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2010年4月1日
繊維トレンド3・4月号 2010 No.81

■海外動向

2009年の世界の化繊生産動向

日本化学繊維協会 理事 杉原 克

【要点(Point)】
(1)2009年の世界の主要繊維生産は約6,510万トンで、2008年の減少から回復。
(2)化繊生産は前年比8%増の4,160万トンで、2007年の生産水準に戻った。
(3)化繊生産では、中国とインドが2桁増となる一方、日欧米は2桁減で明暗を分けた。

中国ファッションビジネス・サクセスストーリーに 見る中国ファッション業界の現状 -エリート・ビジネスマン向けのプライベート・ファッション・コンサルタントと語る メンズスーツブランドStel Lee Bespoke デザイナーStella Lee インタビュー-

横川 美都 特別研究員(在上海)

 筆者は2006年6月に上海で日系企業の主催する水着モデルコンテストの仕事をしました。駆け出し のモデルやモデル学校に通う学生など、参加者のほとんどがセミプロ級の中で、外資企業のマーケティングをしているというショートカットの上海人の女の子が関係者の注目を集めました。結局、彼女は最終審査まで進み、屋外の特設会場で多くの観客を前にビキニ姿で堂々とウォーキングを披露し特別賞を受賞するとともに、非常に強烈な印象を残していきました。  そして、なんと約1年半前に友人との食事の席に共通の友人として、偶然彼女が現れたのです。コンテ ストの直後、会社を辞め自分でファッションビジネスをスタートさせたという彼女とは、その後、頻繁に会うようになり、その度にどんどん先へと進む姿に「いつか取材させてね」とお願いをしていました。  今回は、その彼女へのインタビューが実現しました。オリジナル高級カスタムメイドメンズスーツのブランドを立ち上げた1980 年生れ弱冠29歳のStella Lee こと歴寧(以下、Stella)をご紹介します。 

PDF : 詳細(PDF:648KB)

イタリアファッションスケッチ

デザイナー 小川健一

 世界的に、低価格志向が強まる中、ファッションの街ミラノでも低価格の商品を扱う店が増えてい る。海外からの労働者流入も増え、イタリア・ファッション産業にも変化が起こっている現状を紹介 する。 

ニューヨーク発「ファッションズ・ナイトアウト2009」

英字ファッション情報誌「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」シニアエディター マヤ・カワムラ

 「戦後最悪」「世紀に一度の世界不況」と言われる中、ニューヨーク市では、主要産業であるファッション産業の活性化のため、「ファッションズ・ナイトアウト」と名付けたイベントが開催された。ここでは、800店以上の大手主要百貨店と小売店が参加し、街全体を巻き込んだイベントの様子をご紹介する。

シリーズ テクニカル・テキスタイルの開発動向 第5回 テクニカル・テキスタイルの用途開発 -(その2)防護衣料・器具、医療用途、アクティブスポーツ、スマートテキスタイル-

テキスタイルジャーナリスト 米長 粲

【要点(Point)】
(1)安全と安心を守る防護衣料・器具用途は、高機能の繊維素材と多層の布帛構成でその特殊機能を構築する。量としては多くはないが、付加価値は高い。
(2)衛材用途は、ディスポーザブルを中心に最も数量の多い用途である。これからは中国・インドなど新興国での伸長が予想される。一方、先進国では人工臓器や組織培養での繊維の活用が見込まれる。
(3)アクティブスポーツ用途は、競技者用衣料、ボール、シューズなどで特殊な機能設計による高性能衣料・器具の開発が進んでいる。
(4)スマートテキスタイルは、E-テキスタイルを中心に実用化の段階に入っている。医療における診断と治療、スポーツ、娯楽・エンターテインメント、ポジショニング追求など遠隔交信機能を中心に活用されている。

