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2009年5月1日
「幸福の値段」は、いくら?

もし、あなたが明日死ぬかも知れない病気であるとします。その時、神様が現れ、「お金を払えば、あと1年、健康な生活が送れます」と言われたら、どうしますか?おそらく「いくら払っても」とお願いするでしょうね。病気になると健康な時の「幸せ」が分かります。では、「健康な人」と「健康でない人」の差は、金額にするといくらになるでしょうか?ある調査によれば、「健康」と「不健康」の差は約4,000万円だそうです。これは、総務省「家計調査報告」の五分位年間所得の格差による「幸福度」、「不幸度」から推計した結果です。また、結婚も、死別や離婚することなく維持すると年間約3,300万円に相当するそうです。「幸福」な人から見ると、「本当?信じられない!」という感じでしょうが、そうでない人から見れば「幸福」な人との差、「幸福の値段」は意外と大きいようです。 「幸福」に影響を与える要因としては、(1)健康、(2)家族、(3)収入・仕事、(4)友人、(5)自由さ、(6)生き甲斐、などが思い浮かびます。(2)家族と、(3)収入・仕事の「幸福度」を比べると、「収入・仕事」より「家族」の方が4倍大きいそうです(経済産業省の調査)。「仕事人間」には信じられないかも知れません。また、(3)の収入は絶対額だけでなく、他人との比較も重要です。アメリカは、大きな所得格差が当たり前の社会で、収入の「不平等」は「幸福度」にほとんど影響がありません。しかし、日本や欧州は、収入の「不平等」は「幸福度」に大きなマイナスの影響を与えています。実際、同調査によると、日本では、現状より収入格差の大きい方が良いと考える人は約4%に対し、格差の小さい方が良いと考える人は66%と圧倒的です。日本人は隣の人の収入が大いに気になるのです。 (3)のうち、仕事に関しては、「失業」も「幸福度」に大きなマイナスの影響を与えます。筆者は12年前、会社の自主廃業で失業しましたが、当時、将来の生活不安だけでなく、自尊心の喪失、サラリーマン社会からの離脱感など、「不幸」な気分を味わいました。「不幸」を体験して、はじめて「幸福の価値」、「幸福の値段」が分かった気がします。 ところで、今、あなたは「幸福」を感じていますか? わが国は、「国民の幸福度が先進国にしては低い」という特徴があります。2006年、イギリスのレスター大学の調査によると、178カ国中、日本はなんと90位という結果で、中国(82位)よりも下回りました。デンマーク、スイス、オーストリアなどが上位国です。わが国は先進国で衣食住など日常生活面の不満は少ないものの、目標の喪失感やマンネリ感、老後不安などがあるためかも知れません。 (6)の生き甲斐に関しては、趣味や目標を多く持ち、前向きに生きることが「幸福の値段」の高い人生につながるようです。哲学者のラッセルも、「幸福論」の中で、「人間、関心を寄せるものが多いほど、ますます幸福になるチャンスが多くなる」と述べています。