close

2006年5月1日
繊維トレンド5・6月号 2006 No.58

■特別レポート

次の繊維ビジョンの策定も念頭に置きながら、今後の日本の繊維産業の進むべき方向について考えていく  -平成18年の活動方針-

東レ株式会社 会長 前田勝之助

 日本繊維産業は、日本紡績協会、日本化学繊維協会など26団体で構成され、繊維産業全体に関する重要課題について、対策を講じる団体である。 去る1月17日(火)に開催された同連盟の役員総会において、(1)繊維産業自身の構造改革、(2)通商政策と輸出拡大の問題、(3)ジャパンファッションの国際競争力強化、(4)繊維事業が日本国内で生き残るための国内事業基盤の強化の問題などの平成18年活動方針が決定された。 3月に中国と「第2回繊維産業発展・協力会議」、5月に「第6回アジア化繊産業会議」と国際会議を控えた中、次の繊維ビジョンの策定も念頭におきながら、今後の日本の繊維産業の進むべき方向について、繊産連全体として皆様とともに考えていく年にしたいと挨拶した。 同連盟の協力を得て、役員総会における会長挨拶をここに掲載し、皆様の参考に供したい。

PDF : 詳細(PDF:875KB)

北陸産地の復権を目指して

東レ株式会社・(株)東レ経営研究所共催 繊維産業シンポジウム

 去る3月7日に、福井市のフェニックス・プラザホールにおいて、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸山地の復権を目指して』を開催しました。  昨年の1月1日から繊維協定が失効、世界的に完全自由競争の時代に入り、繊維生産流通全体がアジア全域・世界へと構造転換する中で、日本の繊維産業、産地、各企業のグローバル市場における国際競争力がますます問われています。  こうした中で、繊維産業の復権に向けた試みが各産地、各業界、各企業において真剣に進められています。  そこで、本号と次号の2回にわたり3人の講師にそれぞれの視点から、競争力強化に向けた提言として講演いただいた内容の抄録を掲載します。

PDF : 詳細(PDF:1,320KB)

アジアワイドの繊維ビジネスにおける北陸産地の位置付け

有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口 昌章

ファーストリテイリング社の将来構想

株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長 柳井 正

■海外動向

中国の“繊維力” -内側から見た繊維事情- 第4回 繊維雑感(その1) 繊維と観光

東レ株式会社 専任理事 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)繊維の消費量に象徴されるように生活水準は向上し、都市部では海外旅行が「三種の神器」の一角になった。一方、大型連休を利用した手短かな国内旅行も急拡大している。
(2)スパンデックスは中国が世界の半分近いシェアを占め、水着の普及も急速に進んでいる。
(3)しかし、未だ「旅行衣」という衣料分野は未開拓で今後の伸びが期待される。

PDF : 詳細(PDF:1,290KB)

親会社業務支援費の日本の税務リスク

税理士法人中央青山 マネージング・ディレクター  簗瀬 正人

【要点(Point)】
(1)現状の産業空洞化における日本企業からの税収確保
(2)海外子会社への日本親会社の無償業務支援の実態
(3)海外子会社への業務支援コスト回収における課税問題
(4)有償性有する業務支援の分析とコスト回収スキームの策定

2005年の欧米の繊維品輸入動向

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主任 鍵山 博哉

【要点(Point)】
(1)2005年のポストATCによる枠撤廃で、予想されたとおり、中国から欧米への繊維品輸出が急増した。
(2)2005年の欧米の繊維品輸入動向をみると、他の供給国を代替する形で中国からの輸入が急増した。また、これまで補完貿易を築いてきた近隣諸国からの輸入は減少している半面、インドをはじめチャイナプラスワンといわれている国からの輸出は拡大している。
(3)欧米とも、中国からの輸入急拡大を受け、2005年内に欧米とも繊維協議で合意した。この結果、2007~08年までは、中国から欧米への繊維品輸出は、一部制限され、予見可能なものとなった。
(4)2005年の輸入動向からみると、2007~08年以降は再び中国の欧米向け輸出拡大が予想され、供給国は絞られていく可能性がある。

