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2019年12月17日
資源としてのCO2の利用は温室効果ガス削減の切り札となるか
―カーボンリサイクル技術の現状と課題―
部長(産業経済調査部)
 チーフエコノミスト
福田 佳之

Point
(1)政府の中でカーボンリサイクルの実現に向けて動きが出ている。カーボンリサイクルは二酸化炭素(CO2)排出を削減するだけでなく、資源として利用することで資源問題解消にもつながる。カーボンリサイクルは、用途によって、化学品、燃料、鉱物等への転換に分けられる。
(2)カーボンリサイクルが実現すれば(技術的障壁や経済性等は度外視する)、世界においてCO2排出が全体の67%、日本において同54%が資源として利用されることになる。
(3)ただし、カーボンリサイクルの技術的障壁は高い。CO2は化学的に非常に安定していてかなりのエネルギーを投入しないと他の製品に変換できない。また水素など他の原料も安価かつCO2フリーでの入手が必要だ。ロードマップを見てもその実現は早くて2030年以降である。
(4)一方、コンクリート製品のように経済性等を克服すれば普及していくものもある。中長期的なCO2排出削減をCCSだけに頼ることはできず、今からカーボンリサイクルに関する要素技術開発を進めておく必要がある。

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