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2015年12月1日
マクロ経済スライド

世代間格差の是正が目的、デフレ時の調整のあり方が検討課題

現役人口の減少や平均余命の伸びに応じて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み です。賃金や物価による年金額の伸びから、「公的年金の被保険者(現役人口)の減少率」 と「平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」の合計である「スライド調整率」を差し引 いて年金額の改定が行われます(図表)。 日本の公的年金制度は、基本的には現役世代が負担した保険料が、その時の年金受給者 の給付原資となる、世代間扶養の賦課方式の制度です。年金額は原則として毎年度、賃金 や物価の変動に応じて改定する仕組みが導入されています。しかしながら、少子高齢化が 加速する中で、年金を支える現役世代の負担が増えていることから、高齢者にも負担を求 め、世代間格差を是正する目的で、2004 年にマクロ経済スライドが導入されました。ただ し、物価や賃金が下落するデフレ下では発動しないルールのため、デフレ経済が長引く中 でこれまで実施されてきませんでしたが、2014 年は賃金や物価が上昇したため、2015 年 4 月に初めて適用されました。 ただし、デフレ下では適用されないルールの存在により、今後の賃金や物価の変動率に よってはマクロ経済スライドの調整が十分に機能せず、年金の世代間格差が拡大する可能 性があります。少子高齢化が進む中、今後はデフレ時のスライド調整の見直しが求められ ています。

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