SUNTCHI BRANDING同行記及びispoチャイナ2006ウインターの模様

横川 美都 研究員

 今回は、内容を前半と後半に分け、前半では、去る2月15日に開催された『中国繊維ファッションビジネス研究会』第3回セミナー講師を務めるため、上海から来日した迅馳品牌傳播(SUNTCHI BRANDING)の方涛董事総経理と顧客担当の張詩さんの、1週間の東京滞在の活動報告と迅馳品牌傳播(SUNTCHI BRANDING)について述べ、後半では、3月13日から16日まで、上海浦東の上海新国際博覧会会場にて開催されたispoチャイナ2006 ウインター(第2届亜洲国際品牌体育用品及運動時尚博覧会The 2nd International Trade Show for Brands in Sports, Fashion and Lifestyle in Asia)の様子についてレポートする。

今、日本のアパレル市場に起こっている現象をマズローの学説で説明する -中流層向けマスマーケットが二分極化しはじめている-

小林 元 特別研究員

ひとつのブランドが生まれ、世の中に知られるようになっていくまでには、多かれ少なかれ劇的なストーリー が秘められている。さらに確実なことは、誰かそのブランドに情熱を傾けた人間がいるということだ。そうい った人物の熱意を支えにして、ブランドは成長する。今回ご紹介する「ポール・スチュアート」にも、情熱を ささげた人々がいた。これは、彼らの物語である。

【要点(Point)】
(1)イタリアのアパレル産業は1985年から10年間に大きく輸出を伸ばし、高級アパレル分野で世界No.1の地位を確立し、日本市場でも優位な地位を占めている。
(2)アメリカ品は、1985年から2000年にかけて輸出を伸ばしたが、日本市場への輸出は、過去10 年間で大きく落ち込んでいる。“意味社会”に入った日本の消費者がその大量生産大量販売型モデルに飽き足らなくなっているためとみられる。
(3)今後日本のアパレル卸が目指すべきビジネスモデルは、ヨーロッパなかんずくイタリア型の中量産付加価値型であると考える。

PDF : 詳細(PDF:1,130KB)

■国内動向

これからの小売業の行方 郊外百貨店とPDS

株式会社小島ファッションマーケティング 代表取締役 小島健輔

 

【要点(Point)】
(1)「まちづくり三法」の見直しに伴い、量販店を核とする郊外大型SCの新規開発ラッシュが規制を受け沈静化する。
(2)代わって郊外は既存SCの増床やリモデリングに開発の力点が移る。その目玉として百貨店導入の動きが強まっているものの、ビジネスとして成り立つかどうか危ない面が多い。
(3)日米の市場背景の比較を踏まえ、日本における郊外型百貨店の成立要件と今後の見通しについて分析する。

中国内需向けテキスタイル輸出の問題点と対策

小山 英之 特別研究員

【要点(Point)】
(1)中国内需市場は、好調な経済発展を背景に高級衣料品の需要が増加、沿岸地域を中心に欧米ブランド品の売り上げが伸びている。
(2)他方、日本のテキスタイル業界は、インターテキスタイル上海等の展示会に参加し、輸出拡大のチャンスを窺っているが、一部の企業を除いて今のところ輸出成約は期待外れに終わっている。
(3)試行錯誤を繰り返している中国向け輸出対策であるが、最近、ようやく手掛かりが出てきている。その手法のポイントをレポートする。

二極化の実態 第2回 -「有望な投資ベクトル」…所得格差があろうとも、10代のバブル刷りこみが消費を導く-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)所得の二極化は確かにあるが、生活者が投資したい分野はほぼ同じ。以下の3つに大きく分かれる。それは「自己維持・充足欲求」「自己環境UP 欲求」「資産獲得・夢入手欲求」を充たしてくれるものである。
(2)「自己維持・充足欲求」とは、自分自身に投資して身体的にも精神的にも満足を得たいということ、「自分環境UP 欲求」とは、自分を取り巻く環境を充実させたいということ。
(3)上記2つの欲求を満たすために必要不可欠な経済的な土台を整えたいという「資産獲得・夢入手欲求」は非常に強い。習い事をしたり資格取得に励むなど、この欲求を充たすための努力は惜しまない。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

Made in Japan

有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口 昌章

PDF : 詳細(PDF:832KB)

■統計・資料

合繊主要4品種の需給動向

日本 / 韓国 / 台湾 / アメリカ / 中国 / インドネシア / タイ