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2007年11月1日
経営センサー11月号 2007 No.97

■経済・産業

拡大する中国の貿易黒字と貿易構造転換 -進められる加工貿易の抑制-

株式会社三井物産戦略研究所 中国経済センター 主任研究員 井上 和子

【要点(Point)】
(1)中国の貿易の伸びは著しい。しかし、輸出の急速な拡大が海外では貿易摩擦を引き起こし、国内では産業構造の高度化を遅らせるなど、様々な問題が顕在化している。
(2)中国政府は貿易「大」国から貿易「強」国への転換を目標に掲げ、付加価値の低い加工貿易の抑制策を次々と出している。
(3)加工貿易が生み出す経済効果を失わせることなく、いかに貿易構造をより高度なものにするか、中国は難しい課題に直面している。

中国における省エネ・環境ビジネスの展望 - 欧米企業に勝つためにはどうすべきか-

みずほ総合研究所株式会社 アジア調査部 主任研究員 酒向 浩二

【要点(Point)】
(1)温家宝首相来日以降、中国における省エネ・環境ビジネスが注目されている。
(2)しかし、欧米企業は既に当該分野のビジネス展開を大胆に進めており、加えてアジア企業も市場参入している。
(3)PFI導入が進むなどの中国の市場ニーズをとらえて、日系企業連合でビジネス展開を図るスキームを構築する必要性が高まっている。

エネルギー・環境問題雑感

京都大学大学院 工学研究科化学工学専攻 化学工学基礎講座 反応工学分野 教授 工学博士 三浦 孝一

【要点(Point)】
(1)エネルギー・環境は多様な観点から考える必要がある。将来のエネルギー供給の見通しも多面的に見なければならない。
(2)化石燃料が今後数十年~百年の間に枯渇するのは必至であり、それに代わるエネルギー源を見つけていかねばならない。
(3)2の対応として、識者が言うように当面は原子力が唯一の選択肢であろうか。熱力学第2法則はもっと別の行き方を教えているように思う。

■視点・論点

MRJ 国産ジェット旅客機計画と東京ファイナンス市場への期待

ストラクチャードファイナンスコンサルタント 永田 国幸

【要点(Point)】
(1)本年6月、三菱重工業は2012年にまでにMRJの事業化を目指すと発表した。実現すればYS-11以来約40年ぶりの国産ジェット旅客機となる。
(2)邦銀の航空機ファイナンスの取り組みは、1980年代央に外資と合弁会社を設立する等本格参入するも、バブルの処理で後退する。
(3)元来、航空機ファイナンスは航空機製造業を有する欧米で発展。欧米の銀行はそのノウハウ、人材をニューヨーク、ロンドン市場に蓄積してきた。
(4)日本に航空機製造業が誕生した暁には、欧米の銀行が東京市場に魅力を感じ、上記両市場と結ぶ航空機ファイナンス市場が東京にも誕生することを期待したい。

■マネジメント

中国の《労働契約法》における経済補償金の会計と税務

望月コンサルティング(上海)有限公司 パートナー 川嶋 広行

【要点(Point)】
(1)中国においては2008年1月1日から、新しく《労働契約法》が施行されることとなった。
(2)労働契約不更新による従業員の退職についても、原則として、経済補償金の支給義務が発生する。
(3)経済補償金は、勤務期間1年あたり1カ月分の給与相当分で、最大12カ月分まで。

PDF : 詳細(PDF:285KB)

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第8回) プロジェクトマネジメントとリーダーシップ -ありふれた業務をプロジェクトに-

東レ経営研究所客員研究員、COMEL 株式会社代表取締役社長 上窪政久氏インタビュー インタビュアー: MOT チーフディレクター 宮木宏尚 取材・写真:フリーランス・ライター 山崎阿弥

【要点(Point)】
(1)プロジェクトは、ゼロから新しいものを生み出すクリエーティブでチャレンジングな活動。ありふれた業務でも見方を変えることにより、一生忘れられないような“面白いプロジェクト”として扱うことができる。
(2)従来の建設プロジェクトやシステム開発プロジェクトのように、あらかじめ決まっているゴールに向かって時間や費用をコントロールするプロジェクトマネジメントと違い、最近は技術や事業の開発プロジェクトのように不確実性の高いプロジェクトをいかにマネジメントするかが課題になっている。東レ経営研究所の研修では、このようなプロジェクトマネジメントを学習する。
(3)プロジェクトを成功させるには、プロジェクトメンバー全員がプロジェクトの目標を共有し、真のコラボレーションができる環境作りが重要。その意味で、リーダーの役割が大きい。
(4)リーダーには、ぶれない強い決意と状況の変化に対応できる柔軟さ、及びそれらのバランス感覚、そしてリーダー自身の行動が伴うことが必要。

PDF : 詳細(PDF:417KB)

気付きから学びへ -東レ経営研究所 人材開発の現場から-(第13回) 気づく人、気づかない人

渕野 康一 取締役 人材開発部門長

  いま、日本人の教育が何かと取り沙汰されている。日本の教育再生は大事だが、こんな日本人に誰がした?みたいな犯人探しをまだやっている感がある。気づきと学びの本質を軽視した学校教育や家庭教育の改革をやっても対症療法になりかねない。親も教師も文科省の役人はじめ、まず私たち日本人の大人たちが総懺悔して、「気づきと学び」の大切さに気づくことが先決である。

PDF : 詳細(PDF:107KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「排出権取引」 ・「フルHD」

■お薦め名著

『脳が「生きがい」を感じるとき』 -求めよ、然らば与えられん-(聖)

Gregory Berns 著 野中 香方子 訳

■ズーム・アイ

ケネディ暗殺は複数犯?

常務理事 高橋 健治

 1963年11月22日(金)、ケネディ米大統領(当時)の暗殺は、小生が高校2年生の時、初の日米テレビ宇宙中継として飛び込んできた衝撃的なニュースでした。勤労感謝の日の早朝、父親が「ケネディ大統領が暗殺されたとテレビが報道しているよ」と、まだ寝ていた小生を起こしに来たことを今でも鮮明に覚えています。

■今月のピックアップちゃーと

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■TBRの広場

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