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2014年12月1日
イマドキ女子のよもやま苦労
コンサルタント
金子 真弓

 巷では最近、“マウンティング女子”なる言葉が流行っているようです。  本来の“マウンティング”とは、動物社会において、自らの優越を表すための行為を指しますが、この“マウンティング女子”は、女性が日常生活の中で、“女としての価値が自分のほうが上”だということを態度や言葉で相手に示す行為を指す用語として使われているのだとか。  「○○さんはすらっとしていてうらやましいわ!私なんて小柄だからスカートしかはけなくって…」例えばこんな日常会話のなかにも、自虐とみせかけて、“女性らしい自分”をさりげなくアピールするといった“マウンティング”が存在していることがあるのです。  笑顔で相手を攻撃するようなセリフをふんだんにちりばめ、女性たちが次々と繰り広げる“マウンティング”の中で主人公が奮闘していく様子を描いたドラマは深夜帯放送にもかかわらず、高い視聴率を記録しました。  ただし、この“マウンティング”、なにも今に始まった現象ではないのでしょう。古くから女性たちは、男性に「選ばれる」ために戦ってきました。かの「源氏物語」や「大奥」といった世界の中でも、表の華やかさとは裏腹に、女性同士での熾烈な戦いがあったことが見受けられます。  ですが現代において、女性の社会進出が進んだことで、身分や容姿の他に、学歴やキャリア、収入、異性への価値観の違い、といったさらなる多様性が加わったことで、この“マウンティング”がより複雑化しているかのようにも思えます。  さて、現代的な価値観を持った“イマドキ女子の奮闘”で連想される物語がもう一つ。今年、女性や子どもを中心に、社会現象とまで言えるヒット作になったディズニー映画「アナと雪の女王」です。 この映画、これまでのディズニー映画の設定やストーリーと違うことでも話題になりました。例えば、主人公が王子様から選ばれることを夢見る旧来のお姫様とは性質が異なること、姉妹のダブルヒロインである点などです。  この映画では、女性が抑圧から解放されていく様、または現代的な女性観、同性との関係の重要性が描かれている印象を私は持ちました。  なんといっても、やはり一番印象的だったのはヒロインが自分らしさを肯定するその主題歌です。本編と並行して、サウンドトラックは驚異的なセールスを記録し、街中でこの曲や映像が流れていれば、世の子供たちは足を止めて一緒に踊り歌う、という光景をこの夏、何度も目撃しました。  かつてバブル絶頂期に、森高千里はストレスの歌を歌い、モーニング娘。が不景気を吹き飛ばすような明るい歌を歌ったように、ヒット曲にはその時代の背景や人々の願望が反映されてきました。  「アナと雪の女王」の主題歌流行にはひょっとして、日常の“マウンティング”や“格付け”から解放されたがっている“イマドキ女子”の叫びが反映されているのかもしれません。