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2012年3月1日
経営センサー3月号 2012 No.140

■経済・産業

中国第12 次5 カ年計画が示す環境問題解決への課題

財団法人地球環境戦略研究機関(IGES) 北京事務所 所長 小柳 秀明

【要点(Point)】
(1)中国は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などの公害問題から地球温暖化問題まで様々な環境問題の同時対応を迫られている。
(2)これまでは経済発展重視で環境対策は後手になり、資源節約や環境改善が思うように進まなかった。
(3)2006 年からの第11 次5 カ年計画で初めて環境と経済の発展を同等に重視する政策に転換し、省エネ・汚染対策分野で成果を上げた。
(4)2011 年からの第12 次5 カ年計画では、さらに省エネ・汚染物質排出削減、気候変動分野等での対策強化を打ち出した。

■産業技術

震災後の原発の長期停止による電力逼迫(ひっぱく)の見通しと取るべき対策 ―長期的な電力危機に求められる電力システム改革―

アーサー・D ・リトル(ジャパン)株式会社 シニアコンサルタント 三宅 成也

【要点(Point)】
(1)2011 年夏、関東では電力使用制限令により最大電力が18% も抑制され、市民生活、経済活動に大きな制約をもたらした。しかし、実際に電力抑制が必要であったのはわずか71 時間程度であり、一律の電力制限令に対する課題が浮き彫りとなった。
(2)今後、原子力発電所の再起動が実現しない場合、西日本側を含めて全国で電力使用制限令が発令される可能性が高く、その影響が懸念される。また、原子力発電所が40 年廃炉で新規建設が当面見込めない場合、今後20 年間で火力発電所45 基分もの供給力不足が生じるため、電力需給対策は日本における長期課題となってしまう可能性が高い。
(3)これを乗り越えるに当たり、火力発電所の増設や再生可能エネルギーの活用のみでは対応しきれず、東西系統連系の強化による西高東低の需給緩和に加えて、スマートメーター導入によるピーク需要抑制といったスマートグリッド技術を活用するなど、新たな電力システムの構築が望まれる。

■視点・論点

ユーロ問題─危機克服には、財政統合も

高橋 健治 常務理事

ユーロ誕生時は経済よりも政治を優先 欧州金融市場は、本年1月中旬以降、落ち着きを取り戻している。欧州中央銀行(ECB)が金融機関に対する資金供給を行ったからである。これによって、資本増強に難渋していた金融機関は、ひとまず危機的状況を脱したかに見える。しかし、これでユーロ問題が解決されたわけではない。あくまでも時間稼ぎ的な方策であり、長期的にユーロ危機が収まり、加盟各国が経済活力を取り戻すと考えるのは早計である。では、ユーロ危機を克服するにはどのような方策が必要なのか。

PDF : 詳細(PDF:951KB)

■環境・エネルギー

環境大臣賞受賞で加速する改造EV の産業化

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)改造EV が環境大臣賞を受賞。温暖化防止への努力が認められた。
(2)改造キットもますます充実し、半日でナンバー取得が可能になった。
(3)改造EV の産業化により、CO2 の削減とともに、地方経済の活性化に期待がかかる。

■アジア・新興国

中華人民共和国国家統計局の統計データの活用 ―繊維・アパレル企業のケースを中心として―

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)中華人民共和国国家統計局が毎年発表する統計データは、企業が出店戦略などの仮説を立てる上で大変有用である。ただし、フランス一国よりも人口が多い省が4 分の1 以上もあり、実ビジネスに際しては省単位一くくりでなく、さらに細分化したエリアマーケティングが必要である。
(2)可処分所得が高い地区は消費支出も高い傾向にあるが、年間貯蓄額とその増加率は必ずしも連動しない。
(3)消費支出の全国平均の内訳で比率が最も高いのは食料。被服および履物は4 番目でその地区別の消費傾向には三つの特徴が見られる。
(4)収入ランク別の消費支出のデータは、ターゲット市場の規模、購買力そして将来の市場動向に関して大きなヒントを与えてくれる。

 

アジア新興国シリーズ(第4回) 注目されるインドネシア経済 ―背景と最近の動向―

独立行政法人 日本貿易振興機構 アジア経済研究所 開発研究センター 金融・財政研究グループ 主任研究員 濱田 美紀

【要点(Point)】
(1)2011 年のGDP 成長率は6.5%と引き続き順調な経済成長。世界第4 位の2 億4 千万人が内需をけん引し、投資も増えてきている。
(2)豊富な天然資源に恵まれ、石炭・パーム油など石油・ガス以外の天然資源の輸出も国際価格の上昇により堅調。
(3)道路、空港、港湾、発電所などのインフラ整備の遅れが経済成長の大きな障害であり、喫緊の課題である。

■ワーク・ライフ・バランス

シゴトダイエットについて ―パナソニック(株)エコソリューションズ社の取り組み―

パナソニック株式会社 エコソリューションズ社 シゴトダイエット推進室 山下 光章

【要点(Point)】
(1)パナソニック株式会社 エコソリューションズ社では、その前身であるパナソニック電工時代の2008 年度よりシゴトダイエット活動を実施してきました。
(2)シゴトを見直し、ムダを省くことで時間を創出、その時間を新しいシゴトや自身のワークライフバランスなどに向けていこうというシゴトダイエット活動は、2012 年1 月のパナソニックグループ再編以後も旧パナソニック電工が主体となったドメイン会社・エコソリューションズ社において活動を継続しています。
(3)本稿では主に旧パナソニック電工でのシゴトダイエット活動(2008~2010 年度)について述べています。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「レアアース」「メガソーラー」

■お薦め名著

『世界経済の三賢人』 ―苦しい時こそ安きに流れてはいけない―

チャールズ・R ・モリス 著 有賀 裕子 訳

■ズーム・アイ

次のオリンピック・イヤーの頃には一体何が…?

岩谷 俊之 産業技術調査部

毎回本欄で海外出張ネタを書いている私ですが、そんな私が初めて欧州に出張したのは2007年秋の話。その後もなぜか欧州への出張が続き、昨年11月には通算6回めの欧州出張に行ってきました。

■今月のピックアップちゃーと

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