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2006年1月1日
繊維トレンド1・2月号 2006 No.56

■特別レポート

中国進出の成功ポイントは現地化と関連機関とのコミュニケーション  -上海のファッション市場の現況と中国進出のポイント- 

上海市商業経済研究センター 上海市商業情報センター 副主任・教授 斎暁齋氏に聞く インタビュアー: 株式会社東レ経営研究所 代表取締役社長 佐々木常夫

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■海外動向

2005年の回顧と2006年の市況展望 -アジア主要国の合繊需給をよむ- 

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)中米・中欧繊維協定(包括合意)
・ 2005年1月1日のQUOTAFREEへの移行後、中国の繊維製品は予想通り欧米市場に殺到。直ちにアメリカは中国繊維品9品目についてセーフガードを発動(05年末まで)。06年~08年(3年間)については、中国が21品目について対米繊維輸出の伸び率を10~17%に自主規制。(米中繊維包括合意)
・ 欧州については、05年6月11日から07年末(2.5年間)まで、中国が10品目について、対欧繊維輸出の伸び率を8~12.5%に自主規制。(欧中繊維包括合意)
(2)中国は、対米貿易摩擦緩和を狙って、7月21日人民元を2%切り上げた。
(3)日本はマレーシア(5月)とタイ(9月)とのFTA締結に合意し、ようやく5カ国とのFTA交渉をまとめた。政治の指導力欠如が問題視されている。FTA交渉では、ACFTA(ASEANと中国の間の自由貿易協定)が注目されている。
(4)アジア主要国の合繊業界動向
・ 韓・台:欧米での合繊産業は80~90年代にすでに構造改革が行われ、いわゆるChemicalGiantsはすべて業界から姿を消したが、今、韓国で大規模な合繊業界再編が進んでいる。台湾でも業界再編・構造改革は避けて通れない。
・ 中国:「中国一人勝ち」の存在感は揺るぎないが、設備と生産の急拡大から、供給過剰感がある。欧米対中国の繊維品貿易摩擦問題は新しい段階に入った。
・ タイ:衣料用から産業用へのシフトが功を奏し、概ね好調に推移している。
・ インドネシア:エネルギーコスト高、RP安、人件費高のトリプルパンチに見舞われており、先行きに不安感がある。
・ インド:近年、中国に次ぐ存在感を示しているが、中国の繊維品が欧米で深刻な貿易摩擦を引き起こしているのに対し内需拡大・商品開発をキーワードとして、着実な拡大が続いている。
(5)市況展望
NY原油相場、ドバイ原油相場がそれぞれ60$、50$を挟み、高値水準が続く中、合繊値上げが複雑化している。ポリエステルファイバーを中心に、供給過剰感が表面化して久しく、今年も合繊市況は強気になれない展開が続く。より強い需給改善策が求められよう。

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中国出向者の中国税務取り扱い

税理士法人中央青山 マネージング・ディレクター 簗瀬 正人

China fashion week (中国国際時装周)2005年11月16~22日 流行与時尚講演会抄録  日中ファッションビジネスの現状と連携の可能性 

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

マルコ・ポーロ賞受賞記念論文 第4回 日本の市場は変わった -“欠乏社会”から“意味社会”へ- 

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)従来の大量生産、販売するというビジネスモデルにおけるモノづくりとは、モノの欠乏を満たす社会(“欠乏社会”)を対象としたものであり、そこには作れば売れる市場が存在した。
(2)アパレルの商品設計を行っているのはアパレル卸業、商社、小売などの流通業であって、その商品にはデザイナーや製造業者のこだわりが見えてこない。
(3)今、消費者はモノを持つ意味を問うている。今や、日本は、“欠乏社会”から“意味社会”へ入りつつあるといわれるゆえんである。

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ファッション産業におけるフェアトレードの現在 -フェアトレードカンパニー株式会社代表サフィア・ミニー氏との対話から- 

