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2022年5月12日
週休3日制はワークライフバランスを後押し
宮原淳二
 「今日頑張れば明日から3連休だ」と体に鞭を打って頑張っている人は多いのではなかろうか。かように休日の存在は働き方に深く関与している。年間に計16の日が「国民の祝日」とされ、その趣旨が定められているが、成人の日が1月15日から第2月曜日に移行したように、近年祝日を柔軟化し土日に絡めた3連休が増加している。子育て世帯や中高年層に限らず、労働者は生活にゆとりが生まれたのではあるまいか。
 その祝日に加え、政府は昨年6月に閣議決定された骨太の方針で、選択的週休3日制度の導入を促している。育児や介護との両立や社員のリスキリング(学び直し)に効果があるのではないかと大企業を中心に検討が進んでいる。
 今では当たり前となっている週休2日制は半世紀以上前の1965年に、当時の松下電器産業(現パナソニック)が日本の大企業で初めて導入に踏み切った。当時は半ドン(半分の休日)が当たり前で、週休2日制は業績が低迷するなど、否定的な意見が多かった。しかし設備の自動化など生産性を向上させた結果、1980年代には多くの大企業が導入し女性の労働参画にも一役買った。現在でもIT化が予想以上に進行すれば週休3日も不可能ではなく、多くの労働者はワークライフバランス(仕事と生活のバランス)を実現できるだろう。一方で、会員の多くが中小企業である日本商工会議所・三村明夫会頭は「生産性を向上した結果として余裕のある企業が週休3日制を導入するのであって、その逆ではない」と慎重な姿勢を示している。週休2日すら定着していない中小企業経営者にとっては夢のような話なのかも知れない。
 しかしながら、中小企業でも週休3日制を導入した会社がある。ITビジネスを手がけるネクストビート(東京)では、マネージャー相当以上のエンジニアに、同じ待遇での週休3日制を適用。また介護事業を展開するウチヤマホールディングス(福岡県)や、食品の加工機械を製造・販売するサタケ(広島県)なども導入し活性化させた。大企業でないと無理と考えずに、多様な人材を活かすメリットを先に考え、新な挑戦と考え、まずは行動を起こすべきであろう。