |
(1) | 世界金融危機後のユーロ圏は、ユーロ危機への発展を許したことで、危機前の水準回復までに長い時間を要した。 |
(2) | コロナ危機への各国の財政措置は、信用力の格差があるため、危機の影響の大きさと一致しない。 |
(3) | EUは雇用、所得、政策対応力の格差を埋めるため、危機対応のパッケージと復興基金の創設に動いた。 |
(4) | EUが目指す「グリーン・リカバリー」実現に向けた課題は多いが、危機意識がEUをどう変えるのか注目したい。 |
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■技術・業界展望
もっと本質を語ろう! 海洋プラごみ問題
日本化学会フェロー
田島 慶三
Point |
(1) | 海洋プラごみ問題の本質は、廃棄物処理ルートを外れた廃棄物の処理対策である。プラスチック循環利用やバイオプラスチック増加の促進ではない。 |
(2) | 中国を筆頭とする世界の海洋プラごみ発生主要国の責任がまず問われるべきである。汚染者負担原則PPPの明確化が第一である。 |
(3) | 日本で発生する海洋プラごみは日本の廃プラ総排出量の1%以下、世界の海洋プラごみ発生量の0.5%以下であるが、河川法改正、廃棄物処理法の運用改善が必要である。 |
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スマートシティが導く次世代型社会システム
―COVID-19を乗り越えて私たちが目指すべき未来社会とは?―
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 社会イノベーション・エバンジェリスト
中島 健祐
Point |
(1) | スマートシティは2010年ころにエネルギーマネジメント領域から進展。日本は2016年以降一時ブームが終息したが、2018年からビッグデータ、IoTとの関連で再び注目されている。 |
(2) | 今後スマートシティを構築する上での課題は、①ビジョンの策定、②社会インフラとデータ連携の体系(含む収益化)、③市民の能動的な参画、である。 |
(3) | スマートシティで創造する未来は人間中心の「共生(ともうみ)の社会システム」。 |
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■視点・論点
災害時 いのちが助かるまちづくりへ
―被災地から見える日本の実家問題―
株式会社EnPal 代表取締役
金藤 純子
Point |
(1) | 毎年、多発する水災害。平成最悪の豪雨災害と呼ばれ、甚大な被害をもたらした西日本豪雨のあの日を振り返る。 |
(2) | コロナ下56歳の起業は、「無知」への自省の念がきっかけであった。地震とは異なる水害への備えを知っておきたい。 |
(3) | 高度成長期の人口一斉移動と高齢化問題。浸水想定区域の世帯数が増加中。地縁、血縁プラス「ゆるやかな縁」がいのちを守る。 |
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■ヒューマン・ディベロップメント
コロナショックの暫定状態における思考態度
―感染拡大初期局面での対応から考える―
人材開発部 シニアコンサルタント
福田 貴一
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(1) | 新型コロナウイルスの影響を受け始めてから、事柄の内容を問わず、人々はそれぞれの場面で従来の発想を変え代替手段を通してこの苦難を乗り越えようとしている。その過程で生まれた発見や創造は身近でイノベーションを実現した証しであり、「進化した個人」がそこにいる。 |
(2) | 企業活動においても、もちろん、従来方法を変えて対応する場面が増えている。 |
(3) | 個人にとっても企業においても、その代替手段は当初は未熟である。 |
(4) | 企業で求められるのは、未熟な代替手段を発展させる過程で学習し知識を蓄積する力、試行錯誤を許容し未知なことへのチャレンジを促す組織内環境である。 |
(5) | それを支える基本発想は、組織メンバーそれぞれの解釈を組織全体の知恵につなげていく構成主義的なものといえる。 |
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■ちょっと教えて!現代のキーワード
「ワイヤレス給電」
「オンライン診療」
産業経済調査部門
■お薦め名著
『スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本』
高津 和彦 著
■ズーム・アイ
時間割再考
繊維・市場調査部
安楽 貴代美
わが社では、数年前から在宅勤務制度が導入されましたが、新型コロナの影響もあり、この半年でより日常に浸透してきました。