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2021年4月15日
経営センサー4月号 2021 No.231

■今月のピックアップちゃーと

過去20年間上昇しなかった日本の実質賃金 ~この間2割程度上昇した諸外国との間に大きな後れが発生~

産業経済調査チーム

■特別企画

特別WEBセミナー抄録 ディープテックと経営 ―日本の眠れる技術でアジアの社会問題を解決する『知識製造業』を目指せ―

株式会社リバネス 代表取締役 グループCEO 丸 幸弘 氏 聞き手 東レ経営研究所 取締役 エグゼクティブエコノミスト 増田 貴司

Point
(1)社会問題の解決に科学とビジネスを融合して、新しい価値を生み出す事業を起こすイノベーションが必要であり、その推進役としてサイエンス・ブリッジ・コミュニケーターが成り立っている。
(2)1人のパッションが組織を動かし、その賛同者たちでQPMIサイクルを回すことが予測不能な時代の会社経営に求められる。
(3)デジタルトランスフォーメーションにより知識・お金が瞬時に動くようになり、モノをつくることが知識を交換することに変わったのが知識製造業であり、ディープテックの発掘と利用が大きな意味を持つ。

■産業経済

2050年の日本のカーボンニュートラル実現は可能か ―原油価格の動向と日本の脱炭素化の動き―

産業経済調査部長 チーフエコノミスト 福田 佳之

Point
(1)2020年における原油価格は世界的な新型コロナウイルス感染の影響で激しい動き。20年11月以降、油価は上昇へ。今後も主要産油国の減産継続や米国の大型景気対策の発動もあって60ドル台で推移。中期的には上流開発投資の削減が原油供給を不安定に。
(2)世界各国で2050~60年にかけて二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを目指すというカーボンニュートラル実現に向けての動きが目立つ。日本も菅首相が20年10月に2050年カーボンニュートラルの目標達成を表明した。こうした世界各国の動きの背景には、再生可能発電の普及が進み始めたことがある。
(3)経済産業省では第6次エネルギー基本計画策定の議論が始まっており、2050年の電源構成目標を参考値として示した。それによると、再生可能発電5~6割、水素(H2)・アンモニア(NH3)火力発電1割、その他火力・原子力発電3~4割としている。
(4)日本のカーボンニュートラル目標達成に向けての議論をたどる中で、いくつか疑問が生じる。こうした疑問について、4つの論点にまとめてQ&A形式で解説した。
(5)2050年の日本のカーボンニュートラルの実現は民間企業の事業参入と展開のダイナミズム次第と考えており、こうした民間の動きを政府などが支援できるかどうかにかかるだろう。

■技術・業界展望

コロナ禍でオンライン開催となったCES ―リアルの良さを再認識。米GMがEV傾斜を鮮明に―

チーフアナリスト(産業調査担当) 永井 知美

Point
(1)コロナ禍を受けて、世界最大級の民生技術展示会CESが初の全面オンライン開催となった。実機が展示できず、参加してもインパクトが小さいとみたのか、前回に比べ出展社数は大幅に減少、来場登録者も減った。
(2)CESのオンライン会場に構築された企業ブースの中には、丁寧な作りで見応えのあるものもあったが、全体としてみると、やはり展示会はリアルが良いと再認識させられる内容だった。
(3)そうした中、印象に残ったのは、電気自動車(EV)への傾斜を鮮明にした米GMのバーラCEOの基調講演である。世界的に自動車産業のEV化が加速する中、日本の大手自動車メーカーはどう対応していくのだろうか。

■視点・論点

IT音痴の文系経営者でも絶対にわかる、本当のDXの秘密

株式会社バトンズ 代表取締役社長 兼 CEO 大山 敬義

1.DXがなぜブームに 数ある経営者向けのはやり言葉みたいなものの中で、いちばんよく聞くし、何となくイメージはわかるけれど、実際には何をしたらよいのかさっぱりわからない言葉の筆頭が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」でしょう。

■マネジメント

リモートワーク時代の人前力 ―ワンランク上のオンラインコミュニケーション・7つのポイント―

有限会社プラントライブ ブランディング・エキスパート/パーソナルブランドコンサルタント/研修講師 山本 秀行

Point
(1)コロナ禍においてリモートワークが進み、オンラインでの人前力が求められている。
(2)相手へのちょっとした気遣い・心配りで、オンラインでのコミュニケーション力がアップする。
(3)リアルの場だけでなく、これからはオンラインでのパーソナルブランディングも重要となる。

■ヒューマン・ディベロップメント

同一労働同一賃金の導入に向けて

人事労務コンサルタント/株式会社パーソネル・ブレイン代表取締役/社会保険労務士 二宮 孝

Point
(1)まずは働く環境の整備から、非正規社員が被差別感を持たないように組織の風通しを良く、コミュニケーションを重視すること。
(2)賃金は、手当(仕事に直結するものから)・賞与・基本給・退職金の順でチェックしてみること。
(3)賃金以外では、休暇・福利厚生・正社員登用・評価・昇格昇進なども検討が必要になってくること。

■TBRカナリアレポート

民間調査機関が予測する2021年度日本経済の特徴 3.9%と高成長、昨年度の大幅マイナスからの反動とワクチン普及の効果を見込む

2021年3月9日の2020年10~12月期四半期別GDP速報(2次速報値)の発表(前期比2.8%、同年率11.7%)を受けて、民間調査機関は日本経済見通しを発表しています。21年1月8日に首都圏など11都府県に緊急事態宣言が再発出され、日本経済に与える影響が懸念されています。ただし、今回の発出が及ぼす日本経済への影響は昨春の初回の発出時ほどではないとしています。昨春の発出時は個人消費だけでなく、生産や輸出も減少しましたが、今回は生産や輸出は堅調に推移しています。業種別にみても、外食や小売りなどの非製造業は打撃を受けていますが、製造業は堅調に推移しています。したがって、3月21日に緊急事態宣言の再発出が解除されて21年度に入るころには日本経済は再び回復軌道に乗り、高めの成長を続けると予想されています。

■お薦め名著

『伝え方大全』

カーマイン・ガロ 著 井口 耕二 訳

■ズーム・アイ

次世代交通MaaSが子連れ移動の救世主に!?

産業経済調査部 川野 茉莉子

新型コロナウイルスの感染拡大が本格化し、世界中で不安が高まっていた2020年3月末、ひっそりと東京メトロ半蔵門線永田町駅に念願のエレベーターが完成しました。併設されているエスカレーターは全長40mとかなりの長さで、小さい子連れで移動するとなるとエスカレーターの手前で畳んだベビーカーを片手に、重たい子どもを抱きかかえて若干の恐怖とともに長いエスカレーターに乗らなければならないという、子連れならできれば乗り換えを避けたい駅の一つでした。