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2019年10月29日
原油市場は2020年代に供給不足に陥る可能性も
―シェールオイルの動向と原油需給の中期展望―
チーフエコノミスト
福田 佳之

・2019年の原油価格(WTI)は1バレル50ドル台で推移している。では、2020年代において原油需給はどのように変化し、原油価格はどのように動くのだろうか。 ・2014年以降、石油会社は石油資源の開発投資を削減しており、現時点でも開発投資のレベルは高くない。このままでは原油市場は中期的に供給不足に陥る恐れがあると指摘されている。 ・2020年代もシェールオイルなど非従来原油の増産が続くのではないかとみる向きもある。だが、国際機関等の中長期のエネルギー見通しによると、2020年代後半以降についてはシェールオイルの生産の大幅増加が見込めないため、不足分すべてをシェールオイルの増産に頼ることは厳しいものがある。 ・次にパリ協定の履行を通じた環境規制の強化で原油需要が低下するという見方がある。これも国際機関の中長期エネルギー見通しから2040年以降ならともかく2020年代では原油需要のピークとその低下は来ないとしている。 ・再生可能エネルギー転換など脱化石燃料の動きを着実に進めるためにはやはり石油メジャーなどによる従来油田への開発投資の復活が不可欠である。

【キーワード】

シェールオイル、石油輸出国機構(OPEC)、国際エネルギー機関(IEA)、米国エネルギー情報局(EIA)、パリ協定、脱化石燃料の動き、新政策シナリオ、持続可能発展シナリオ、原油需要のピーク

PDF : TBR産業経済の論点 No.19-05(449K)