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2013年6月1日
繊維トレンド5・6月号 2013 No.100

■特別レポート

オンリーワン技術で世界に挑む―カイハラのモノ作りの考え方―

カイハラ株式会社 代表取締役会長 貝原 良治

 去る3月1日に、金沢市のANAクラウンプラザホテルにおいて、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地の復活を目指して』を開催しました。当日は、東京大学大学院経済学研究科藤本隆宏教授、カイハラ株式会社貝原良治代表取締役会長、東レ株式会社大矢光雄取締役の3人の講師にご講演いただきました。本号では、そのうち、貝原会長の講演内容をご紹介いたします。なお、藤本教授の講演内容については、弊社の経営情報誌『経営センサー』5月号にて別途ご紹介いたします。

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■ファイバー/テキスタイル

防護テキスタイルの開発動向と最近のトピックス

東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)世界のテクニカル・テキスタイルの需要において、防護用途の占める割合は小さいが、平均単価ベースでは最も高く、高付加価値を取り込んだ用途分野である。
(2)さまざまな危険要素に対応して設計した防護テキスタイルが開発されているが、特に衣料では、本来の防護機能に加え、長期間の安全性や着用快適性等を重視する傾向にある。
(3)時代の流れによるニーズの変化、シーズとなる技術の進展に伴い、新たなコンセプトの安全・防護テキスタイルが開発され、市場に登場している。
(4)防護テキスタイルは安全と安心を支える素材として、今後も年率5~6%の成長が期待でき、衣料に加えて資材の拡大が注目される。

フィレンツェからミラノへ イタリアから発信された2014 年春夏のファッショントレンド

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』 在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)2月フィレンツェで開かれたピティイマジネフィラティは、昨年 10月の Filo以来のグローバルな経済情勢の変化を受けつつも2014年春夏シーズンに向けて最高に洗練された糸素材を提案した。続いて生地素材ではミラノウニカは明るく希望に満ちたトーンを反映して奔放な色の選択と差別化への自信にあふれた展示会となった。
(2)2014年春夏トレンドの基調は、高級な天然繊維と相性のよい合繊をブレンドすることで上質感と高級感を競って差別化を推し進めることであった。
(3)色は、チョーク調のパステルが中心で、ローズから夏向きのイエロー、グリーン、ブルーまでオプティカルホワイトをベースとしたアンサンブルとなっている。
(4)風合いは、カシミアやシルクの高級天然素材にビスコースなどの化合繊をブレンドして素材の質感を落とさずにコストを抑えて魅力的な風合いを訴求している。
(5)織り編み組織から見れば、ネットやメッシュ、からみ織りや透かし編み、ジャカードやレーザーカットによる穴開き、ケミカルレースなど部分的に透ける糸使いのようなオープンワークがトレンドとして浮上している。

■繊維/アパレル

中国ファッションブランディングの構造

事業開発研究所株式会社 代表取締役 島田 浩司

【要点(Point)】
(1)ファッションマーケットの現状
(2)ブランド表現の変化
(3)検索して、ブランドが出てこなければ、信用されない
(4)マルチチャネルブランディングが、勝負を決める

■小売/消費市場

2011年中国の可処分所得と消費支出

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)信頼性のある国家統計局『中国統計年鑑』を用い2011 年中国の都市住民の家計収支、中でも「被服及び履物」に焦点を当てて見ていく。
(2)各地区の可処分所得と消費支出には比例関係が見られる。また数値の高い地区は沿岸部に集中する。
(3)消費支出の内訳(全国平均)で最も高いのは「食料」。その後に「交通・通信」「教育/教養娯楽」「被服及び履物」が続く。
(4)各地区の可処分所得と「被服」「履物類」の消費支出は必ずしも比例はせず、気候の影響も受けると考えられる。
(5)収入階級上位と下位の所得の差はどんどん開いている。収入階級最上位の「被服」の消費支出は既に日本の全国平均を上回っている。
(6)収入階級によって消費する項目の優先度が変わってくる。「食料」「交通・通信」「教育/教養娯楽」に大きな変化が見られる。

米スポーツ用品市場の現状NY編

英字ファッション情報誌「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」シニアエディター マヤ・カワムラ

【要点(Point)】
(1)米スポーツ用品は、年商400億ドルの産業。製造業が1,300社、小売店が3万7,000店で形成される。エバーラスティング、チャンピオン、キャロウェイのような大手製造業はブランドロイヤルティ(個客の忠誠心)に頼り、中小メーカーはユニークな商品開発力を発揮し厳しい競合の中で生存。
(2)大型スポーツ専門チェーン店は、ディックススポーツ用品店、ビッグ5スポーツグッズ店が新たな発展があるが、ルルレモンアスレチカ店のようなヨガブームに乗って成長しているケースもある。
(3)NY に限れば昨年のイチロー選手のヤンキース移籍、バークレーセンターの完成。今年2013年オールスター戦の開催。来る2014年2月のスーパーボウルの前夜祭の開始は、年間3,900万人の全米一の観光客数をほこるタイムズスクエアの小売業の一層の売り上げ向上が見込まれる。「ヤンキースクラブハウス」「メッツクラブハウス」のようなチームロゴ入り商品を売る直営店はファンの評判も高い。

レディスマーケットの再構成

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)OLマーケット、ギャル、ミセスの各マーケットで、ファッションの地殻変動とも呼べる、大きな変化が起きている。
(2)OLマーケットでは、エレガンス系、フェミニン系が激減し、赤文字系エレガンスが失速。単品を主体とするコーディネートが拡大している。
(3)ギャルマーケットは、崩壊寸前。ヘアスタイルとメーキャップにだけギャルの名残を残したモード系カジュアルが主流になっている。
(4)ミセスマーケットの新たな主役は、40代、50代。美魔女も登場して、おしゃれマダムがファッション市場をけん引する。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

ファッションをアーカイブするということ(2)

京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部ファッションコース 専任講師 蘆田 裕史

 前回の原稿では、ヴィクトリア&アルバート美術館の収集ポリシーを紹介しながら、ファッションの美術館の意義について考えた。美術館・博物館が最も重要なアーカイブ施設であることは疑いようのない事実であろうが、ファッションの場合、大きなデメリットがあることは否めない。それは、作品に触ることができないということである。

■統計・資料

主要国の合繊主要4品種の需給動向

日本/韓国/台湾/アメリカ/中国/インドネシア/タイ/インド