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2019年4月16日
経営センサー4月号 2019 No.211

■今月のピックアップちゃーと

自動運転の技術開発でリードするグーグル 追うGM ~各社しのぎを削る自動運転開発~

産業経済調査チーム

■産業経済

原油価格は2020年代に供給不足から上昇する恐れも ―シェールオイルの動向と原油市場の中期展望―

産業経済調査部 シニアエコノミスト 福田 佳之

Point
(1)2019年の原油価格(WTI)は上昇リスクと低下リスクがおおむね釣り合って1バレル50ドル台で推移する。2020年には油価の上昇圧力がやや強まり、原油価格は同50ドル台後半から60ドル台前半まで切り上がってボックス圏での推移となるだろう。
(2)現在、開発企業の油田開発投資は数年前に比べて低下しており、中期的には原油供給が低下するリスクがある。その背景に世界各国での再生可能エネルギーの普及など脱化石燃料への取り組みがある。
(3)中期的な原油供給の不足分について従来油田の開発投資の復活に期待することなく、シェールオイルの増産で賄うという見方がある。国際機関等の中長期のエネルギー見通しによると、2020年代後半以降にはシェールオイルの大幅な生産増加は望めないため、シェールオイルの増産に頼ることは厳しいものがある。
(4)次にパリ協定の履行を通じた環境規制の強化で原油需要が低下するという見方がある。同エネルギー見通しでは2040年以降ならともかく2020年代には原油需要のピークとその低下は来ない。脱化石燃料へのエネルギー転換を着実に進めるためには、やはり石油メジャーなどによる従来油田への開発投資の復活が不可欠である。

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■世界情勢

中南米経済は緩やかな回復へ ―米中通商摩擦の影響は限定的、新興企業に投資機会―

公益財団法人 国際金融情報センター 中南米部長 桑原 小百合

Point
(1)2019年は、ブラジルを中心とする緩やかな景気回復が見込まれる。
(2)米中通商摩擦の中南米経済への影響は主に一次産品市況やコンフィデンスを通じた間接的なものである。
(3)中南米での事業展開においては、比較優位のある分野の開拓や輸出多様化に関する助言や投資を行っていくことが新たな選択肢となろう。

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■視点・論点

VUCAの時代、ますます本質が問われている

株式会社リーダーシップコンサルティング 代表 元スターバックスコーヒージャパン株式会社 CEO 岩田 松雄

企業は何のためにあるのか ビジネススクールでは、企業は株主のものであり、経営者の使命は「株主価値を高めること」だと教えられます。確かに利益は重要です。しかし、私は企業の目的は、それぞれのミッションを通じて「事業を通じて、世の中を良くしていくこと」だと考えています。利益は、そのミッションを実現するための手段であり、株主もさまざまなステークホルダーの一部にしか過ぎません。いくら世の中に良いことをしていても、利益が上がらなければ、存続することができません。人を雇ったり、工場を作ったり、研究開発など将来への投資ができません。そのために利益は必要なのです。ミッションとは、その企業の「存在理由」のことです。

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■マネジメント

企業による地域活性化 ―愛媛県西条市の事例からの考察―

青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 教授 宮副 謙司

Point
(1)さまざまな業種の全国的な企業と地域の有力企業がともに事業展開する愛媛県西条市では、その両方のタイプの企業による地域活性化の取り組みを事例として見ることができる。
(2)企業の地域活性化の取り組みについて、マーケティング論の「製品の階層概念」を適用し事例を整理すると、製品のコア(基本コンセプト)、形態(差別化や特徴づけ)、付随機能(サービスや使い方のソフト)に沿って整理でき、取り組みの特徴が明らかになった。
(3)企業による地域活性化とは、本業以外の文化・社会貢献として特別に取り組むことではなく、本業に取り組むことで地域活性化につながることが多くあるということである。

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社史を読めば、会社の未来が見える(前編) ―『東レ90年史』編纂を終えて―

東レ(株)社友 斉藤 典彦

Point
(1)東レの社史編纂に携わった筆者が、社史の読み方を前後編で紹介する。社史を読めば、その会社がさまざまな時代背景のもとに体験した出来事の記録や成果の記述を通じて、経営風土や企業文化を読み取ることができ、将来の経営行動を予測することさえも可能となる。
(2)東レは、創立90周年記念事業として『東レ90年史』を発行した。発行の主目的はブランディングであり、中でも社員への教育研修効果を注視し、ダイジェスト版の小史『未来を紡ぐ』、またその英語と中国語の翻訳版も制作し、国内外の東レグループ社員へ配布した。
(3)前編では、東レ90年史編纂の目的、社内体制、読んでもらう工夫、執筆方針、社史に筆者が込めた想い、新たに明らかにした東レ設立前夜の新事実を披露する。また、東レ100年史編纂に向けたアーカイブ構築、OBなどによる記録や証言の重要性について言及した。

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■ヒューマン・ディベロップメント

女性の職務格差 ―女性活躍を阻む要因とは―

聖心女子大学 教授 キャリアセンター長 大槻 奈巳

Point
(1)女性がなぜ仕事を辞めるのか、なぜ管理職になっていないのか、その要因を女性が育児や家事を担うことに求めるのが家族重視モデル、職場のあり方にその要因を求めるのが職場重視モデルである。女性が「活躍」できない要因を職場重視モデルから、つまり、仕事や職場のあり方自体からもっと考えることが必要である。
(2)「女性の特性を活かす」は要注意である。多くの職場では男性が過半数を占め、男性が標準になっている。この状況で「女性の特性を活かした」仕事として女性に割り当てられる仕事は中核的な仕事ではなく、仕事から得られる知識やスキルは相対的に少ない状況が起きる。
(3)職場で今まで前提としてきたこと~「男性でないとなじまない」「営業は10年やって一人前」「女性は狭く深く行う職務が向いている」という前提を問い直す必要がある。
(4)管理職志向の女性が少ない理由を女性自身に求めるのではなく、職場や仕事の状況が女性の管理職志向を育むものになっているのか、女性が仕事を続けていきたいと思うものであるかを、今一度考える必要がある。人々の管理職志向は置かれている状況に影響されるものであり、「女性が管理職になりたがらないから仕方ない」というのは、女性をきちんと育成していないことを認識していない表れである。組織の責任として、だれもが「将来」を踏まえた管理職志向を持てるようにする必要があろう。

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スポーツチームのリーダーシップと人的マネジメント

株式会社オプト・スポーツ・インターナショナル 代表取締役 産業能率大学 教授 西野 努

Point
「チームスポーツで起きる現象は、会社組織でのマネジメントに対するメタファーとして使われる。ここでは、スポーツチームで起こっている現象を、次の3点から筆者なりの視点で分析し、会社組織での経営やマネジメントに活かせる要素を抽出していく。
(1)監督によるビジョン設定と目標設定
(2)戦略・戦術への落とし込み
(3)チーム内でのコミュニケーション

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■ちょっと教えて!現代のキーワード

「スマホ決済」 「中国製造2025」

産業経済調査部門

■お薦め名著

『「タレント」の時代』 ─世界で勝ち続ける企業の人材戦略論─

酒井 崇男 著

■ズーム・アイ

おもてなしと過剰サービスの境界線

ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 永池 明日香

私は、海外旅行が好きで、夫と毎年行くようにしています。もちろん、国内旅行も好きなのですが、海外に行くと、日本とはまた違う生活や文化を体験することができるとともに、あらためて日本の良さに気が付くことが多いです。