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2006年11月1日
繊維トレンド11・12月号 2006 No.61

■特別レポートI

チャイナプラスワン -日本主導の東アジア連携ビジネスモデルを求めて- 第1部:  パネルディスカッション -“生産拠点・市場・成長センター”三点セット連携ビジネスモデルを求めて-

コーディネーター 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口 昌章  パネリスト 三井物産株式会社 ライフスタイル事業本部 ライフスタイル事業部長 鎌田 慶昭  株式会社小島衣料 代表取締役社長 小島正憲  YKK 株式会社 上席常務 ファスニング事業本部 ファスナー事業部長 猿丸 雅之  JUKI 株式会社 工業用ミシン事業部 縫製研究所 主査 知久 幹夫

 東レ経営研究所では、去る10 月3 日東京・両国のKFC HALL にて『繊維産業シンポジウム』を開催し、 多くの方にご参加いただきました。現在、従来の“もう一つの生産拠点を”という「チャイナプラスワン」 の発想を超えて、中国を含めたグローバルソーシング、グローバルビジネスのあり方やその課題について見極 め、その中から、いかにして国際競争力の高いビジネスモデルを作ることができるかが問われています。    今回のシンポジウム第一部では、実際の縫製、生産に関わっている方々、サポートインダストリーの方々を お招きし、これからのグローバルソーシングと、グローバルビジネスのあり方についてディスカッションして いただきましたので、ご紹介いたします。 

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■特別レポートII

2006 年上海商業発展報告

東レ経営研究所客員研究員 上海市商業経済研究センター 副主任 教授 斎 暁齋

 東レ経営研究所『中国繊維ファッションビジネス研究会』客員研究員である齋先生は、中国経済の最前線にある 上海市政府内で、上海市商業経済研究センター副主任、上海市商業情報センター副主任、教授を務めており、今回は、その活動の中でまとめた上海市の商業発展調査のレポートをご紹介します。本レポートで、上海市の小売業 を中心とした、ごく最近の商業発展の推移と現状を理解することは、繊維企業を含めて、日系企業が中国内販を行ううえでも、大いに役立つと考えます。    また、ここでは本調査レポートの紹介の前に、総記として、この調査から得られた内容について述べ、その後、 序文から始まる本調査レポートを掲載します。    なお、本調査レポートの全体構成は、序文、第一部 総論、第二部 小売業、飲食業、第三部 卸売業、物流業、 第四部 サービス業となり、今号では、総記、序文、第一部 総論までを掲載、次号2007年1 ・2月号では、 第二部、3 ・4月号では第三部、第四部を掲載し、全3回の連載とします。 

■海外動向

日系アパレル中国進出第2期の課題 -中国法人の現地化と本社の国際化

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)日本人向けに作られたアパレル商品は、中国市場に受け入れられなかった。また、プロモーションの面でも中国市場に対応できていない。
(2)日本企画では売れないので、現地企画を推進しようという流れも強まっている。しかし、日本のやり方しか知らない日本人スタッフに対応できるかは疑問だ。また、企画ばかりではなく、営業活動の現地化も必要である。
(3)若い国である中国では、経営者も若いし、富裕層の年齢も若い。ビジネスでも日本以上に若いセンスが求められるが、高齢化している日本のビジネスマンは対応できていない。
(4)中国生産を行うには現地法人が必要不可欠だったが、市場進出では現地法人を設立せずに、中国企業と連携するビジネスも可能。生産コストと営業コストをトータルに考えることで新たな連携の可能性を見出すことができる。
(5)中国の生産機能を活用することは、世界市場を見据えたビジネスを展開することにつながる。「中国に生産を委託すると真似される」という不安ばかりを考えて連携を拒むより、「どうしたらコピーされないのか」「どのような契約を結べば、相互の利益になるか」を研究するべきだ。
(6)現地法人の現地化を進めるには、十分な権限委譲と、国際的な評価報酬システムの整備が必要。また、中国人の雇用を通じて、本社の国際化と将来の現地化に備えるべきである。

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世界の織機設置状況と中国の増設動向  -世界WJ織機の8割を占める中・台・韓・日の4カ国-

特別研究員 小山 英之

【要点(Point)】
(1)世界各国の織布業界は、文字通りサバイバルの苛酷な国際競争の試練に見舞われている。国際競争激化の要因が中国の革新織機の大増設であることは、各国繊維業者の誰もが知っている事実である。しかし、中国の増設状況がどうなっているのか、そして世界全体にどのような影響を及ぼしているのか、その実態となるとほとんど知られていない。
(2)世界の織布工場は、過去30年間に134万8,000台の革新織機を導入したが、その内分けは中国に26%、西欧16%、韓国8%、日本7%、米国へは6%である。中国に導入された革新織機は、そのほとんどが過去20年以内の織機で、今なお現役で稼働している。革新織機は、1980年代後半、1990年代末にイノベーションが行われ、2000年代の革新織機は高速化が進み、電子装置のレベルアップによって製織される織物の品質が向上している。過去10年以内に導入された革新織機は、51万9,000台で、そのうち54%が中国に導入されている。この設備が中国の国際競争力の源泉になっており、先進国をはじめ、アジア、中南米、アフリカの途上国織布業界は、大きな圧迫を受けている。

