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2019年7月25日
経営センサー7・8月号 2019 No.214

■今月のピックアップちゃーと

ついに中国が韓国を追いこし金メダル数トップに ~国別に見た技能五輪の金メダル獲得数の推移~

産業経済調査チーム

■特別対談企画

感性のものづくり ―元NISSAN GT-Rプロジェクト責任者 水野和敏氏に聞く―

裕隆グループ 華創日本株式会社 代表取締役 最高執行責任者(COO) 華創車電社(台湾) 副社長 水野 和敏 氏 東レ経営研究所 企画管理部長 兼 経営センサー編集部長 日比野 淳一

バブル崩壊後、日本の製造業は商品のコモディティ化、価格の低下と戦ってきました。国内市場では、中国や東南アジアの台頭、市場席巻に悩まされ続けています。今回は、日産自動車時代にNISSANGT-Rを開発され、現在は台湾の裕隆グループの日本法人、華創日本株式会社で自動車開発に携われている水野和敏様を取材し、製品開発での付加価値の源泉についてお聞きしました。

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■産業経済

ESG経営と非財務情報の開示

東京理科大学大学院 経営学研究科 教授 宮永 雅好

Point
(1)ESG投資への潮流と2つのコードの導入によって、わが国の上場企業には、ESG経営とESG情報の開示、企業価値を高めるため株主との建設的な対話が求められている。
(2)本稿ではESG情報を含めた非財務情報を定義・分類し、さらにその開示レベルを定義し、日本と南アの優れた統合報告書について評価を行った。
(3)その結果、日本の優れた統合報告においても、南アフリカの優良な統合報告に比べて非財務情報が定量的に少なく、特に、リスクとガバナンスの情報が不足していることが分かった。
(4)これらを踏まえ、日本企業の経営者は、①非財務情報を将来の価値創造との関係で明確にする。②リスク、ガバナンス情報の開示は南アの事例を参考に改善する。③ESG課題とそれらの取り組みを経営戦略の中に組み込み、広義の企業価値創造に向けたストーリーを語る。という為すべき示唆を提示した。

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■技術・業界展望

気候関連財務情報開示・TCFDの可能性と方向性 ―さらに高い次元に進もうとしているグローバル企業の環境情報開示―

繊維・市場調査部 主席研究員 岩谷 俊之

Point
(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは、企業のGHG(温暖化ガス)削減貢献を可視化・定量化する新しい枠組み。このTCFDが注目されるのは、「自社製品のライフサイクルを通じて」「グローバルバリューチェーン全体を通じて」GHG削減貢献を評価するという新しい企業価値判断基準になり得るからである。
(2)従来、企業にとっての環境貢献活動は「余計なコストと手間がかかるが、やらないと評価が下がる」という性格が強かったが、TCFDでは自社製品の環境性能をより高め、それをより多く売るほどGHG削減貢献への寄与も高まるという期待が持てる。
(3)わが国では経済産業省や環境省など、どちらかというと官主導でTCFDの普及が進められてきたが、ここに来て日本企業のTCFD賛同表明ラッシュといえる状況が生じている。
(4)自社製品の環境性能や耐用年数といった要素がTCFDのGHG削減貢献定量化手法としてデファクト化すれば、わが国の環境技術の国際的地歩拡大にもつながる可能性が出てくる。

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■世界情勢

産油国が協調減産を継続 ―米中貿易協議は再開も米増産で需給はほぼ均衡―

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 調査部 主任研究員 芥田 知至

Point
(1)2019年6月にかけて米中貿易摩擦が再エスカレート、世界景気悪化や原油需要減少への懸念から原油相場は安値をつけた。
(2)米国は2018年5月にイラン核合意から離脱した後、イラン産原油の禁輸措置を再開・強化する一方、軍事的緊張も高まる。
(3)米中首脳会談での貿易協議再開合意、産油国会合での減産継続決定が強材料だが、米産油量増加が弱材料で、原油は上値の重い展開。

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■マネジメント

イノベーションとマーケティング ―ルイ・ヴィトンの事例から―

東京富士大学 学長・大学院研究科長 井原 久光

Point
(1)イノベーションには基幹的イノベーションと補完的イノベーションがある。基幹的イノベーションとは「馬車」と「鉄道」の関係のように代替的で主役が入れ替わる大きなイノベーションである。
(2)イノベーションはインフラやライフスタイルを変えるが、そのためには「鉄道」が「レール」「駅」「時計」を必要とするように補完的イノベーションも要る。この時代に、ルイ・ヴィトンは「蓋の平らな新しいモデル」を考案し「平型トランクの時代」を切り拓いた。
(3)イノベーションはしばしば主役の交代を強いるが、主役の座を明け渡さないでブランドを維持するには密かなイノベーションとマーケティング努力を続けなければならない。以上の3つのポイントを、ルイ・ヴィトンの事例から説明した。

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デジタル時代のリーダーシップ&コミュニケーション ―デジタルトランスフォーメーションにより、求められる能力やコミュニケーションはどのように変化するのか?―

EQパートナーズ株式会社 代表取締役社長 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(ビジネススクール) 教授 聖心女子大学 国際交流学科 非常勤講師 安部 哲也

Point
(1)デジタルトランスフォーメーションがビジネスに与える影響は?
(2)デジタル時代に求められる6つのリーダーシップ能力について
(3)デジタルネイティブ世代の特徴
(4)デジタル時代のデジタル+アナログコミュニケーションの重要性

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■ヒューマン・ディベロップメント

女性管理職育成の要件

株式会社ワークシフト研究所 CEO 代表取締役社長 小早川 優子

Point
(1)多くの女性は、「意欲が低い」のではなく、「自信がない」のである。
(2)代表的な「女性活躍のための施策」は、逆効果である施策が多い。
(3)「女性」でなく「マイノリティ」として対策が、今後の組織変革に有効である。
(4)制度はすでに整っている。意識変革こそ最大の関門である。
(5)女性管理職育成は、日本経済活性化のためにも重要である。

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■ちょっと教えて!現代のキーワード

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産業経済調査部門

■お薦め名著

『天才を殺す凡人』 ─職場の人間関係に悩む、すべての人へ─

北野 唯我 著

■ズーム・アイ

高齢ドライバーの運転免許証自主返納問題

ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 宮原 淳二

先日、実家の母親から電話があり、「お父さんが門扉に車をぶつけたのよ」と聞かされた。とても運転の上手な父親だったが、80代半ばという年齢もあり私自身大変ショックを受けた。最近、高齢ドライバーが幼児を死亡させる痛ましい事故が相次ぎ、今度はうちの父親の番かと思うと他人事ではない。今年4月に起きた東京・池袋の高齢ドライバーによる母子死亡事故後、SNS上では「高齢者の免許証を強制的にはく奪すべき」や「若い世代が高齢ドライバーの犠牲になる世の中であってはならない」等、書き込みはとても過激だ。内閣府の「平成29年交通安全白書」によると、75歳以上のドライバーによる死亡事故は、75歳未満のドライバーと比較して、免許人口10万人あたりの件数が2倍以上になっており、高齢ドライバーの免許証返納を求める声は日に日に高まっている。