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2011年10月3日
サプライチェーン

東日本大震災を機に供給体制の強化が課題に

   原材料や部品の調達から製造、流通、販売を経て最終消費者にいたるまでの一連のプロ セス(供給体制)のことです。このサプライチェーンを統合的に管理する経営手法は、サ プライチェーンマネジメント(SCM)と呼ばれています。  完成品メーカーは、各地に点在する部品メーカーや素材メーカーなどのサプライヤーか ら適切なタイミングで部材を調達するネットワークを構築しており、例えば自動車では1 台に使われる部品が 3 万点近くにのぼるため、その裾野は広く、多数の企業が鎖のように つながって関与しています。たった1つの部品や素材の供給が途絶えるだけでも、自動車 部品や完成車のメーカーが操業できなくなる危険性があります。  2011 年 3 月 11 日に起こった東日本大震災では、高い世界シェアを持つ部品・素材メー カーの工場が多数被災したために、幅広い業種で部品や原材料のサプライチェーンが寸断 され、国内外で多くの製品の生産が滞る事態が発生しました。  部品、素材といった中間財分野における日本のものづくりの強さが、東日本大震災によ って再認識された形です。しかし、近年は中間財でも韓国、中国などアジア企業が競争力 をつけてきています(図参照)。  日本企業が強い現場力を発揮したおかげで、震災で寸断されたサプライチェーンは速や かに復旧されつつあります。しかし、震災を機に災害対策やリスク分散の意識が高まり、 世界のメーカーが日本製部材に過度に依存することに不安を感じ、部材の発注の一部をア ジア企業等に切り替える可能性が懸念されます。日本の製造業の競争力維持のためには、 サプライチェーンの強化が重要な課題となっています。

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