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アジア諸国の繊維品輸出動向

日本化学繊維協会 業務調査グループ主任 鍵山 博哉

 100年に一度の世界同時不況の中、単価の安さなどからアクセサリー(服飾雑貨)の重要性が見直されている。ここではニューヨークで開催されるレディースアクセサリーの見本市展示会Accessories TheShow について、現地でファッション情報誌のエディターを務めるカワムラ氏にご紹介いただく。

【要点(Point)】
(1)2005年以降のアジア主要国の繊維品輸出をみると、中国、インドが枠撤廃で予想通り大幅増となる一方、韓国、台湾は凋落傾向が続いている。アセアン各国はポストATC を悲観的に捉えていたが、2005年以降も健闘している。特に、2006年前半の繊維品輸出額は、中国リスクの受け皿として大幅増となった。
(2)中国の紡織品輸出は、2000年以降糸類・織物類とも急拡大しており、衣類貿易においてだけでなく、世界の紡織品貿易においても中国の位置づけはますます強まっている。
(3)アジア諸国の合繊長繊維織物の輸出動向をみると、南アジア、アセアン、アフリカなど第3国市場でも韓国、台湾に代わって中国の輸出が急拡大している。貿易摩擦などにより一時的に不透明な状況になる可能性もあるが、中国の伸長は今後も続くであろう。

中国のファッション誌

横川 美都 研究員

昨年の8月、かねてより噂されていた中国語版『VOGUE』が中国大陸で創刊されました。これにより中ファッション誌マーケットには、中国語版の『ELLE』『Cosmopolitan』『Marie Claire』『Harper’s Bazaar』そして『VOGUE』という世界5大ファッション誌が出揃いました。数年前まで、数種類の香のファッション誌を見かける程度だった中国のファッション雑誌市場ですが、今では、少々飽和状態気味と感じるほどいろいろな雑誌が溢れています。 今回は、短期間で飛躍的な発展を続けている中国のファッション誌の状況についてご紹介致します。

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イタリアファッション業界の戦略 第3回  -イノベーションがイタリアのファッション産業を生み出した-

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)伝統的な手縫いの縫製技術と流れ作業の組み合わせ
(2)イタリアの伝統的美の感覚をプレタポルテに表現する
(3)製造小売
(4)ライフスタイルとブランドを通じて消費者に発信する

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クロスメディア・リテイリングの最新ビジネスモデル

株式会社小島ファッションマーケティング 代表取締役 小島 健輔

【要点(Point)】
(1)米国小売業におけるクロスメディア戦略は、古くから「ストア+カタログ」で展開されてきた。90年代以降インターネットの普及とともに、コンテンツ作成に時間と経費がかかって展開スピードの遅いカタログ通販は次第にネット通販に取って代わられていった。
今注目すべきは、「ストア+ネット」複合展開が当たり前になった段階で、かえって店舗販売の重要性が見直されていることである。
(2)日本の小売業におけるクロスメディア戦略は、あくまで補完的な意味で細々と「ストア+カタログ」並行展開されてきた。90年代半ば以降インターネットの普及とともに、既存大手小売企業、大手通販企業、SPA 企業など業態を問わず、カタログ通販事業を止めるか大幅縮小し、主力は「ストア+ネット」複合展開に至っている。
日米間のネット通販ビジネスで大きな違いは、日本のメイン端末が携帯電話であることと、それに関連して十代後半が顧客として突出していることが挙げられる。
(3)こうした中、日本のクロスメディア戦略を牽引する企業とそのビジネスモデルを本稿で紹介したい。

■国内動向

向若性団塊世代(ファッション篇) -「気分は30代」「新しさは善」を満たしたい団塊世代男女のファッション志向を知る-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)「向若性団塊世代」のファッションスタイルは女性で6タイプ、男性で5 タイプに分類されたが、“これだけは外せない”といった共通の刷り込みがあることも分かった。
(2)共通刷り込みとはやはり10代後半に触れてきたアイビールック。その定番アイテムとスタイリングは今も残る。
(3)常に時代感を意識し、その要素をファッションにも取り入れていたい世代だが、基本となるアイテムやスタイリングが安心材料になっているため、押さえておくことは重要。その上に時代感をふりかけてあげることがポイントになる。

■新市場・新製品・新技術動向

熟年マーケットに向けて -その魅力的な店作りを考える-

フリージャーナリスト 土井 弘美

・今最も注目されているシニア市場。彼らが望むのは「買い物の楽しみ」であり、単に商品を購入することではない。店の雰囲気、サービスなどすべてをエンジョイする。 ・今回はハイクラスを顧客としている銀座マギーと、あえてスーパーブランドを入れる道を選ばず、50代以上をターゲットとして店作りを考えた京王百貨店新宿店を取材した。 ・この2つの事例から、「シニアのための店作り」を考えていく。

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■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

国際イベント

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

■「中国繊維ファッションビジネス研究会」インフォメーション

中国研究会HPの紹介 第6回セミナーのご案内

■統計・資料

主要商品市況

1.原油 2.ナフサ3.PTA 4.EG 5.カプロラクタム 6.アクリロニトリル  7.紡績原料 8.ナイロンフィラメント、同織物 9.ポリエステルフィラメント、同織物  10.アクリルステープル、同紡績糸 11.ポリエステル綿混(T/C)紡績糸及び織物