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2011年9月1日
「団塊の世代」その華麗なる老後

 間もなく、2012年問題がやってきます。団塊の世代の60歳定年退職から、当初は2007年問題と言われましたが、政府からの雇用延長の指導の結果、5年間問題が先送りにされたものです。  団塊の世代は、1947年から1949年の3年間に生まれた世代806万人を指します。平均269万人です。昨年の新生児は107万人、日本の人口1億28百万人を平均寿命の83歳で割って154万人/年ですから、その数の多さは際立っています。  団塊の世代の特徴はなんといっても、凄まじいまでの集団としてのパワーと競争の激しさでしょう。 団塊の世代が人生の節目を迎える度に、さまざまなブームや騒動が起きました。例えば、進学競争、学生運動、高度成長、乗用車ブーム、第2次ベビーブーム、住宅ブーム、バブルの発生・崩壊、年功序列・終身雇用の崩壊、これからの年金基金問題等々、国全体を揺り動かしてきました。要するに、団塊の世代は日本を動かす力を持っているのです。  ただし、マスコミに踊らされたという側面もあるでしょうが、この世代の方は、人数が多いものですから目立ちたい、自己主張したいと思い、時代に取り残されまいと競って流行を取り入れた、どちらかというと付和雷同的、同質的な世代といえるでしょう。  話は変わりますが、現在の日本は多くの面で危機的状態にあります。選挙しか頭にない、問題先送りの政治家がのさばり、組織優先の官僚が増殖し、競争よりも安定志向の企業が多いことから、失われた20年が30年になってしまいそうです。現在の日本は、封建時代とさほど変わっておらず、「ムラ社会」重視で一所懸命、そして政(マツリゴト)はお上にお任せという状況が続いているようです。日本人の体質なのかもしれませんが、ここら辺りで「国のかたち」を変えなければ三流国に墜ちてしまいます。  そこで、数に勝る団塊の世代に「国のかたち」を変えるオピニオンリーダーになってもらい、まず、毎年のように首相が入れ替わるような今の政治を変えてもらいたいと考えています。こうしたことができるのは若い世代ではなくて、団塊の世代しかいないでしょう。  なぜなら、団塊の世代は経験も見識もあり、2012年以降はじっくりと日本の将来を考える時間的余裕もあります。思慮深い年長者の意見は若い世代にも受け入れられるでしょう。何にもまして、民主主義の原則は多数決です。この局面で、これまで日本の社会を揺り動かしてきた自らのパワーを意識的に行使していただきたいのです。  政治がしっかりすれば、次は経済です。今の日本の問題は輸出の伸び悩みではなく、内需の低迷です。 さらに人口減少や社会の成熟化から、需要不足が深刻化します。定年退職後は西郷隆盛の「児孫のために美田を買わず」、江戸っ子の「宵越しの金は持たない」の発想で、財産が残りそうなら生きている間に使い切っちゃいましょう。大いに老後をエンジョイし、国内需要を盛り上げましょう。憂国の思いに端を発するその尊い姿は、団塊の世代の前の世代、続く世代の強い共感を呼ぶに違いありません。  これから日本を背負って立つ、ちょっと甘えの目立つ若い世代も相続する財産がなくなれば、自らの生活の糧を自分で稼がなければならなくなりますから、必死になって知恵を出して新たな商品やサービスの開発に取り組むようになると考えられます。  高齢者も若い世代も共にwin・win、あるいはhappy・happy になって日本はよくなると思いますが、いかがなものでしょう。