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2014年4月1日
出口戦略

異例の金融緩和策の撤収には、難しいかじ取りが求められる

 リーマンショック以降、世界的な金融危機が深まる中で、各国政府は大規模な景気対策 や大胆な金融緩和策を打ち出してきました。大がかりな財政出動を伴う、こうした臨時、 異例の政策を今後、経済に悪影響を与えずに撤収させていくための戦略のことを出口戦略 と呼んでいます。  出口戦略は困難を伴います。景気がしっかり回復する前に異例な金融緩和策を縮小すれ ば、景気の底割れを招く恐れがあります。一方、異例の対策を長く続けると財政赤字が膨 張し、インフレ懸念に火がつきかねません。双方のリスクに配慮しながら、適切なタイミ ングで対策を切り替えていく必要があるのです。  米国では連邦準備制度理事会(FRB)が、2012 年 9 月以降、「量的金融緩和第 3 弾」(QE3: Quantitative Easing 3)と呼ばれる量的緩和政策が採られており、米景気が回復に向かう 中で、その出口戦略として量的緩和策がいつどのようなペースで縮小されるのかに注目が 集まっていました。こうしたなか、FRB は 2013 年 12 月 18 日開催の連邦公開市場委員会 (FOMC)で、量的緩和策の規模を 2014 年 1 月から 11 月まで約 1 年かけて緩やかに縮小 していくことを決め、現在それが実行に移されています。  FRB が強引に量的緩和縮小(米国債等の買い入れ額の縮小)を進めれば、長期金利の上 昇圧力を生み、米景気にブレーキがかかるほか、市場関係者のリスク回避姿勢が強まり、 新興国からの資金流出が進み金融市場の混乱を招いたりする恐れがあります。  日本経済も、日本銀行が 2013 年 4 月に開始した「異次元緩和」の出口戦略をどうするか という大きな課題を抱えています。景気が回復し、消費者物価上昇率が目標の 2%程度で定 着するメドがついた時の段階的撤退に向けて、難しいかじ取りを迫られることが予想され ます。

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