青山学院大学 経営学部 専任講師 ヘリオット・ワット大学 リサーチ・フェロー 東 伸一

【要点(Point)】
(1)コーヒーや食品などの分野で定着しつつある「フェアトレード」も、工程が複雑でなおかつ流行のメカニズムから完全に回避することのできないファッション産業においては、多くの困難に直面している。
(2)「文化的製品」の価値を守りつつ、なおかつ市場に受け入れられる製品を開発することは、多くのフェアトレード団体に共通する課題となっている。
(3)既存の大規模メーカー/流通企業がフェアトレード商品の取り扱い範囲を広げることによって、フェアトレード団体にも市場の競争メカニズムの影響が及ぼされるようになっている。
(4)様々な潜在的矛盾を抱えているフェアトレード団体が、どのようにして課題を克服しつつ、IFATの精神にのっとった「代替的な貿易への取り組み」を切り開いていっているのかを、フェアトレードカンパニー株式会社代表サフィア・ミニー氏へのインタビューを通して理解する。

■国内動向

団塊世代 vs キネマ世代 生涯現役を心に決める団塊世代、趣味生活を謳歌するキネマ世代  -2つの世代特徴の違いから、今後の熟年マーケットを考える- 

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)2007年の団塊世代定年問題が視野に入ってきている今、ライフスタイルや消費の特徴について、キネマ世代との違いを改めて整理しておく必要がある。
(2)戦中生まれのキネマ世代は男尊女卑的な思考が今も色濃く残る。妻とは同じ土俵に並びたくないなど、男のプライドがなかなか新しい消費を生みにくい状況を作っている。
(3)その点、戦後生まれの団塊世代は男女平等の教育を受け、友達夫婦やニューファミリーなどライフステージの変化とともに注目されてきた存在。今後のライフスタイルのあり方にも、“カップル消費”“個人消費”という視点が盛り込まれることが考えられる。

■マネジメント

JC改革とテキスタイル産業への提言 

坂口 昌章 客員研究員  有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)問屋業態が支配していたテキスタイル流通のシステムは、90年代後半に崩壊が始まった。メーカーは販売先を失い、ダイレクトなプレゼンテーションが必要になった。ビジネスと遊離していた産地展の存在意義は崩れ、JC(ジャパン・クリエーション)の必要性が高まった。
(2)JCは様々な矛盾を内包していた。変化しつつある流通と、変化を拒む既得権の存在と圧力。業種業態、産地間に横たわる温度差と意識の違い。年1回の補助金事業とシーズン性のあるビジネス。それでもJCのインパクトは大きく、7年間も成長が続いた。
(3)中国からの輸入が増大し、繊維業界団体は中国に対する繊維セーフガード発動を経済産業省に申請したが、中国からの輸入増には、中国進出を果たした日本企業が大きく関わっており、規制は実現しなかった。それに代わり、輸出振興が提唱された。
(4)国際ビジネスに対応できるようなビジネス基盤整備ということで、テキスタイル、アパレルのトータルな改革が進んでいる。また、輸出振興の対象も中国へと大きくシフトしてきた。JCも年2回開催、出展企業の審査を基本にした改革を推進しようとしている。
(5)展示会、見本市、ファッションショーは、あくまでメディアである。ビジネスに直結したメディアの整備も大切だが、ビジネスそのものの改革がさらに重要になる。ビジネスそのものの改革、経営発想の改革が求められている。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

現地化

坂口 昌章 客員研究員  有限会社シナジープランニング 代表取締役

ひとつのブランドが生まれ、世の中に知られるようになっていくまでには、多かれ少なかれ劇的なストーリー が秘められている。さらに確実なことは、誰かそのブランドに情熱を傾けた人間がいるということだ。そうい った人物の熱意を支えにして、ブランドは成長する。今回ご紹介する「ポール・スチュアート」にも、情熱を ささげた人々がいた。これは、彼らの物語である。

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■『中国繊維ファッションビジネス研究会』インフォメーション

上海・北京訪問レポート  『中国繊維ファッションビジネス研究会』第2回公開セミナー抄録

 

■統計・資料

I . 日本の合繊各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2006年1月) 

東レ/帝人/旭化成/三菱レイヨン/東洋紡/ユニチカ/クラレ/東邦テナックス 

II . 日本の紡績各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2006年1月) 

ダイワボウ/シキボウ/クラボウ/富士紡/日清紡/日東紡/近藤紡績所