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2015年11月1日
地政学リスク

今や世界に常態化し、不確実性をもたらす

ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、 その地域や関連地域の経済、または世界経済全体に与えるリスクのことで、地政学的リス クとも呼ばれます。ちなみに「地政学(geopolitics)」というのは、地理的な位置関係が国 際関係に与える影響を研究する学問で、スウェーデンの政治学者ルドルフ・チェレーンが 提唱したものです。 地政学リスクの二大要因としては、「地域紛争の勃発」と「テロの脅威」があり、経済の グローバル化を背景に、そのリスクは全世界的に影響を及ぼす可能性があります。 地政学リスクが高まれば、世界の株式相場の下落、原油価格など商品市況の高騰、為替 相場の乱高下などを招き、企業の投資活動や家計のマインドに悪影響を与える可能性があ ります。投資家にとっては、地政学的な出来事が経済の観点だけでは計測不可能な不確実 性をもたらすことがしばしばあるので、注意を要します。 「アラブの春」(2010 年から 2012 年にかけてアラブ世界で発生した大規模反政府デモな どの騒乱)以降、中東情勢が不安定し、「イスラム国」が台頭したこと、クリミア半島のロ シア編入(2014 年 3 月)を機に、ウクライナ情勢をめぐる欧米とロシアの対立が生じたこ と、などを背景に、最近は世界に多数の地政学リスクが常態化するようになっています。

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