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2007年2月1日
経営センサー1・2月号 2007 No.89

新年の挨拶 -徹底的に考え抜こう-

佐々木 常夫 代表取締役社長

 新年あけましておめでとうございます。  新春にあたり所感の一端を述べご挨拶とさせていただきます。 《女子駅伝で資生堂が念願の初優勝だが》  昨年末12月17日開催の全国実業団女子駅伝では史上まれに見る接戦の末、4連覇を狙った三井住友海上を資生堂が押さえ初優勝を飾った。このレースで1区5位スタートの資生堂は首位の三井住友を追走し、最終6区のアンカー勝負となった。資生堂はベテラン弘山晴美で38歳、対する三井住友は3月まで高校生だった19歳の大崎千聖だが両者相譲らず、最後まで併走を続け、ゴール前の競技場で弘山は逆転に成功した。2人の併走の場面を各チームの走り終えた選手がテレビの画面を食い入るように見つめたり、目をつぶって祈る姿が映し出され、ゴールした時の資生堂の選手たちがぼろぼろ涙する姿を見て、久しぶりに大きな感動を味わった。

イノベーションは人材で決まる -ダイバーシティが決め手-

日本アイ・ビー・エム株式会社 取締役専務執行役員 内永 ゆか子氏 佐々木 常夫 代表取締役社長

《開発製造担当は広い守備範囲、社内が競争相手》 佐々木 : ご多忙中にもかかわらず、お時間を頂戴しありがとうございます。本日は企業の開発戦略、女性の活用、ワークライフバランスなどを中心にお話をうかがいたいと存じます。まず、お仕事の内容についてお聞かせください。 内 永 : 現在、取締役専務執行役員開発製造担当という肩書です。IBMの研究開発(R&D)といいますと、基礎研究所、ハードウェアの研究所、ソフトウェアの開発研究所、それからテクノロジー、製造系とあります。日本にはハードウェアとソフトウェアの基礎研究、開発、エンジニアリングサービス等を専門とするエンジニアが働いています。私はその組織のリーダーです。 

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■経済・産業

中国企業の海外進出と国際競争力 -日・中・アジア工程分業ネットワーク構築は可能か-

九州大学大学院経済学研究院教授 永池 克明

【要点(Point)】
(1)多国籍企業の活動拠点は今や、世界中に拡大し、研究開発・設計・調達・生産・物流・サービス・ファイナンスといった一連のビジネス・プロセスにおける機能はそれぞれ世界の最適地に立地されつつある。
(2)東アジア各国はその機能別リンケージに参加すべく、国際的なコンピタンスを磨き、より高度な機能を分担しようと競争力の向上に努力している。本稿は、今後、各国がどのような機能分担ができるのかにつき、最も注目される中国企業の競争力を中心に分析し、リンケージ形成の可能性を論じた。

2007年日本経済を読み解く10のキーワード -この底流変化を見逃すな-

増田 貴司 産業経済調査部長 チーフ・エコノミスト

【要点(Point)】
(1)本稿では、2007年の日本経済を読み解く上で重要と思われるキーワードを、筆者なりに10個選定し、解説してみたい。
(2)キーワードの選定に当たっては、マクロ景気動向に関する用語に偏ることなく、経済社会の広範なテーマに目を向け、今その底流で起こっている構造変化や質的変化を的確にとらえることに留意した。
(3)2007年の10のキーワードを列挙すると、以下のとおりである。
(1) IT関連の在庫 (2) 人手不足経済 (3) 非正規社員の地位向上 (4) 三角合併
(5) バイオエタノール燃料対応車 (6) CGM(消費者作成メディア) (7) 品質改善
(8) 社員旅行、社内運動会 (9) ソフトパワー (10) 理科離れ、工学部離れ

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Jマインド・イノベーションで21世紀型新規事業の創造を -カギ握る変革時代のニッポン技術者の心性転換-

飯田 汎 特別研究員 放送大学客員教授

 何事も一般化しすぎるのは危険だし、偏見も多分にあるだろうことは承知の上で、最近の若者(特に大学生)について筆者が感ずるところを述べてみたい。 《自分の「可能性の幅」を広げよう》   「自己実現」や「やりがい」を求めてさまよい歩く若者がいる。歩ければまだいいほうで、「自分らしさ」や「天職探し」ばかりしていて、一歩も前に踏み出せない若者たちもいる。彼らは、「これしかない……自分探し」で土壷(どつぼ)にはまり、ニッチもサッチもいかなくなっている。

