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2010年3月1日
経営センサー3月号 2010 No.120

■経済・産業

中国は世界の期待に応えてくれるのか ―世界金融不況からいち早く立ち直り、世界経済のリード役に―

信金中央金庫総合研究所 上席主任研究員 黒岩 達也

【要点(Point)】
(1)2010年の中国経済は、好調な内需に加えて、輸出の回復が追い風となり、2桁成長へ復帰する可能性が高い。
(2)中国政府は、農村7億人の消費市場を活性化することによって、中長期的にも比較的高い成長を維持しようと考えている。
(3)日本は中国の高成長の恩恵を最も享受できる立場にあり、今後も過去の経験や技術力を生かせれば、中国の経済活力を日本へ取り込むことが可能である。

 

サービス産業におけるイノベーションの考察 -イノベーションのタイプ別にみたビジネスの方向性-

産業能率大学経営学部 准教授 田中 彰夫

【要点(Point)】
(1)日本経済においてサービス産業の果たす役割は大きいが、いままでサービス産業のイノベーションの事例はそれほど多くない。
(2)本稿ではタイプ別に8つに分けた技術に関するイノベーションの分類を紹介し、それぞれの基本戦略をあわせて考察した。
(3)サービス産業のイノベーションをこの8分類に当てはめて考察することは、新規事業などの企業活動における望ましい戦略のあり方を考える上で役立つと思われる。末尾では、サービス産業のイノベーションの1つの事例として、個人向け金融における新しいビジネスを提案する。

 

モバイル端末の将来性

株式会社大和総研 新規産業調査部 次長 藤巻 潤一

【要点(Point)】
(1)モバイル通信のブロードバンド化の進展で、端末の普及台数の増加、新コンセプトの端末の誕生、端末とネットを組み合わせたサービスの広がり、などが期待される。
(2)スマートフォン/ネットブック、MID/スマートブック、デジカメ/カムコーダ、カーナビ、電子書籍端末、デジタル・サイネージなどの端末に着目している。
(3)日本の大手メーカーやベンチャー企業から斬新なコンセプトを持つモバイル端末が誕生することに期待したい。

■視点・論点

時、時間を重視した経済運営を願いたい

竹内 和正 特別研究員

私は民主党の政策批判をするためにこの稿を進めているのではない。小泉自民党政権以降の経済政策や財政政策論議が、あまりにもその本質を理解しないままであることに危惧を覚えているので、以下昨今の象徴的な事例を挙げて述べたい。

PDF : 詳細(PDF:808KB)

■マネジメント

元気なモノづくり中堅企業に学ぶ トップインタビュー(第9回) 希少性の高いハーブ類を栽培し「植物工場」経営を成功させる

株式会社みらくるグリーン 代表取締役社長 五唐 秀昭氏

【要点(Point)】
(1)五唐秀昭社長は2006年にそれまで勤めていた金融機関を退職、植物工場を主体とする「みらくるグリーン」社を創設した。
(2)一般に植物工場は、建屋などの設備投資に資金がかかるため、採算をとるのが難しいといわれるが、みらくるグリーンでは希少性の高いハーブ類を中心に「ベビーリーフ」を生産、レストランを中心に販売している。
(3)現在の岸和田工場に加え、地元企業であるコスモ電器社の協力を得て、隣接する和泉市で新たな植物工場を設置、3月から稼働する予定である。
(4)今後は野菜のみならず、薬草などの栽培も手掛けていきたいと夢を膨らませている。

■人材

企業内人材育成のための予算はどうあるべきか ―管理会計学の視点から―

竹内 伸一 特別研究員 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特別研究講師 株式会社ケースメソッド教育研究所 代表取締役

【要点(Point)】
(1)本稿で紹介するA社の事例では、人材育成予算の編成・調整・決定のプロセスがユニークである。そのポイントは人材育成部門長と人事本部長の建設的な対話にある。
(2)人材育成という職務の高度化のためには、支出する教育訓練費に関する「真の費用責任」が大きく問われる。
(3)管理会計学は(2)の課題に対して、これまで十分に貢献してきたとは言い難いが、「責任センター」という区分概念が参考になる。
(4)人材育成予算を経営の視点で妥当化するための着眼点に、「短期の人材育成」と「長期の人材育成」のふたつがある。

PDF : 詳細(PDF:871KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 「WTI 原油」「スマートメーター」

■お薦め名著

『リズムの本質』 -高いリズム価は生命の充実と感動を呼ぶ-

ルートヴィヒ・クラーゲス著 杉浦實訳

■ズーム・アイ

シゴトの仕分けで、生産性アップ!

ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部 渥美 由喜

 不況で仕事が減るなか、多くの企業で残業削減が叫ばれ、見かけ上の労働時間は減少しています。しかし実は「サービス残業」が急増しています。労働者と企業が回答する労働時間の差を「サービス残業」と定義して、時系列推移を追ってみましょう。バブル崩壊後の1990 年代後半に増加し、2000 年には年400 時間とピークを迎えました。

■今月のピックアップちゃーと

先進諸国で深刻化する若年層の失業 ~ジョブレス・リカバリーのしわ寄せが若者に~

■TBRの広場

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