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2012年3月1日
「次のオリンピック・イヤーの頃には一体何が…?
主席研究員(市場調査担当)
岩谷 俊之

 毎回本欄で海外出張ネタを書いている私ですが、そんな私が初めて欧州に出張したのは2007年秋の話。その後もなぜか欧州への出張が続き、昨年11月には通算6回めの欧州出張に行ってきました。  2007年の欧州初出張から2011年の(今のところ)最後の欧州出張までの間には4年が経過しています。4年…ちょうどオリンピック1 回分。それほど大そうな歳月ではありません。4年程度なら「歳月」という言葉を使うのも大げさな気がします。  しかしその4年間の変化の大きさにはあらためて驚かされます。これに関しては「激動」という大げさな言葉を使わずにはおれません。例えば為替レート。2007年出張当時のレートは1 ユーロ= 170円ほどで、空港で食べた30ユーロのごく軽いランチが5,000円を超えたのに目まいを覚えたものです。  ところが、昨年末の欧州出張はちょうどユーロ危機真っ盛りの頃で1 ユーロ= 100円ちょっと。4年前の6割…たかだかオリンピック1回分の間になんという落差でしょう。  空港の搭乗システムも変わりました。私はこれまで「搭乗カウンターに並んでパスポートと航空券(E チケット)を提示し、搭乗券をもらって荷物を預ける」というスタイルでずっとやってきて、2010年の欧州出張まではそれで問題ありませんでした。  しかし昨年末の欧州出張では成田でもフランクフルトでもパリでもマンチェスターでも、どの空港でもカウンターに並ぼうとすると「まず自動チェックイン機で搭乗券を発券すべし」と言われます。搭乗券は人間ではなく機械が発券し、カウンターでは荷物だけ預かるというシステムに切り替わったようで、同じご経験をされた方もいらっしゃると思います。  しかし成田空港ならともかく、慣れない海外の空港でいきなり英語表示の自動チェックイン機を使えと言われればやはり戸惑います。コードを入力しろっていうけど、これは航空券番号か?予約番号のこと?などと考えているうちに時間切れになってやり直し。次第に焦ってきます。このまま搭乗券が発券されなかったら…。  ところがそんなややこしい入力、実は必要ないのです。自分のクレジットカードを差し込みさえすれば、機械は勝手に私を特定・認証し、私の予約フライトを表示し、私の搭乗券を発券してくれるのです。これには驚きました。  航空券もパスポートも提示せず、クレジットカード1枚で機械がスイスイと搭乗券を発行してくれるなんて…E チケット出現以前、乗った順にビリビリ切り離す航空券を大事に保管しながら旅した世代である私の驚きを想像してください。  私は以前に本欄で「海外出張で大事なものといえばパスポート、そして帰りの航空券…」などと書きました。2008年秋発行の「経営センサー」ですから、北京オリンピックの年です。しかし次のロンドンオリンピックが開催されようとする2012年の今、そんな過去のコラムはとっくに陳腐化していたのです。今や航空券がなくても大丈夫なのですから。  この調子では今からさらに4年後、リオデジャネイロでオリンピックが開催される頃に欧州出張があったら、何がどうなっているか予測などとても不可能です。4年後のユーロの為替レートなんて見当もつきませんよね。予測なんてあきらめて空想でもしている方がまだマシです。  しかし空想なら私も得意。4年後ですか? 個人的な希望としては、私に代わって欧州出張してくれる「全自動海外出張ロボット」あたりの出現を期待したいところですが…。