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2012年4月1日
繊維トレンド3・4月号 2012 No.93

■特別レポート

日本繊維産業連盟 役員総会について

繊維調査部

 日本繊維産業連盟は、平成24年の年次役員総会を開いた。その中で、下村会長は平成24年度活動方針として7 項目を挙げ、「繊維ビジョンの基本方針をベースに内外の事業環境を踏まえ、会員相互の信頼関係をより強化しながら『工商一体のトータルインダストリー』として、足元の改革に積極的に取り組む」と表明した。

■ファイバー/テキスタイル

北陸座談会 -石川産地の景況実態と2012 年度見通し-

出席者: 一村産業株式会社 代表取締役社長 石井 銀二郎 氏 カジレーネ株式会社 代表取締役社長 梶 政隆 氏 創和テキスタイル株式会社 代表取締役社長 藤井 寛三 氏 蝶理株式会社北陸支店 支店長 坂田 年男 氏  丸井織物株式会社 代表取締役社長 宮本 徹 氏 司会:東レ経営研究所 繊維調査部長 寒川 雅彦

 北陸テキスタイル産地は、リーマンショック後、スポーツ・アウトドア分野を中心に、好調を維持する細番高密度織物や、ユニホーム用途に支えられて、2007 年比8 割程度まで回復している。しかし、最終製品安・デフレ傾向を払拭できず不調を続ける国内衣料品市場に加えて、急激な円高の継続と、欧米市場のかげりなどから、どの業種・業態もますますモノづくりが難しい局面になっている。  今回は、企業防衛的対策だけではなく、中国、台湾、韓国などとの国際競争という面から、国際競争力のある新技術の芽、新分野の新たな需要開拓、国際分業的なビジネススキームの構築等、産地として取り組んでいくべき方向性について、北陸産地のキーマンの方々に論じていただいた。

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2011年の世界の化繊生産動向

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主任部員 戸円 真弓

【要点(Point)】
(1)2011 年の世界の主要繊維生産(推定)は7,693 万トンで、史上最高を更新。
(2)化繊生産は前年比9% 増の4,888 万トンと、2009 年以降3 年連続で増加した。
(3)主要国・地域別では、中国が14% 増と大幅に増加し、「独り勝ち」が続いている。

メディカルテキスタイルの開発動向

テキスタイルジャーナリスト 米長 粲 東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)繊維材料の医療用途への展開は健康と福祉社会への普及を背景に、その需要はますます増加している。
(2)これまでは、病院医療資材がその需要の中心であり、さらに人工臓器での繊維素材の使用が普及し、特に人工腎臓のための血液淨化装置用に中空糸膜が普及している。
(3)最近の欧米における開発は、再生医療や遠隔医療等への対応に重点が移っている。
(4)メデイカルテキスタイルの開発推進のためには、異業種・産学官等の連携体制が極めて重要である。

ミラノのFilo が発信する2013年春夏の糸素材のトレンドを見る

株式会社インテグレード 代表取締役社長 繊維月刊誌『Twist』(World Textile Publication Ltd. 発行) 在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)イタリア ミラノで開催された2013 年春夏用糸素材展Filo は、ギリシャ国債問題に端を発したEU の金融問題が、イタリア経済全体にも波及しているものの、その深刻さを感じさせない活気のあるものであった。
(2)この春夏の傾向をそのまま引き継ぎ、軽くエアリーで半透明な糸が主流で、綿やシルクや麻をビスコースやポリエステルとうまくブレンドすることで糸の強度や特質を効果的に組み合わせている。
(3)色調は、グリーン、ブルー、ピンク、イエロー等パステルが主流だが、これを生成りやグレーで中和することでむしろ生地の表面効果をスラブやスペースダイ等のファンシータイプの糸で表現する方向である。
(4)展示会場では、原料や生産体制が「サステナブル」であることが強調されているが、バイヤーの反応はもうひとつはっきりしない。
(5)今後ますます厳しくなるグローバル市場では、色・柄を含めて日本の文化の持つセンスで勝負することも考えたい。

■縫製/アパレル

成長が続くカンボジアの縫製産業 -国際環境、政策、企業行動のシナジー効果-

日本貿易振興機構アジア経済研究所 貧困削減・社会開発研究グループ 明日山 陽子

【要点(Point)】
(1)1990 年代半ばから外資主導で発展したカンボジアの輸出向け縫製産業は、カンボジア経済の高成長を支え貧困削減に貢献する重要産業である。
(2)縫製産業成長の要因として、国際貿易・投資環境、外資にフレンドリーかつ労使双方に配慮した政策、企業による生産性向上が挙げられる。
(3)賃金上昇圧力はあるが、国際貿易・投資環境を追い風に、企業の生産性・付加価値向上努力や産業団体のサポートで、さらなる発展が予想される。