【要点(Point)】
(1)「日本の歴史こそが20世紀の世界の歴史であり、21世紀の世界の秩序作りに貢献する国日本」と語る『ドラッカーの遺言』は、現代ニッポン人に大義と使命を与えてくれる。
(2)昭和の15年戦争を黒船来航以降の明治・大正パラダイムの終着点と理解し、敗戦の結果を考察、日本人の負の心性(-Jマインド)を摘出し、その性格付けを行った。
(3)21世紀のモノづくり大国ニッポンの進路は、環境課題主導の「“文・知・環”融合型社会」の創生にあり、ここをより所にしたビジネスモデルの創出をトリガーとして、ニッポンの心を重視した“Jマインド・イノベーション”を誘発させることである。
(4)イノベーションの誘発には、これまでの論理的な分析力優先の取り組みに加えて、優れた直感力を重視した仮説設定に基づく構想力が不可欠となり、また革新的な成果を事業に繋げるうえで“パラダイム破壊型イノベーション”の実現が必要となる。
(5)社会の変革を阻む要因、負の心性「-Jマインド」である縦型組織の弊害ともいえる「文系・理系の壁」を超克つし、文理一体になっての精神理念の変革(本質把握力、他者への感受性、先頭に立つ勇気など)に取り組み、理科離れと起業率低迷からの脱却を図ることが急務となっている。

■視点・論点

平成19年の干支 -丁亥の意義-

財団法人郷学研修所 安岡正篤記念館 理事長 安岡 正泰

《干支の意義》  毎年暮れになると翌年の干支についてよく話題となる。しかし、ほとんどの人は干の方はあまり取り上げないで、支の方に興味を示している。つまり、丑は牛、寅は虎、今年の亥は猪などになぞらえていう。おそらく漢民族が周代から漢代に入り農耕生活が定着。農民の生産活動に役立つ干支が普及するにつれて、干はやや難しく、支の方が分かりやすいと考えて、生活の身近な動物にあてはめるという知恵から生まれたものが今日まで伝承されてきたのであろう。

■マネジメント

中国現地法人における不正行為 -海外現地法人における内部統制整備の観点から-

望月コンサルティング(上海)有限公司董事長 公認会計士 望月 一央

【要点(Point)】
(1)日本において制度化されている内部統制の整備は基本的に日本国外の海外現地法人もその範囲に含むものである。
(2)中国における不正行為には組織内部の個人による不正と企業による法令違反としての組織としての不正が考えられる。
(3)海外現地法人における不正防止について不正検査を実施する際にはその財務諸表監査との相違を理解する必要がある。

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第1回)

宮木 宏尚 特別研究員 MOTチーフディレクター 東京農工大学大学院 技術経営研究科 非常勤講師

【要点(Point)】
(1)東レ経営研究所のMOT研修は、企業の開発リーダーが参加しやすく、実践的な知識とスキルを身につけることのできる研修を目指し、他の教育機関とは一味違った研修として、年2回開催して3年になる。
(2)目指す人材像は、「企画構想力」と「開発実行力」を併せ持つ人材であり、これに合わせてプログラムは、「技術マネジメント」「戦略的思考」「創造的思考」「プロジェクトマネジメント」「リーダーシップ」の五つのカテゴリーで構成されている。
(3)本研修では、この点に配慮したプログラム構成、講師陣をそろえ、研修生の声も聞きながら常にブラッシュアップを図るとともに、研修後も活用できる研修生同士のネットワーク作りにも努めている。

PDF : 詳細(PDF:388KB)

気付きから学びへ -東レ経営研究所 人材開発の現場から- 第五回 「気分爽快」とはいかない研修

竹内 伸一 特別研究員

 「受講者の笑顔で終わる研修もよいけれど、受講者の笑顔が曇る研修も悪くない」-本稿では筆者のそんな心境を書き出してみたい。  そもそも受講者は研修に何を期待しているのか。その答えは多様だろうが、受講者の多くは、研修が終わったそのときに、「今日はいい勉強になって、気分爽快だ」と実感したいのではないか。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「地上デジタル放送」 ・「国産旅客機」

■お薦め名著

『隠れた人材価値』 -内に秘められた真価をどれだけ引き出せるか!

チャールズ・オライリ-、ジェフリー・フェファー著 長谷川喜一郎監修・解説/廣田里子、有賀裕子訳

■ズーム・アイ

元気さん(3)上手 -にっこり、スッキリ、しっかり-

人材開発部門 渕野 康一

■今月のピックアップちゃーと

所得格差はホントに拡大しているの? ~低所得者層も高所得者層もともに所得は低下~