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2007年9月1日
経営センサー9月号 2007 No.95

■経済・産業

世界経済の宴は終わったのか

JP モルガン証券株式会社経済・債券調査部長、チーフエコノミスト、マネジングディレクター 菅野 雅明

【要点(Point)】
(1)米国サブプライムローン問題は、金融市場が国際化、証券化するなかで、ショックに対する金融システムの脆弱性を露呈した。
(2)米国住宅バブル、信用バブル、円安バブルが崩壊しつつあるが、今後は中国バブルの動向に要注目。
(3)当面の危機は世界の主要中銀による潤沢な資金供給と利下げで乗り切れようが、その後世界景気は再び過熱するリスクもある。

「細く長い景気拡大」が続くと見るこれだけの理由 -最大のリスクは海外経済の失速-

増田 貴司 産業経済調査部長 チーフ・エコノミスト

【要点(Point)】
(1)日本経済は、2003年度以降2006年度まで4年度連続で2%強の成長を続けており、足元も緩やかな景気拡大が継続中である。
(2)このように「細く長い景気拡大」が可能になった理由として、(1)景気拡大期の途中で何度も踊り場をこなしているため、大きな調整のマグマがたまらないこと、(2)世界経済が過去四半世紀経験したことのなかった高成長を続けていること、の2点が指摘できる。
(3)日本の景気拡大の牽引役としての輸出の存在感が近年高まっている。現在の景気回復は、世界経済の好調を背景とした輸出頼みであることを忘れてはならない。
(4)IT関連の在庫調整の一巡を受けて、生産は2007年後半以降緩やかな増加が見込まれる。ただし、IT関連財はその市場特性からして一瞬にして需給が悪化することがありうる点に留意が必要である。
(5)日本経済は、2007年度、2008年度とも2%強の成長が続くと予想される。ただし、今年の夏以降、景気下振れリスクが高まっている。
(6)日本経済の最大のリスク要因は、海外経済の失速である。米国のサブプライムローン問題が今後各国の実体経済に与える影響には、十分注視する必要がある。
(7)国内のリスク要因としては、(1)個人消費失速リスク、(2)構造改革頓挫リスク、に対する警戒が必要である。

PDF : 詳細(PDF:590KB)

世界の造船業の現状と展望 - 21世紀の日韓中造船業の構造変化と発展拡大-

日本郵船株式会社 調査グループアドバイザー 長塚 誠治

【要点(Point)】
(1)21世紀に入り世界の海上物流は、中国を主体としたアジアからの輸出入貿易量が急増し、世界における各種の船腹需要の増大と海運市場の好況をもたらしている。
(2)日韓中の造船業は、新造船の建造需要増大に対し設備の新増設や生産性強化で竣工量の急増に対応しているが、3カ国とも人員の確保が問題である。
(3)過去、世界の造船量の約5 割のシェアを建造していた日本は、21世紀に入り、韓国に首位の座を奪われ、更に2015年までに中国が世界一を目標にする時代に変わりつつある。
(4)日本造船業は、優れた技術、設備を有しているが、韓中の価格競争力には抗し難く、将来は技術開発に注力し、付加価値船などに特化する必要があるだろう。

■視点・論点

狙われるハイテク技術情報

海外活動支援ネット理事 危機管理アドバイザー 柴田 信之

■マネジメント

中国における営業秘密保護法制(人は石垣、人は城)

あかし法律事務所 弁護士 曉 琢也

【要点(Point)】
(1)中国政府は知財立国を国家戦略とし、ハイテク技術の自主開発を強力に後押ししている。
(2)中国においても、反不正当競争法及びその関連法規、並びに最高人民法院の司法解釈によって、営業秘密は知的財産の一種として法的に保護される。
(3)営業秘密は、他の知的財産権と異なり、秘密であることによって初めて価値を維持し得るものであり、労務管理を含む事前の保護措置が特に重要となる。

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第6回) 自由な発想をいかにして生み出すか? -論理的思考がすべてではない-

松林博文氏インタビュー インタビュアー: MOTチーフディレクター 宮木 宏尚 取材・写真:フリーランス・ライター 山崎 阿弥

【要点(Point)】
(1)新しい価値創造を目指すMOT人材には、収束思考であるロジカル・シンキングと合わせて、拡散思考であるクリエイティブ・シンキングの能力が必要。
(2)近年、日本企業ではロジカル・シンキング偏重の傾向があり、今後は特にクリエイティブな発想力の強化が重要である。
(3)本研修では、自由な発想、クリエイティブな発想力を高めるための、ヒントとツールを身に付ける。
(4)開発リーダーには、クリエイティビティの大切さを理解し、これを評価し、クリエイティビティを発揮しやすい環境作りや組織運営できる能力が求められる。
(5)「思考力」に加えて、物事を“五感”を使って感じる「感性力」も磨くようにする。

PDF : 詳細(PDF:429KB)

気付きから学びへ -東レ経営研究所 人材開発の現場から-(第11回) 無表情・不機嫌な学生たち

沖田 浩 特別研究員

PDF : 詳細(PDF:127KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「労働分配率」 ・「カーブアウト」

■お薦め名著

『1688年バロックの世界史像』 -生き生きとした世界史を発見する楽しみ-

ジョン・ウイルズ著 別宮 貞徳 監訳

■ズーム・アイ

シリコンバレーは日本車だらけ

産業経済調査部 永井 知美

■今月のピックアップちゃーと

四十過ぎたら犬を飼いたくなる?

■TBRの広場

『中国繊維ファッションビジネス研究会』第10回公開セミナー 東レ経営研究所特別講演会のご案内