イタリア産地から見たファストファッションの東南アジア製造工程 

信州大学 名誉教授  繊維学部 創造工学系 (同大学院工学系研究科)特任教授 大谷 毅

【要点(Point)】
(1)ファストファッション事業のスキームは、目下のところ、異業種・多店舗、多種製品・大量製造・多頻度迅速配送・量販という条件を充足する製造小売業の体系として説明できると考える。
(2)この体系はライン関係を基本に、統合データベースを使って、集権的にマネジメントする。
(3)ただし、サプライヤーの裁量枠や、店員の主体性依存などslack を設定し硬直化(逆機能)を防止する。
(4)店舗の販売実態に合わせた商品割り当てを起点に全体系を運用する。TOC(制約理論)的でもJIT(Just in Time)的でもある。
(5)ファストファッションとの取引は本体系への参入を意味し、イタリアの某産地業者は設計提案の差別性に訴求する。

PDF : 詳細(PDF:836KB)

中国展示会ビジネス成功の秘訣 

事業開発研究所株式会社 代表取締役 島田 浩司

展示会に限らず、ビジネス成功の秘訣は、準備にある。準備段階で、事業全体のフローを作り、スケジュールを作成する。後は、スケジュール通り、実行するだけである。そこで、大切なのが、業務フロー作成。フローに漏れがあると、良い結果が出ない。 弊社は、2004 年から、中国の展示会事業に関わり、出展を含め、30 回以上の経験があり、実践に基づいた業務をお伝えする。

■小売/消費市場

“王莉” のため、地域のための天津ロッテ百貨店

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)ロッテショッピング株式会社にとって中国は最重要視している海外市場。天津にある中国初の独資のロッテ百貨店は、グループ全体の企業戦略的な意味において大きな責務を担っている。
(2)ペルソナマーケティングを導入した天津のロッテ百貨店。ターゲットは“王莉” という名前の80 后の女性。
(3)天津のロッテ百貨店の特徴を、4P(Product、Place、Promotion、Price)+People の5P の側面から考察。

UNIQLO・イン・ニューヨーク

英字ファッション情報誌 「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」 シニアエディター マヤ・カワムラ

【要点(Point)】
(1)2011 年11 月、ニューヨーク市内の繁華街の五番街とヘラルドスクエアにユニクロ ニューヨーク店の第2号と第3号店が同時にオープン。ブルームバーグ市長も駆け付け、マスコミも集まり、にぎやかなイベントとなった。
(2)ギャップ社や、インディテックス・グループ(Inditex Group)社等、競争が激化する米小売産業だが、ファーストリテイリング社の他社買収計画は、米アパレル産業関係者の関心事である。
(3)ニューヨーク市もファッション都市としてますますの発展向上のため、新たな地域開発も行い努力を惜しまない。
(4)2006 年から開始された観光キャンペーンの成果として一層発展しているニューヨーク観光業は小売業界全体の向上にプラスになると予想される。

ガールズマーケット分析

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

事業開発研究所株式会社 代表取締役 島田 浩司

 上海を訪れた日本人が必ず言うことがある。その1 つは、「こんなにスターバックスがあると思わなかった」であり、もう1 つは、「1 杯25 元~30 元のスタバのコーヒーをこんなにたくさんの人が飲んでいる」である。

【要点(Point)】
(1)ガールズマーケットの市場規模は、およそ7,000 億円(婦人服小売業5 兆1,690 億円に占めるF1 層(20~34 歳)の割合は18.28%、F1 層の中で旬のトレンドに反応する層は67%として算出)。
(2)ガールズマーケットが一般的に認識されるようになったのは2009 年。従来のターゲット分類の枠組みを超えた、新しいマーケットが活性化している。
(3)ガールズたちが服や服飾小物を購入するのは、圧倒的にファッションビルや駅ビル。ガールズブランドを集積した百貨店の売り場も増えてきている。
(4)F1 層は今後20 年間で現在のおよそ75%に縮小する。グローバル戦略とエージフリーのガールズ感覚が、今後のガールズマーケットに必須となる。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

経済センサス

日本化学繊維協会 理事 杉原 克

この2 月に「経済センサス」の調査が開始された。「経済センサス」はいわば「経済の国勢調査」。国勢調査は、日本に住んでいるすべての人や世帯を対象としているのに対し、経済センサスでは、日本に所在するすべての企業・事業所を調査対象としている。日本では初めての試みである。

■統計・資料

主要商品市況

1. 原油  2. ナフサ  3. PTA  4. EG  5. カプロラクタム  6. アクリロニトリル  7. ナイロンフィラメント、同織物 8. ポリエステルフィラメント、同織物  9. ポリエステルステープル  10. アクリルステープル、同紡績糸  11. 綿花 12. ポリエステル綿混(T/C)紡績糸および織物