■国内動向

小売りビジネスのパラダイムシフト(前編) -百貨店が「小売りの王様」の座から滑り落ちた理由-

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)百貨店ビジネスの基本は、限定された売場面積の売上効率を最大限に上げることである。返品制度、売り逃し防止等もその考え方に基づいている。また、百貨店の強みはその立地と信用・信頼であり、百貨店は常に取引先を選別できる有利な立場にあった。
(2)ラグジュアリーブランドは、階層社会を前提に、限定された優良顧客に単価の高い商品を継続的に購入してもらうビジネスを展開している。顧客管理、リッチでゆったりとした売場環境、プロの販売員等が重要な要素となっている。
(3)都心はターミナル立地が有利であり、JRグループの躍進が目立つ。地方都市や郊外では、ロードサイドの大型専門店、家族が休日の一日を過ごせる複合型大型商業施設が顧客を集めている。過去は一等立地だったが、百貨店の立地環境は相対的に低下している。
(4)ユニクロ、ファストファッション、ラグジュアリーブランド等は、世界の生産拠点と、世界の主要都市のショップをダイレクトにつないでいる。ダイレクトな商品調達は世界的傾向であり、問屋経由の小売業態そのものが過去のものになりつつある。

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シリーズ 日本ファッションアパレルの課題と今後の展開 第7回 スティリスタの一次設計を商品化するイタリアのCMT 工程(2) -ファブリカの場合-

信州大学名誉教授 繊維学部特任教授 大谷 毅 文化女子大学 服装学部 教授 正田 康博

【要点(Point)】
(1)イタリアのメゾンを買収しても日本仕様を要求すれば、日本仕様イタリアメゾン“プレタポルテ”ができる。それはミラノ・パリで売れるとは限らない。
(2)著名メゾンの“プレタポルテ”を製造する2つの工場の場合、一方の工場にはCAD ・CAMがなく、他方にはモデリスタがいない。両方とも、手マツリやアイロン作業などの手仕事が多く、目分量で作業する場面があり、かつ丁寧な作業である。
(3)一連のCMT工程には動作時間研究・トヨタ生産方式のような思考とは相容れない領域がある。むしろ工 程の特徴は経営者の個性や思想によって説明可能で、品質の基準も各メゾン各様である。
(4)手仕事を重視しつつ、手仕事と機械仕事のそれぞれの長所をうまく組み合わせたCMT工程を構成している。ただし設備投資も怠らない。必要な機械や什器備品はきちんとそろえる。

アパレル市場の構造変化と衣料用テキスタイル業界の対応

小山 英之 特別研究員

【要点(Point)】
(1)昨年の国内アパレル市場は、小売店の安売り競争もあり消費者の低価格志向等から、11兆円を割り込んだと推定され、バブル期のピークから4割強の規模縮小が進んでいる。ただし、外衣・下着の数量ベースの国内投入量は、過去10年間、39億~40億点の横ばいで推移、金額ベースの市場規模の縮小は、平均単価の大幅下落によるもので、今なお慢性的なデフレ状態が継続している。
(2)今回の構造不況は、高級衣料ゾーンの需要減と購入単価の低下が目立っており、その影響もあって、国産衣料品の生産縮小が更に進んでいる。そのため、衣料用テキスタイル業界は、受注減と委託加工料のダウンが深刻になり、更に円高と東アジア競合国の急速な品質アップが加重され、袋小路に追い込まれている。
この窮地を打開するには、グローバル販売型のミルコンバーターに転換し、自らリスクを持ってマーケット開拓を行い、製販両面の徹底したコストダウンを行うなど、ドラスチックな経営改革が不可欠となっている。

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ファストファッションの日本に及ぼす影響

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)ファストファッションは、当然のことながら中価格帯~低価格帯のマーケットに影響を及ぼしている。
(2)特に強く及ぶのは、ヤング、キャリア、ミセスのどのマーケットでも、トレンド感覚が強く、ファッション性が高い商品を求めている層だ。
(3)日本企業のファストファッション対策はまだ始まったばかりで、対応は様々。
(4)アンチ・ファストファッション的な動きとして、「手作ラー」「デコ感覚の拡大」「創意工夫で着回す」といった、ちょっとした工夫で個性表現を目指す気運が浮上している。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

アパレル製品のトレーサビリティ

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

PDF : 詳細(PDF:129KB)

■統計・資料

主要商品市況

1.原油 2.ナフサ 3.PTA 4.EG 5.カプロラクタム 6.アクリロニトリル 7.ナイロンフィラメント、同織物  8.ポリエステルフィラメント、同織物 9.ポリエステルステープル 10.アクリルステープル、同紡績糸  11.綿花 12.ポリエステル綿混(T/C)紡績糸及び織物