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2009年4月1日
経営センサー4月号 2009 No.111

■経済・産業

戦後最悪の不況を企業はどう乗り切るか -Q&Aで読み解く景気と「不況期の成長戦略」-

増田 貴司 産業経済調査部長 チーフ・エコノミスト

■今回の世界金融危機の実体経済への影響は、日本が先進国の中で最も深刻となっており、わが国は戦後最悪の景気後退局面に突入しています。 ■本稿では、世界経済危機の直撃を受けて「底なし」の様相を強める日本の景気の現状と展望、戦後最悪の不況期に企業が取るべき戦略について、10項目のQ&A形式でまとめてみました。取り上げた10の質問は次の通りです。

【要点(Point)】
(1)日本の景気は急激に悪化していますが、悪化の度合いは金融危機の震源地である米欧諸国と比べてどうなのですか?
(2)今回の世界不況で、日本経済の落ち込みが先進国で最大となったのはなぜですか?
(3)日本経済は外需依存型の成長をやめて、内需主導型に転換すべきなのでしょうか?
(4)日本の景気は底なしの様相を強めていますが、景気の底打ちは遠い先のことなのでしょうか?
(5)企業の事業計画を立てる上で、景気見通しのどこに注目すべきでしょうか?
(6)戦後最悪の不況に直面して、日本企業はどのように対処すればよいのでしょうか?
(7)不況下でも、日本企業によるM&A は活発に行われるのでしょうか?
(8)企業の設備投資や研究開発投資は減少が続くのでしょうか?
(9)不況下には研修などの教育訓練費が削られるため、企業の人材育成は手薄になっても仕方がないのでしょうか?
(10)不況期には資金調達や起業がしにくくなるほか、皆が萎縮するため、イノベーションは起こりにくくなるのですか?

PDF : 詳細(PDF:1,052KB)

環境・エネルギー技術でリードする日本車 -環境対応車の普及の条件と今後の課題-

早稲田大学大学院 創造理工学研究科 教授 大聖 泰弘

ガソリン車とディーゼル車は、排気浄化と燃費改善に対する厳しい要求に応えながら、当面発展し続けるであろうが、それと同時に、わが国の技術的優位を維持・発展させるべく、環境性能に優れたハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等のエコカーや電気やバイオ等の新エネルギーの利用技術の開発・実用化が大いに期待される。

■視点・論点

グローバル人材育成の周辺

国際文化交流推進協会 理事長 元株式会社東芝 専務取締役 和久本 芳彦

【グローバル人材育成の課題】 人、物、金、情報の国家間移動が迅速かつ自由になって、従来、国家の集合体であった地球が人間の活動の場として一体化しつつある。製品一つをとっても純粋国産品というのはほとんどないと言ってよいだろう。企業経営は疑う余地もなくグローバルな視野を要求している。

■マネジメント

元気なモノづくり中堅企業に学ぶ トップインタビュー(第6回) オリンピックのメダル仕事人 -世界が驚嘆した完璧な砲丸を生み出した、日本が誇る職人の神業-

有限会社辻谷工業 社長 辻谷 政久 氏

【要点(Point)】
(1)辻谷政久社長は、硬度と密度が一定していない鋳鉄を削って、中央にきちんと重心が置かれている完璧な砲丸を作り上げた。
(2)その砲丸は、音と色、ハンドルに伝わる感触を頼りに製造されるもので、まさに神業である。
(3)辻谷工業の砲丸は世界的に認められ、アトランタオリンピックで金銀銅メダル獲得選手たちに使用された。それはシドニー、アテネと3大会続いた。
(4)辻谷社長のポリシーは「人の真似をしないこと」。この不況の時代だからこそ、技術を持つことが最も大切であると語る。

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第15回) 『超極細繊維』の研究技術開発と事業開発における戦略的な意思決定とリーダーシップ -「特別講演」技術・事業開発とリーダーシップ-

LCA大学院大学教授(元東レ(株)常務理事 岡本研究室長) 岡本 三宜氏 講演録 企画: MOT チーフディレクター 宮木 宏尚 記録・写真: フリーランス・ライター 山崎 阿弥

【要点(Point)】
(1)合成繊維の新しい技術の多くは、レーヨン事業撤退、第1次合成繊維大不況の中で研究テーマを失った研究者達から生まれた。
(2)創造的な研究開発成果も、後で考えると「創造性は特別な才能ではなくスキルだ」というデュポンのタナーの言う創造開発の基本、常套手段で生まれたものだった。
(3)「狙った魚のすぐ横に大きな獲物がいる」。スエード調新素材も、表皮人工皮革の苦戦の隣にあった。ちょっとしたパラダイム変化(ミニ・パラダイムシフトと呼ぶ)でヒット商品になったものは数多い。
(4)創造的な新しい事業開発には、研究者の執念や気力とともに、経営者の慧眼、名伯楽の存在が重要である。
(5)イノベーションのモデルは、リニア-モデルやラウンドテーブルモデルなど色々あるが、その時々でより良い手法を使えるようにする事が重要。この際、肝心なのは組織のあり方である。

PDF : 詳細(PDF:1,145KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 「カーボンオフセット」 「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」

■お薦め名著

『インドの衝撃』 -頭脳立国・頭脳流出・頭脳環流-

NHKスペシャル取材班 編著

■ズーム・アイ

無駄を活かそう

人材開発部 内藤 陽子

■今月のピックアップちゃーと

アジア人は「ハンバーガー」も「カレー」も大好き ~グローバル化がもたらすアジアの食の嗜好の変化~

■TBRの広場

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